表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティを追放された僕は、エルフの君と来世まで恋をする  作者: Atelier Lotus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
99/143

第98話 白竜皇

 部屋を静かな沈黙が包んでいた。


 リュカは閉じた古文書を見つめ、小さく息を吐く。


「結局」


「肝心なところは分からなかったね」


「うん」


 フィオナも静かに頷いた。


 魔王ニコラス。


 魔核融合体。


 千年を生きた理由。


 そこまでは分かった。


 だが。


 魔核融合体の詳細も。


 その後どうなったのかも。


 肝心な記録は、すべて失われていた。


 再び沈黙が流れる。


 その時だった。


 フィオナが何かを思い出したように顔を上げる。


「一人だけ」


 リュカも顔を上げる。


「知ってるかもしれない人がいる」


「え?」


 フィオナは静かに答えた。


「白竜皇オルド様」


 聞いたことのない名前だった。


「白竜皇?」


 リュカが首を傾げる。


 フィオナはゆっくりと語り始めた。


「神話の時代」


「竜神皇エーテル様が世界を治めていた頃から生きる、最古の竜」


「五大竜王の頂点に立つお方」


「ヴァイスラント帝国初代皇帝と盟約を結び」


「今なお、歴代皇帝と皇妃を選び続けている白竜皇」


 リュカは思わず息を呑んだ。


 それはもはや、歴史の生き証人だった。


 神話。


 英雄。


 王国の興亡。


 数え切れない時代を、その目で見続けてきた存在。


 フィオナは続ける。


「オルド様は」


「世界の始まりから、幾度となく文明の興亡を見届けてきた」


「私のお父さんよりも、ずっと長く生きている」


 だからこそ。


 リュカは自然と、その先の言葉を察した。


「もしかして……」


 フィオナは静かに頷く。


「オルド様なら」


「魔王ニコラスのことも」


「魔核融合体のことも」


「何か知っているかもしれない」


 その一言で。


 リュカの胸に、再び希望が灯る。


 世界で最も長い時を生きる竜。


 もし、その方でも知らないのなら。


 もう誰も知らないだろう。


 だからこそ。


 会いに行く価値があった。


 リュカは力強く頷く。


「行こう」


「白竜皇オルド様に会いに」


 フィオナも微笑む。


「うん」


 二人は再び旅支度を始めた。


 目指すは北方。


 白竜皇オルドが暮らす国――アルカ=ヴェル竜皇国だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ