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少女装鎧ジノグラフ  作者: 八波草三郎
謎の破壊者

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ホジダラ迎撃戦(2)

 翌日、予想どおり飛行タイプの装鎧戦士(エルフィンアーマー)がやってくる。総数十二の戦士の到来を耳にした正輝は、小妖精(リトルエルフィン)に教会に隠れているよう言い残してバイクにまたがった。


「ルキ、ビルドイン」

 今日はリアシートに乗っていたエメルキアと融合変身する。

「ホジダラから離れた位置で迎撃する。見えたらバイクは任せるから」

「うん」


 ランゼッタは全て手放しの念動力(サイコキネシス)のみでバイクを操る。彼女の場合、運転そのものより構造を理解するのが重要で若干手間取ったが間に合った。


「ロナとルーザもバイクで待機。出てくるなよ?」

「あーい」

「観戦してるわ。逃げだすようなら追い掛ける」


 便利そうな飛行タイプだが欠点も多いようだ。普通の装着者だと、飛べるのは半日程度らしい。飛ぶには精気も大量に消費するし、変身可能時間にも縛りがある。


「多少消耗した状態でやってくる。向こうも欠点がわかってて近場で一泊してるだろうが、弱ってるのに変わりない」

(それで多数でも相手できると思われたんですね?)

「いや、別に走りトカゲで来ててもこのくらいの数は正面から行ったと思うぜ」


 少女から無茶をするという意識が伝わってくるが特に不利とは感じてない。魔法力はもしかしたら相手が上かもしれないが応用力には自信がある。


「ただの便利な力と思ってる人間と、仕組みを理解してる人間の違いってやつを見せてやる」

「それって大きいかも。ぼくもバイクの運転でわかった」

「だろ?」

(バイクと同じというのは)

「いや、根っこのところで同じだったりする」


 空に飛んでくる点を見つけたところで運転をランゼッタと変わる。彼はジャンプするとバク宙をして大地に降りたった。


(隠れて攻撃すれば先制できましたのに)

「いーや、ここで格の違いを見せつけてやるとすべき。今後の心理戦に影響するからさ」

(珍しく自信満々ですのね)


 空から俯瞰で見ていた装鎧戦士(エルフィンアーマー)たちは早々に正輝に気づく。聞いていたのとは違う状況に戸惑って降りてはこない。


「お前がタンラガの教会を襲った者か?」

「ご名答」

 腰に手を当てて答える。

「二人はどうした。足止めを」

「とっくに片づけてホジダラの教会に押し込んであるぜ。気になるなら手を分けて助けに行ってやれ」

「そんな口車には乗らない。抵抗しなければこのまま拘束するだけに留める。降参しろ」


 編隊を組んで空中に浮いている。そこから遠隔攻撃で勝負がつくと思っているようだ。


「飛んでたら飛んでる分だけ消耗すんだろ? 降りてきて戦えよ」

「馬鹿を言う。この数に対抗できるとでも……」

「できる。降りないなら落ちろ。サイコブラスト!」


 一人に上から念動力(サイコキネシス)をぶつけて撃墜する。面白いくらい見事に落下してきた。油断しまくってるらしい。


「む、来るぞ。警戒しろ」

 編隊ごと前進して墜落した味方を庇う。

「サイコブラスト」

「何度も同じ手が通用するか。愚かな」


 空中でバチンと音がして念動が弾かれた。それくらいは予想済みである。


「ほれほれ、じゃんじゃん行くぜ。ソイルスピア!」


 飛びオオトカゲが見せてくれた土錐である。土で円錐の弾を作ると下から浴びせる。それそのものは見え透いた攻撃だが、三十ほど作ってやれば慌てている。


「ぐう、話と違う。魔法タイプなのか。それでは空中からでは不利だ」

「自分の苦境を語るもんじゃないぜ」


 ソイルスピアも見え透いた攻撃で数が多いだけ。念動力(サイコキネシス)で弾いてくるも、防御しているだけで消耗しているだろうと推測する。


「仕方ない。地上に降りて攻撃する。もう一人残れ」

 空中に二人残って三次元的な攻撃に踏み切る様子。

「ほほう。で?」

「普通に戦うだけだ。十人相手にどうするという?」

「別に。気にならないさ。ヒートミサイル」


 走って向かってきていた十人の装鎧戦士(エルフィンアーマー)が突如として吹き飛ばされる。本人たちはなにが起こってるかわかっていないはずだ。


「いったいなにを!」

「わざわざタネ明かししてやるもんかよ」


 余裕の腕組みをして嘲笑う。それで飛行隊は身動きが取れなくなっていた。


(今のどうやったんです?)

「難しい話じゃない」

 エメルキアには小声で説明する。

「土っても、そこにあるのは土だけじゃない。中には空気も水も含んでる」

(そういうものなのですね)

「で、念動で一気に摩擦熱を生んでやるとどうなるか。瞬時に水蒸気になって爆発的に膨らむのさ」


 本当に特撮の特効ばりの大爆発が起こっていた。火薬は使っていないのに、圧力は上にしか逃げられないので派手に弾ける。その爆発に巻き込まれて教団戦士たちは吹き飛んだのだ。


「俺は焦点を絞って力を送り込むだけ。集団戦だとこれ以上ないだろ。なにせ、どこが爆発するか相手にはわからないと来てる」

(なんだか、とんでもない攻撃を生みだしましたね、マサキ)


 ジノグラフに炎の魔法はない。空気中に燃えるガスは急に現れないからだ。代わりに熱を応用した攻撃がヒートミサイルである。まるで、目に見えないミサイルが着弾しているように見えるからだ。これは、地面があればどこでも使えるので適用範囲が広い。


「ほれほれ、束で掛かってきてその体たらくじゃ情けないぜ?」

「言わせておけば!」


 正輝は敵を挑発して余裕を失わせていった。

次回『ホジダラ迎撃戦(3)』 「あんたらの敵さ」

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