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BEHIND OPS:05

 デヴォルカス海軍、『ヴァニッシュ艦隊』。デヴォルカス連邦共和国の東に位置するデヴォルカス海域を死守する目的で編成された海軍最強部隊だ。


 デヴォルカス海域をさらに東へ進んだ先にはデヴォルカスが長年敵対している亜人の王が支配している王国、『アムソトラル王国』がある。そのアムソトラル王国がデヴォルカスに攻め入るには海を渡らなくてはならないため、日夜『ヴァニッシュ艦隊』が海域へ侵入しようとしてくる敵を迎撃しているのだ。亜人の王が支配する王国には海を魚のごとく泳ぐことができる半魚人と呼ばれる亜人がいるため陸地でしか自由に動けない人間にとって頭を悩ませる敵がデヴォルカス海域には度々姿を現している。


 そんな重要な任務をこなしている『ヴァニッシュ艦隊』最高指揮官のヴァークナイト・アーク・ビジャー提督は部下の海兵達と共に魔法軍用兵器『ジャイアントレールガン』が両側面に四つずつ備え付けられたデヴォルカス最強と呼ばれる船の甲板である人物を待っていた。

 

 ヴァークナイト提督は軍服の上に黒色のロングコートを羽織っており、頭には黒い鍔に白色の高級な布で作られた海軍の制帽を被っている。


 そのヴァークナイト提督が揺れる甲板に降り注ぐ雨の中上空を見上げると、胴は獅子で鷲の頭と翼、蛇の尾をもつ『グリフォン』と呼ばれるモンスターの背中に乗った複数の黒軍服達の姿が見えた。

 

 黒軍服を乗せたグリフォンは船の周りをグルグルと旋回しながら徐々に高度を下げ、器用に甲板に着陸した。


 着陸を確認したヴァークナイト提督と海兵達は黒軍服達に敬礼をすると、グリフォンから降りてきた黒軍服達も敬礼をし返す。


 そして、その黒軍服達の後ろからゆっくりと歩いてくる者の姿があった。


 骸骨の頭に、赤色のゴーグル。黒軍服を着たデヴォルカス軍最高指揮官であるベイジョン・ダウン・フォルスマス元帥だ。


「お迎えご苦労」


 ベイジョンに話しかけられたヴァークナイト提督はすぐさま返答をする。


「はっ!ベイジョン元帥殿!ご訪問我々一同誠に感謝しております。この甲板ではなんなので、早速中へ案内致します」


「ヴァークナイトよ ワザとらしく俺に敬語を使うな むず痒いぞ 今はお前の上司とはなったが今まで通り普通に話そうではないか!」


 ヴァークナイト提督はニヤッと笑い返すと、


「本当か?後で難癖を付けてくるなよベイジョンよ。お前が元帥殿とはな.... 悔しいが仕方がない。どうせ今回来た理由は分かっている。さあ中へ入ろう」


 デヴォルカス軍最高指揮官であるベイジョンとタメ口を聞けるほどの関係であるヴァークナイト提督はベイジョンが元帥になる前からの戦友であるが故に今でもその関係を保てているのだ。他の海兵達や黒軍服達もこの最強と呼ばれる二人が同じ場にいることに息を飲んでいるが当の本人達は気にしていない様子だ。


 ヴァークナイト提督はベイジョンにも負けず劣らない兵士であり、海軍の最高指揮官の座にも付いている。お偉いさんとなった今でも前線に張っているのはヴァークナイト提督に代わる人材がいないためだ。


 ヴァークナイト提督は攻撃魔法にも優れているが、一番の強さはその探知能力だ。半径数キロの敵の位置、能力を看破することができる上に、それが空や海の中であっても関係ない。故に海の中から侵攻してくる半魚人達が海に浮かぶ船から姿を発見されてしまうのはヴァークナイト提督の能力によるためだ。


 そんな強さを誇ることを呪うべきなのか。彼は四六時中海に出ており、ほとんどデヴォルカスに帰ることができない。彼がいない時を見計らって半魚人が攻めてくる可能性を捨てきれないからだ。


 しかし、そんなヴァークナイト提督にもデヴォルカスの陸を歩ける日がある。


 それは、休みなどではなく、ソルジャーゲームの準備をする時だ。


 ベイジョンが来る前、伝令から近日中にソルジャーゲームが催すことを知らされていたヴァークナイト提督は久しぶりに陸へ帰れることを内心喜んでいたのだ。


 それでは、誰がこの空いた穴を塞ぐのか?


 それこそがデヴォルカス最強戦力であるベイジョン・ダウン・フォルスマスなのだ。


 ベイジョンを船の中に招き入れ、いつものように提督司令室へと連れて行く。


 まず、二人だけになったこの部屋でやることと言えば決まっている。


「乾杯〜!」


「乾杯〜!」


 二人は透明なグラスにこれでもかと言うほどなみなみに注いだお酒を一気に飲み干した。


「クーーつ!! 最高だな」


「やっと酒が飲めるぜ 揺れる海では飲めないからな... それにしても毎回思うがお前よくその骸骨の頭で飲み物が飲めるな...」


「失礼な 口周りの皮膚はまだ残っている。飲食には問題ないと以前に言ったはずだが」


「すまん すまん だが、いつ見ても悍ましいな。俺でなかったら皆恐怖でしかないだろうよ」


「知ったことか.... あのモヴィルスの野郎の所為だと言うのに...」


「そう言えばホンブル市に現れたそうではないか... 潰せば良かろう」


「無理だな...」


「ああ お前の弟があそこにはいるからな... その外見とは裏腹に優しい奴だぜお前は」


「それは言うなと言ったはずだ... お前が隠している目の事をバラしてもいいんだぞ? 何せ俺は元帥殿だからな」


「わかったって 言わないよ....」


「よろしい だが別に制帽を取っても誰も口を出せないとは思うぞ?」


「亜人嫌いのこの国で亜人を殺している俺が制帽を取ったらどんな反応をするか... 亜人の王よりも恐ろしいぞ」


「なるほど.... では世間話もこれまでにして、早速『ソルジャーゲーム』について話そう」


「了解〜 じゃあ また俺はコルノン市に行けば良いのか?」


「ああ そうだ」



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