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世界が見捨てた職業で、僕は抗う  作者: KAZAMI Reo(風見レオ)
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33話 薬草の価値、仲間の力、モモンの小さな変化

リュードの朝――。

森の銀影獣事件から一夜明け、街もギルドもざわめきの中にある。

討伐で得た報酬の一部は、宿代や消耗品に消えていったものの、

レイルと仲間たちはささやかな誇りと新しい希望を胸に、次の一日を迎えていた。



◆ギルドでの報告と“魔法補助装備”


ギルドで討伐と薬草納品の手続きを終えた後、

リシェルが小さな包みをそっとレイルに渡した。


「森で魔法の現象があったでしょう? 薬草ギルドで手に入れた“魔力安定護符”なの。

魔力が暴走しにくくなるらしいの。よかったら使ってみて」


青い石が編み込まれた素朴な護符――。

「ありがとう。こういうの、頼もしいよ」

レイルは少し照れくさそうに礼を言い、護符を首にかける。


サリナも「訓練用の魔力札をいくつか持ってきたわ。ギルドが一時的に貸してくれるの。

いざという時だけ使って」と補助アイテムを手渡してくれる。



◆薬草採取――都市ならではの難しさ


「今日の依頼は“薬草採取”がメインだね」

サリナが依頼票を広げて説明する。


「でも、リュード近郊の薬草は見つけるのが大変。湿地や崖沿い、瘴気の残る場所もあるし……

しかもギルドの検査は厳しいの。新鮮さ、香り、触感、全部チェックされる」

リシェルが自作の薬草図鑑を開いて、皆に見せる。


薬草の主な採取地は――

・湿地帯:希少種が多いが足元が悪く、瘴気が残ることも

・崖沿いの林:高所の薬草、落石や滑落に注意

・古い祠の周辺:魔力反応のある薬草が稀に生えるが魔物も多い


出発前、ギルド受付で「品質チェックカード」と専用納品袋を受け取る。

カレンが「都市のパーティーは競争心強いから、先回りされることもあるよ」と苦笑い。



◆パーティーの連携と街の競争


「薬草泥棒にも気をつけて」とサリナが注意する。

ミルは「お兄、湿地の奥はあたしに任せて」と頼もしい声を上げ、

モモンは「ぷしゅ~」と地面を這って薬草の反応を探る。



◆薬草採取への密かな期待


採取準備を整えながら、レイルは心の中で皮算用していた。


「前にドロックさんが言ってた。魔力を帯びた薬草をスライムが吸収すると、

能力が変わることもあるって。……もしかしたら今回、モモンにも“進化”の兆しが出てくるかもしれない」


(よし、魔法薬草を多めに採って、後でモモンに試してみよう)

そんな期待に、心が少しだけ軽くなる。



◆薬草採取――冒険と駆け引き


湿地帯――ミルが先導してぬかるみを踏みしめ、地面に生える鮮やかな青薬草を発見。

「これ、新鮮だよ!」

カレンが用意した防水袋に大事に入れる。


崖沿いでは、リシェルが薬草の“花弁の色”で品質を選別。

「これじゃダメ、もう少し茎が太いのを……」

レイルが魔力護符を握った瞬間、どこかで“ぴりっ”とした気配――

魔法薬草の群生地を直感する。

ミルとモモンがその方向を示し、皆で慎重に採取。


都市の冒険者パーティーが遠くで姿を見せ、

「そっち、いいのあった?」など声をかけてきたり、

逆に先回りしようと画策している様子もある。



◆採取中のモモンのリアクション


崖沿いの林で薬草を探している最中、

モモンが突然、地面の裂け目に近づき、体をぴくぴくと震わせた。


「ぷるっ、ぷしゅ~!」


レイルが覗き込むと、そこには紫がかった小さな薬草が密集している。

リシェルが「これは“魔霊草”……魔力が多いけど、人には刺激が強すぎるの」と説明。


「モモン、吸収してみるか?」


モモンはうれしそうに“ぷしゅぷしゅ”と震えながら、

魔霊草を1本吸い込む。

直後――モモンの体内で、ほんのりと紫色の光がきらめいた。



◆成果と現実


採取を終えて街へ戻る道中、

カレンが「今日はなかなか良いのが取れたんじゃない?」と納品袋を覗き込む。


レイルは初めて“魔力の波”を感じて採取した薬草を手に取り、

(魔法の力……まだコツは分からないけど、少しずつ馴染んでいく気がする)と密かに胸を熱くした。



◆ギルド検査、そして新たな一歩


ギルドでは厳しいチェックを受ける。

「お、これは……魔法薬草まで? 君たち、なかなかやるね」

職員が感心しながら薬草を分類する。


「これだけ品質の良いものが集まると、昇級の審査にも有利になりますよ」

サリナが皆に微笑む。


報酬(品質ボーナス込で+800ルム)、消耗品・食費・宿代で90ルム出費。

所持金は2,750ルムになった。



◆宿での夜――モモンの小さな変化


夜、宿屋の部屋。

モモンはいつもより艶やかに光り、軽やかに跳ねてレイルの肩に乗る。


「……ちょっと、感覚が違うかも?」


レイルだけには、モモンの声が少しクリアに聞こえた気がした。


リシェルも「モモン、なんだか元気だね」と気づき、

カレンは「明日もいろんな薬草を試してみようよ!」と張り切る。


レイルは(これはもしかして、本当に進化の予兆かも……?)と

密かに興奮と期待を胸に抱いた。



◆それぞれの思い、次への予感


ミルは膝の上で眠り、リシェルとカレンは今日の成果を比べ合いながら、

「明日はどこ行く?」と楽しげに話している。


ギルドの掲示板には「森の奥で新たな気配」「魔物の増加」など、不穏なニュースも増えていた――



◆レイルの懐事情(第33話終了時点)

•前回所持金:2,040ルム

•薬草採取報酬(品質ボーナス込):+800ルム

•支出:

 - 消耗品・補助装備・薬草道具:−40ルム

 - 食費・宿代:−50ルム


▶ 現在所持金:2,750ルム




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