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第100話 君と同じ時を生きたい
旅立って数日。
二人は北へ向かう街道を歩いていた。
見渡す限りの草原。
頬を撫でる優しい風。
空には白い雲がゆっくりと流れている。
リュカは前を歩きながら、ふと立ち止まった。
「フィオナ」
「ん?」
振り返るフィオナへ、リュカは真っ直ぐな瞳を向ける。
「絶対に見つけよう」
「君と同じ時を生きる方法を」
その言葉には、迷いがなかった。
精霊王に不可能だと言われても。
文献に答えがなくても。
魔王ニコラスが禁忌へ堕ちていたとしても。
リュカの決意は、少しも揺らがない。
「私はね」
フィオナが小さく笑う。
「リュカと一緒に歩けるだけで幸せだよ」
リュカも微笑んだ。
「僕は欲張りだから」
「一緒に歩くだけじゃ足りない」
「君と、ずっと一緒に生きたい」
フィオナは少しだけ目を潤ませる。
そして。
優しく頷いた。
「うん」
その一言には。
信じるという想いが込められていた。
二人は自然と手を繋ぐ。
繋いだ手の温もりが、互いの決意を確かめ合うようだった。
答えは、まだ見つかっていない。
けれど。
希望もまた、消えてはいない。
二人は前を向く。
同じ未来を信じて。
君と同じ時を生きるために。
北の大地を目指し、歩き続けるのだった。




