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第75話 要 異変

次の日 俺が教室に入るのがたまらなく嫌だったのはわかるだろう?


けど アイツが逆ギレすんのだってどうなんだって話なわけで・・・


もやもや教室のドアの前で考えていると後ろから肩をたたかれる。


「要?」


後ろを見ると心配げにこちらを見る燐。


もちろん横には飛鳥がいた。


「・・・お おはよう・・・」


「何お前 教室の前で立ち止まって・・・怪我とか 大丈夫なのか?」


「あ、あぁ・・・怪我はなんともない。」


「ふぅん?なんともなくってよかったね」


何も知らない いや、知らなくてもいいんだけど・・・


燐がにこりと微笑む。


その幼げな顔が華穂とだぶって なんとなく恥ずかしい。


そんな俺を飛鳥はきょとんとした顔で見てくる。


燐はどこか華穂に似てるもんだから俺は燐を直視できないでいたんだ。


「おはよー!」


明るい 小さい子供みたいな声と口調でこちらに来たのは 顔を見ないでもわかる 華穂だった。


俺はふりむくことができなくて 飛鳥の足元ばかり見ていた。


「おはよう華穂」


燐の声。


「うん!燐と飛鳥と・・・」


華穂の声が止まる。


俺に気がついて 昨日のことを思い出したのか


それとも俺だと気づいていないのか。


「・・・要?」


燐が俺の異変にようやく気づき 声をかける。


動くことができなかった。


華穂の顔を見たら 何かが起こる気がした。


それが何かまでは思いつかなかったけど


今 華穂の顔を見ちゃいけない気がしたから。




ガラッ


教室のドアが開く。


飛鳥が腕を伸ばしてあけたらしい。


燐が俺をぬいて中に入る。


手をつないでいた飛鳥もそれに続く。


「・・・・・・」


少し間があって 俺も重い足を教室へ入れた。


後ろで華穂の ぼてぼてという効果音の似合う足音が聞こえた。


「ぁ あのね 要!」


華穂が俺の服をつかむ。


「へ?」


思わず振り向いて 後悔する。


俺を見上げる華穂の顔


目があった瞬間 顔に血液が集まってきた。


「ぁ・・・」


慌てて目をそらす。


その様子を新一や飛鳥が見ているのにも気づく。


「き 昨日は急に帰ってゴメン!」


「あぁ・・・うん 別に・・・」


目をそらしたまま適当に相槌。


ヤバイ なんで俺顔赤くしてんだろ?


華穂の顔見れね・・・


「えーと・・・」


華穂もしばらく黙る。


俺はとにかくこの場から逃げ出したくて、なんとなく飛鳥たちのほうへ目をやる。


飛鳥と目があう。


必死に『助けてくれ』と目で訴えるが飛鳥は気づいていないのか黙って見てるだけ。


おいおいおいおい・・・


「華穂!話終わった?トイレ行かない?」


燐がにっこりと微笑みながら華穂に言う。


ナイス燐!!


俺の異変に気づいてかどうかは知らないが俺は心の中で燐に拍手した。


「あ・・・うん」


華穂は燐と教室を出た。


「はぁ・・・」


ため息をついてかばんをおろして机に置く。


すると飛鳥がこちらに寄ってきた。


「何 華穂となんかあったのか?」


「はぁ!?な なんで!!」


「様子がおかしい・・・というか・・・」


すると新一がニヤリと笑って言う。


「なんか恋愛がらみっぽいしな」


「な・・・!!」


顔が真っ赤になったのに気づく。


教室内の数名がこちらをチラチラ見てくるし・・・


「んなわけねぇだろ!」


「けど 飛鳥と燐のケースもあるし?」


新一はまたニヤニヤ笑う。


「べ 別に・・・昨日下着姿見たからちょっと意識しちゃってるだけで恋愛どうこうなんて・・・!!!!」


言い終わってから口を手でおさえる。


「下着・・・」


「すがたぁ!!?」


2人が目を丸くする。


口がすべった・・・


ガリガリと頭をかいてうつむく。


きっと今俺はみっともない顔をしてるはずだ。


耳まで赤くて たぶん相当カッコ悪い。


「どういうことだ!なんで!?なんで下着!?」


年頃の女の下着姿


そのキーワードに興奮した新一が俺に質問ぜめしてくる。


「べ 別に好きで見たわけじゃねぇ!!ただレントゲンの時に間違えて入っちまって・・・」


「へえぇ・・・」


「華穂の」


「「下着姿」」


2人がわざと声をそろえて言う。


「うるせぇ!!思い出させるなよ!!」




あぁもう 最悪だ!!



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