第1話〜なんと!保健室の中でいきなり入れ替わり
「もしも嫌いなアイツと体が入れ替わってしまったら?」
そんな王道にして最悪のハプニングが、よりによってこの二人に降りかかります。
口を開けば喧嘩ばかりの二人が、お互いのプライドと社会的一死を懸けて挑む、絶対にバレてはいけない入れ替わりスクールコメディ。
まずは保健室の絶体絶命のピンチからスタートです!
「ちょ、ちょっと待て! 俺の胸が……平野のなだらかな平原になってる!?」
「それはこっちのセリフよ! なんで私の大胸筋が、そこらの板チョコより硬いのよ!?」
二人はベッドから転げ落ち、同時に保健室の姿見へと這いずり寄った。鏡に映っていたのは、お互いの体を「着た」自分たちの姿。
「うわあああ! 俺が、俺がブレザーのスカート履いてる! 風通し良すぎてスースーする!」
「叫ばないで私の声で! ていうか、あなたの体、無駄に背が高くて天井が近くて怖いわよ! 立ちくらみする!」
パニックのあまり、男子の体になった彼女は慣れない長い手足をもつれさせてベッドの柵に激突し、女子の体になった彼はスカートの裾を掴んで必死に太ももを隠そうと迷走する。
「落ち着け……落ち着くんだ、平野。まずは現状を整理しよう。深呼吸だ」
「あなたの顔でそんな引きつった笑い方されると、ものすごく腹が立つんだけど!?」
その時、廊下から「先生、ちょっと保健室行ってきますねー」という、クラスの噂好き女子の声が近づいてきた。
「ヤバい、誰か来る!」
「どうするのよ!? この状態で『こんにちは』って言うの!?」
「よし、お前は俺のフリをして寝たフリしろ! 俺はお前のフリをして……ええと、女子のポーズってどうやるんだっけ!?」
絶体絶命のピンチに、二人は不自然極まりないポーズのまま硬直した
第1話をお読みいただきありがとうございました!
「もしも嫌いなアイツと体が入れ替わってしまったら?」という王道中の王道テーマですが、真逆のトップとワーストが入れ替わることで、お互いのプライドを懸けた極限の騙し合い(?)が幕を開けました。
中身は品行方正なのに見た目は凶悪なヤンキー、中身はガサツなのに見た目は麗しき生徒会長。文字通り「社会的一死」を免れるため、二人が全力で繰り広げる不本意な相互プロデュースを楽しんでいただけたら嬉しいです。
次回、黒岩先生の鋭い追及を二人はどう切り抜けるのか!? そして、地獄の「お互いのフリをして過ごす学校生活」の本番が始まります。
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