表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティを追放された僕は、エルフの君と来世まで恋をする  作者: Atelier Lotus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/143

第83話 永遠の誓い

 結婚式当日。


 村の小さな教会は、色とりどりの花で美しく飾られていた。


 妖精たちは朝から大忙しだ。


「もっと花びら持ってくる!」


「こっちも飾ろう!」


「今日は最高の日だね!」


 教会の中では、村人たちが二人の到着を待っていた。


 やがて。


 ゆっくりと扉が開く。


 純白のドレスを身にまとったフィオナが、一歩ずつ祭壇へ向かって歩いていく。


 その姿に、教会中が息を呑んだ。


「……綺麗だ」


 思わず漏れたリュカの言葉に、フィオナは少しだけ照れくさそうに微笑む。


 祭壇の前。


 二人は向かい合った。


 神父が静かに問いかける。


「リュカ。あなたはフィオナを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」


 リュカは迷うことなく答えた。


「誓います」


 神父は穏やかに頷き、今度はフィオナへ視線を向ける。


「フィオナ。あなたはリュカを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」


 ――その命ある限り。


 その言葉が、フィオナの胸へ深く響く。


 人間にとっては、一生。


 エルフにとっては、ほんの一日一夜にも満たないほど短い時間。


 それでも。


 その短い人生のすべてを、自分へ捧げるという誓い。


 その意味を。


 二人だけが知っていた。


 フィオナの瞳から、一筋の涙がこぼれる。


 嬉しくて。


 幸せで。


 そして少しだけ切なくて。


 様々な想いが、その一粒に込められていた。


 フィオナは涙を拭い、リュカを真っ直ぐ見つめる。


 そして優しく微笑んだ。


「……誓います」


 その声は、小さくても力強かった。


 リュカはそっとフィオナの手を取り、指輪を薬指へ通す。


 続いてフィオナも、リュカの薬指へ指輪をはめた。


 二人は見つめ合う。


 どちらからともなく笑みがこぼれた。


 ゆっくりと距離が縮まる。


 そして。


 優しく口づけを交わした。


 その瞬間。


 教会の鐘が高らかに鳴り響く。


 妖精たちは一斉に花びらを舞わせた。


「おめでとう!」


「幸せになってね!」


 村人たちの温かな拍手が教会いっぱいに広がる。


 エルフと人間。


 寿命は違う。


 歩む時間の長さも違う。


 それでも。


 二人は、同じ未来を歩むことを選んだ。


 未来に何が待っているのかは、誰にも分からない。


 けれど。


 悲しみを恐れて立ち止まるのではなく。


 二人で笑い。


 二人で泣き。


 二人で未来を探していく。


 そう誓った今日という日は。


 きっと。


 二人にとって、永遠に色褪せることのない、大切な一日になるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ