表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティを追放された僕は、エルフの君と来世まで恋をする  作者: Atelier Lotus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
136/143

SS 第1話 ルネの母

 ルネと別れたあと。


 フィオナは、穏やかな気持ちのまま森を歩いていた。


 長い、長い年月をかけて交わした約束を果たした。


 その胸には、言葉では言い表せない温かな想いが広がっていた。


 すると。


 後ろから慌てた足音が聞こえる。


「王女殿下!」


 振り返ると、一人のエルフの女性が息を切らしながら駆け寄ってきた。


 フィオナは優しく微笑む。


「どうしましたか?」


 女性は深々と頭を下げた。


「申し訳ございません!」


「息子が何か粗相をいたしましたでしょうか?」


 フィオナは静かに首を横へ振る。


「いいえ」


「そんなことはありません」


「ただ……」


 少しだけ遠くを見つめる。


「昔、とても大切な人を思い出してしまって」


 その一言だけで、女性はすべてを察したように微笑んだ。


「そうだったのですね」


「安心いたしました」


 少し照れくさそうに笑う。


「あの子は昔から、妖精ばかり追いかけている子でして」


「何か失礼なことをしていないか心配になってしまって」


 フィオナも小さく笑った。


「ふふっ」


「とても素敵なお子さんでしたよ」


 その言葉に、女性はほっと胸を撫で下ろす。


 そして、少し迷うような表情を浮かべたあと、静かに口を開いた。


「もしよろしければ……」


「我が家でお茶でもいかがでしょう?」


「実は、王女殿下にお聞きしたいことがあるのです」


 フィオナは少し驚いたものの、穏やかに頷いた。


「喜んで」


 二人は並んで森の小道を歩き始める。


 その少し前を、ルネは妖精たちと楽しそうに走り回っていた。


「待ってよー!」


 無邪気な笑い声が森いっぱいに響く。


 その姿を見つめながら。


 フィオナは自然と微笑んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ