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妹の洗礼

「短すぎるよぉ、ノーカンノーカンノーカンノーカン、ノーカンノーカンノーカンノーカン。もう一回、もう一回ぃ」


「一回って約束しただろう。約束は守らないと」


「やだやだやだやだやだやだやだ」妹は聞く耳を持たず、私の顔にしがみついたまま胸の中で暴れ回っている。脚をぱたぱたと跳ねさせ、小さなお尻をくねくねと振って。


可愛い。可愛すぎて心が溶ける。この後チェルシーを目にすれば、この愛らしい子犬の姿はたちまち吠え立てる狼に変わるだろうが——今はせめて、可愛い妹を堪能させてほしい。


「よしよし。お兄ちゃんに洗面させてくれないか? お兄ちゃんは一番おまえが好きだよ」


「わたしもお兄ちゃんが一番好き。っていうか、お兄ちゃん以外は全部好きじゃないもん。えへへへ」


「じゃあお兄ちゃんの言うこと聞いてくれるだろ? ね?」


「しょうがないなぁ。でも洗面終わったら、もっともっとたくさんちゅーしてね」


「はいはい、お兄ちゃん約束するよ」


妹の頭を撫で続ける。口元に、自分でも気づかないうちに微かな笑みが浮かんでいた。くすぐったくて笑うのでも、勝利を得て笑うのでもない。心の底から湧き上がる笑み。最後にこんな風に笑ったのは、いつだっただろう。随分と遠い昔のことだ。


ともあれ、可愛い妹の甘えと抱擁を堪能した後、妹がべったりと張り付いたまま主広間に向かった。大卓に着くと、使用人が洗面盆と水差しを運んできた。吸水用の亜麻布と、香油を塗り込んだ絹。続いて塩と木炭と香辛料を調合した歯磨粉、苦楝の枝と骨製の歯刷子、杯と水の容器が並べられた。


「お兄ちゃん、わたしがやってあげる」


「待って、いら——」


亜麻布を手に取って水で湿らせようとした矢先、妹に遮られた。私より先に亜麻布をさっと掴み、洗面盆の湯に浸し、絞り上げて、私の顔に向かって拭き始めた。


温かな湿り気と、布の繊維がかすかに擦れる感触が顔を包んだ。思わず目を閉じる。妹はその隙に、自分の椅子から私の椅子に跨いで座った。


妹の拭き方は丁寧だった。貴重な美術品を磨くように、ゆっくりと頬を拭い、額へ移り、顎へ、首筋へ。それから耳朶へ。


時間をかけすぎたせいで、亜麻布は次第に冷めていった。最初の温もりが、ほのかな涼しさへと変わっていく。さらさらという水音が耳膜に沁み込み、身体の芯がふわりと緩んだ。


拭き終えた亜麻布を置いた妹が、今度は滑らかな絹を手に取った。妹自身の幼い肌のように滑らかなそれが、顔の上をもう一度通り過ぎていく。香りが漂った。


「はい、お兄ちゃん。お顔きれいになったよ。ちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅー」


「まだ歯を磨いてない」


「じゃあわたしの舌が歯ブラシになって、お兄ちゃんのお口をぴかぴかにしてあげるよ」


「やめて、汚いから」


「お兄ちゃんの身体に汚い所なんかないよ」


「苦楝の枝を噛んで、薬草と塩と木炭でうがいするだけでいい。歯ブラシはいらない」


「わかった。じゃあ、はい、お兄ちゃん。わたしがやってあげる」


妹の片手が私の肩に添えられ、力を借りて上体をわずかに卓の方へ傾けた。指先に歯磨粉をつけ、私の歯に均一に塗り込んでいく。


妹の肌は柔らかい。さっき顔を拭った絹と同じくらい滑らかで、その感触が歯から歯茎へと伝わった。本当に、どうしてこんなに可愛い妹がいるのだろう。


「さあ、お兄ちゃん様、どうぞ」


妹が苦楝の枝を手に取り——まず自分の口に含んで湿らせてから、私に差し出した。口を開けると、妹がそっと枝を入れてくれた。噛み始める。枝の清涼な香りと繊維の歯触りが口の中に広がった。できるだけ噛みながら舌で位置を動かし、繊維が歯の隅々まで行き渡るようにした。


「もういいでしょ、お兄ちゃん。早くうがいして、それから大好きな妹にすーっごくすーっごくすーっごくすーっごくすーっごくすーっごく大きなちゅーしてね」


妹が待ちきれない様子で杯を差し出してきた。反応する暇もなく口に押し込まれ、強制的に水を流し込まれた。ごくごくと音を立てた後、妹が差し出した容器に吐き出した。


「はい、はい、もうちゅーできるね。残りはお手伝いさんが片づけてくれるから。ちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅー」


「しょうがないな、本当に」


妹が私に抱きつき、なおも興奮して叫んでいる。仕方なく笑って、妹の黒い髪を撫でながら、大はしゃぎする小さな口に唇を重ねた。妹はすかさず舌を差し入れてきて、私の舌と絡み合い始めた。清らかな息が口の中に流れ込む。妹の脚が私の腰を挟み込み、まだ成長途上の——蕾のように小さな胸が、私の上に座っているせいで時折胸板にそっと触れた。


この口づけはどうしても早朝のあの不気味な夢を想起させたが、努めて無視した。妹の口腔から伝わる甘さと清涼な香りに意識を集中する。あの異様な声が、可愛い妹と比べられるわけがない。


長い口づけの後、ゆっくりと顔を離した。妹の瞳には、まだ名残惜しさが溢れている。


「まだ足りないの。もう一回、いい? いい? いい? いい? いいでしょ?」


「よしよし、おりこうさんにしてな。お兄ちゃんはまだやることがあるんだ。そうだ——お兄ちゃんからお土産があるんだよ」


「ほんとう? お兄ちゃん最高! 何をくれるの! もちろんお土産がなくたって嬉しいよ。わたしがいちばん欲しいのはお兄ちゃんだもん。ずっとずっとずっとずっと一緒にいてくれること」


「はいはい。お兄ちゃんだってずっと一緒にいたいよ。でもやらなきゃいけないことがあるんだ。お土産は、従者と使用人に荷物をまとめて持ち帰るよう指示しただけだけど、荷物の中に入ってるはずだ」


「あの、俺の荷物はどこに置いた?」片づけをしている使用人に尋ねた。


「殿下、アンシラ様のお指図で、以前のお部屋に運んでございます」


「じゃあ行こう、妹。俺の部屋に取りに行こう」


「お兄ちゃんの抱っこから離れるの、まだ惜しいけど……お兄ちゃんがそう言うなら、しょうがない」


妹がゆっくりと私の上から降りた。小さな手がそっと私の手を取り、頭を胸元に預けたまま、一緒に回廊を抜け、広間を横切り、階段を上がって、私の部屋に辿り着いた。


「お兄ちゃん、何をくれるの?」


「見ればわかるよ」


皮革で密封された板条箱を開け、雑多な荷物の中からイチイ材で作られた小箱を探り当てた。手に取り、妹の前に差し出してから、蓋を開けた。


「わぁ……この絹、すっごく綺麗。いろんな色に染められてて、金糸まで織り込んであるよ。普段見るのとは全然違う。——あ、この上に描かれてる赤くて大きな鳥は何? 伝説に出てくる、征服された民族が信仰してた太陽の神鳥みたい」


「これはただの絹じゃない。"錦"と言うんだ。遥か遠い極東——オリエンス人の向こうのさらに東の地域から運ばれてきたものだ。その価値は小国一つ分に相当する。もう一枚手に入れようと思ったら、おそらく皇室か総教会堂にしか残っていない。この鳥は東方の人々の偶像崇拝の一つで、伝承によれば高貴な女性を象徴するとされている」

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