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保健室の中で入れ替わり  作者: 孑孑(ぼうふら)
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第10話〜最悪な休日る?

始まりは、最悪の「……あ」だった。

楽しみにしていた週末の遠出は、鍵の紛失という呆気ないトラブルによって一瞬で白紙に。実家へと引き返し、気まずい沈黙の一夜を明かした私たちは、重い足取りで東京の部屋へと戻ってきます。

小さくなって謝る平野と、怒る気力すら失せた私。

思い描いていたきらびやかな休日とは程遠い、惣菜と映画だけのダラダラとした週末。

翌朝、気まずい沈黙の夜を越えた私たちは、それぞれの実家から東京の部屋へと舞い戻った。

鍵を開けた平野は、借りてきた猫のように小さくなって「本当にごめん」と頭を下げた。怒る気力も失せていた私は、ただ深くため息をつき、「次からは鍵、玄関のトレイに置くこと」とだけ告げてソファに倒れ込んだ。

結局、楽しみにしていた遠出の予定はすべて白紙。私たちは近所のスーパーで惣菜を買い込み、部屋でダラダラと映画を見るだけの週末を過ごした。

最悪のスタートだったけれど、映画を見ながらポテトチップスを口に運ぶ平野の横顔を見ていたら、なんだか急に馬鹿馬鹿しくなって笑えてきた。あの絶望の「……あ」という声は、きっと一生忘れないだろう

「……あ」という、この世で最も絶望的な響きを持つ二文字から始まった第10章、いかがでしたでしょうか。

華やかな旅行の予定は文字通り「白紙」になり、実家での息が詰まるような沈黙を経て、行き着いた先はいつもの東京の部屋。最悪のスタートを切った二人でしたが、惣菜をつつきながら映画を観るという、なんてことのないダラダラとした時間に、どこか救いのような心地よさを感じていただけていれば幸いです。

完璧な休日よりも、トラブルの果てに見つけたこんな不格好な日常のほうが、不思議と愛おしく、二人の距離を近づけるのかもしれません。

いよいよ物語は次の章へ進みます。この気まずくも温かい週末を越えた二人が、どのような関係へと変わっていくのか。ぜひ最後まで見守っていただければと思います。

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