第62話 お泊り4
顔に何かがあたって意識が戻る。
「ん・・・」
よく寝た 目の奥がじんわりとした。
目を開けると視界には線が何本かある。
髪・・・?
俺 髪の毛長くないからこんなとこにないのに・・・
つまんで離す。
横を見ると燐がすうすう寝息をたてていた。
「・・・燐?」
「ん・・・」
燐は一瞬眉間にしわを寄せたがすぐにまた寝息をたてた。
「・・・ベッドから落ちたのか」
くすりと笑って頭をなでる。
長いまつげ 色白 綺麗な髪 細い体
改めて見ると本当に綺麗な体をしていて
その子のことが好きで ましてその子も俺のことが好きだとか考えると口元が緩んだ。
半開きの唇に近づくと燐がまた眉間にしわを寄せた。
「んん・・・」
その反応と声にビクッとして慌ててもとの体制に戻る。
いや・・・別に つきあってんだし・・・悪いことしてるわけじゃねぇんだけどさ・・・
「・・・ははははは」
これじゃ 寝てる女の子に何かやましいことしようとしてる男みたいじゃないか・・・って 実際そうなんだけどさ!!
「・・・やめよ」
なんだか自分が本当にバカに思えてため息まじりに一言吐く。
携帯に手を伸ばし時間を確認すると7時過ぎてた。
横を見ると燐はまだ熟睡中で起きそうになかった。
燐の手を握る。
細くて 乾いた手
俺の手よりも小さい手
起きないかなーと思いながら寝顔を眺める。
「ん・・・」
やっと燐が目を覚ました。
「おはよ」
にっこりと笑って言うと燐はすぐにいきおいよく起き上がった。
「な、なんで!?なんで私飛鳥と一緒に寝てるの!?え!?手つないで・・・ええ!?」
寝起きで何がなんだかわからないみたいで燐はキョロキョロしてる。
「え!?え!?なんで!?」
「アハハッ どうしたの?」
俺も起き上がって燐の頭をなでる。
「え?え?どーしよ・・・覚えてないんだけど・・・」
「え?昨日のこと 覚えてないの?」
「お酒飲んで・・・あれ?」
あぁ、そうか 酔っ払ってたんだっけ?
「覚えてないんだ?」
「え?何が?」
きょとんとしてる燐が可愛くて 俺の頭に悪魔の角が生える。
「昨日燐酔っ払ってさーホンット困ったよー」
「え?え?何が?」
「何がって 色々♪いや〜ホンット 大変だったな〜酔って眠ってさー俺しょうがなく家に連れ込んで・・・あ〜も〜そっからも大変だったよ〜」
うそは1つも言ってないしね♪
「え?え?え?な・・・何!?私何したの!?」
「え〜?なんだったっけぇ?」
「は・・・歯軋り!?いびき!?寝相!?思い当たることがありすぎて・・・」
燐が泣きそうな顔になる。
あぁ、この辺でやめとこう
「うそだよ なんもない」
「へ?」
「ちょっとからかっただけだよー 酔って寝ちゃったのはホントだけど、家には俺が勝手に連れ込んだの。」
「ホントに?」
「うん ちゃんと風呂も入ったのに 記憶ないの?」
くすくすと笑うと燐は顔を真っ赤にした。
「だっだって・・・ホントに覚えてなくて・・・」
「気にしなくていいよ・・・クククッ」
まったく 可愛いなぁ・・・
まだ納得できないように思い出そうとしてる燐を見ながら幸せなため息をついた。




