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勇者パーティを追放された僕は、エルフの君と来世まで恋をする  作者: Atelier Lotus


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第67話 一緒にお風呂

 その日の依頼を終えた帰り道。


 フィオナが思い出したように言った。


「そうだ」


「今日は共同浴場に寄っていこ!」


「温泉?」


「うん!」


「疲れも取れるよ!」


 二人は村の共同浴場へ向かった。


 森に囲まれた、小さな天然温泉。


 この村では昔から混浴が当たり前らしい。


「いらっしゃい」


 受付には、顔なじみの女将がいた。


 二人を見るなり、にっこり笑う。


「あらあら」


「今日は恋人さんだけでどうぞ」


「若い人の邪魔しちゃ悪いからねぇ」


 そう言って貸切札を掲げる。


 するとフィオナが苦笑した。


「まあ、私、若くないんだけどね」


 女将は一瞬きょとんとしたあと、くすっと笑う。


「何言ってるの」


「二人とも十分若いじゃない」


 フィオナは首を振る。


「いや、エルフの感覚だと、私も結構いい歳だから」


 その言葉に、女将は「ああ」と納得したように笑った。


「なるほどねぇ」


「エルフさんからしたら、私たちなんてみんな赤ちゃんみたいなものか」


「そんな感じかな」


 フィオナも笑う。


 隣で聞いていたリュカは苦笑した。


「その赤ちゃんと付き合ってるんだけどね」


「そうだった」


 フィオナも思わず吹き出す。


「じゃあ、お邪魔しないようにね」


 女将は温かく二人を送り出した。


 しばらくして。


 湯気の立ちこめる浴場。


「……」


「……」


 何とも言えない沈黙が流れる。


「フィオナ」


「何?」


「その……」


「目、閉じて!」


「閉じてるよ!」


「絶対見た!」


「見てないって!」


「ほんとに?」


「ほんと!」


 フィオナはじーっとリュカを見る。


「……怪しい」


「怪しくない!」


 リュカは必死だった。


「じゃあ!」


 フィオナが腕を組む。


「なんで見てないのよ!」


「えっ?」


「恋人なんだから!」


「そ、それは……」


 リュカは顔を真っ赤にする。


「僕、どうしたらいいの!?」


 その反応がおかしくて、フィオナは思わず笑ってしまった。


 けれど次の瞬間。


 リュカがじっと見つめ返してくる。


「ていうか」


「フィオナだって、僕の見てるじゃん」


「私はいいの!」


 即答だった。


「なんで!?」


「私はいいの!」


「理由になってないよ!」


 二人は顔を見合わせる。


 そして。


 どちらからともなく吹き出した。


「ふふっ」


「あははは!」


 温泉には、二人の笑い声が響き渡る。


 帰り道。


 夜風が火照った身体を優しく冷ましていく。


「なんか」


 リュカが照れ笑いを浮かべる。


「今日は、すっごく疲れた」


「温泉入っただけなのに?」


「うん」


「心臓がね」


 その言葉に、フィオナは耳まで真っ赤になった。


「……私も」


 結局。


 家へ帰るまで。


 二人の顔の赤みは、最後まで消えなかった。

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