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世界が見捨てた職業で、僕は抗う  作者: KAZAMI Reo(風見レオ)
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29.5話 雨上がりの都市、ささやかな変化

リュードの市場通りは、泥が残る石畳を人々が忙しなく行き交っていた。

薬屋の女将が棚を覗き、「これも、あれも、在庫切れか……」とため息をつく。

鍛冶屋の親父も「このままじゃ看板も下ろさなきゃ」と店先で腕組みしていた。


そんな中、レイルたちが森で集めた薬草や果実を届けに現れる。


「ありがとう、レイルさん!」

薬屋の女将の顔に笑顔が戻り、「これで患者さんにも薬を出せる」と小さくガッツポーズ。

鍛冶屋も「助かった。よそ者でも仕事が丁寧なら、ちゃんと頼るさ」と態度を少し和らげる。


市場の屋台も徐々に活気を取り戻し、

カレンが「今日は果実のパイが復活したよ!」と元気に呼び込み。



◯◯な一幕(リシェル編)


市場の奥、薬草の仕分けをしているリシェル。

泥の跳ねたスカートの裾を気にして、そっと端に寄せるが、

バランスを崩して小さな木箱の上に「ふわり」と座り込んでしまう。


「きゃ……っ」

スカートが少し乱れ、白い膝と太ももが陽に照らされる。

慌てて直そうとした瞬間、通りがかったレイルと目が合う。


「だ、大丈夫です……!」と真っ赤な顔で立ち上がり、

「……ご、ごめんなさい、私、ちょっと恥ずかしい……」

その仕草が逆に市場の若い職人たちの目を引いていた。


レイルも「無理しないで」と微笑むと、リシェルは「ありがとう」と小さな声で返す。

薬屋の女将が「若いっていいわねえ」と冗談めかして場が和む。



◯◯な一幕(サリナ編)


ギルドカウンターの裏で事務処理をするサリナ。

高い棚の上から帳簿を取ろうと背伸びした瞬間、

少しだけ裾の短い制服がめくれ、白い脚線美がちらりと覗く。


すぐに気づき、「あっ……」と手で裾を押さえながら振り返るが、

ちょうどレイルと視線が合ってしまい、顔を赤くして小さく微笑む。


サリナ「ち、ちょっと制服、今年は丈が短いんですよね……。見なかったことにしてくださいね?」


レイルが「……似合ってると思う」と返すと、サリナはますます頬を赤くして「ありがとう」とつぶやく。


そのやりとりを見ていた他のギルド員が、くすりと笑う。



ローカルたちとのやり合い


ギルドのカウンターでは、都市の古株冒険者が

「森の素材で稼ぐなんて運が良かっただけだろ」と嫌味を飛ばす。


リシェルが勇気を出して「みんなで協力したからです」と返すと、

ギルド員の一人が「そうだな、こいつらの薬草で子どもの熱も下がったしな」と横から助け舟。

嫌味な古株も「ふん……まあ、悪くない」と目をそらす。



変わり始めた都市の空気


市場に笑い声が戻り、屋台も賑わいを見せはじめる。

ギルドでも「今夜は街で小さな祭りが開かれる」との噂が流れ、

リシェルやサリナもどこかほっとした表情を見せる。


レイルたちが残した“ささやかな成果”が、

都市の空気を少しずつ変えていく――



夜の帳が下りる頃、

「森の奥で“光る目”が現れた」「銀色の影が森をさまよっている」

――そんな不穏な噂が、祭りのざわめきに紛れて、ひそかに広がり始める。


レイルは空を見上げ、

(この平和は、いつまで続くだろう――)

心のどこかで、次の危機を予感するのだった。


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