第28話 都市の壁と初夏の森
──リュード・ギルド支部、朝。
石畳の通りは雨上がりの湿った風。
レイルたちがギルドに入ると、受付前には冒険者や住民が数人、依頼掲示板の前で談笑している。
ベルン(若手ギルド員)がカウンター越しに、レイルたちをちらりと一瞥。
「……ああ、テイマーの新入りか。森の雑用依頼なら奥の掲示板だけど……まあ、頑張って(鼻で笑う)」
リシェルは小さくうつむき、カレンは「気にしない気にしない!」とレイルの腕を小突く。
サリナが明るくフォロー。
「レイルさんたちは信頼できる方です。今朝追加された森の魔物調査、ぜひお願いできますか?」
カレン「お、出たね!森の果実と蜂蜜のついでに魔物退治、楽しそう!」
リシェル「薬草の調査も兼ねて、ご一緒できれば……」
奥のテーブル席では、
筋肉質な若手冒険者・レッドがカレンをちらちらと見ながら「また田舎者と組むのかよ」とボヤく。
知識自慢のユースはリシェルの近くで「今度は僕とペアで調査しない?」と控えめに誘うも、リシェルはやんわり「すみません」と微笑むだけ。
ミルは「キュルッ」と鳴き、レイルに“嫌な気配、気をつけろ”と伝える(他の皆にはただの鳴き声)。
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◆ギルドでのクラフト&強化
森に出る前、リシェルが小さな巾着袋を差し出した。
リシェル「昨日の採集で手に入れた《霧草の粉》、ミルの鉤爪にまぶすと切れ味が増すんです。よかったら使ってください」
レイル「ありがとう。ミル、少し手を出して」
ミルは大人しく前足を差し出し、リシェルが薬草の粉をなじませる。
(レイルには、ミルの爪先がほのかに輝いたように見えた)
カレンは手早く干し果実をつめた小袋を配る。
「これ、森で拾ったベリーで作ったんだ。モモンも食べて元気になるかも!」
モモンは「ぷしゅ~」と鳴き、ベリーを吸収。
体表に薄く虹色の膜が浮かび、“体力回復効果”がわずかに上がった。
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◆森への出発
森は雨上がりの初夏。ぬかるみと新緑、花と虫。
リシェルが薬草採集でしゃがむと、首筋や鎖骨が少し覗く。
レイルがドキッとして視線を逸らすと、カレンが「どしたの~?暑い?」と袖をまくって無邪気な笑顔。
川沿いで手を洗うとき、カレンがうっかり足を滑らせてレイルにしがみつく。
カレン「ご、ごめん! もう、泥だらけ……スカートまで(赤面しながらバタバタ)」
リシェル「……着替え、持ってきました。後で……」と控えめに。
ミルは「キュルッ」と鳴き、レイルに“問題なし”と伝える。
その爪は、実際に固い木の枝を簡単に切り裂けるほど微強化されている。
モモンは川辺の小魚や水草を少し吸収し、
「ぷしゅぷる~……」と、体の色がほんのり青みがかった。
レイルには「《水への耐性》が少し上がった」ように思えた。
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◆軽い張り合いと成長
薬草採集や果実探しで、カレンとリシェルが「どっちが多いか」「どっちが珍しいか」と軽く競い合い、
レイルと仲魔はその間を取り持つ。
カレン「見て見て、この木苺!私のほうが大きいでしょ?」
リシェル「……こちらは薬効が高いです」
ミル(レイルだけに聞こえる)「両方うまい」
レイル「そうだな、どっちもありがたいよ」
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◆都市の壁と温かい仲間
森の帰り道、再び都市の屋台でポルカ爺さんが
「田舎者も悪くねぇな。カレンちゃんの飯を台無しにすんなよ」とボヤくが、
カレンは「レイルは役に立つよ。ね、リシェル?」と微笑む。
リシェルも「はい」と静かに頷く。
ギルドへ戻れば、サリナが「お帰りなさい。調査の結果、とても助かりました!」と満面の笑み。
冷ややかな空気の中にも、確かな絆が少しずつ根づいていく。
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◆装備&仲魔の成長・現状
•レイル:皮の防具+調達した“堅木の篭手”(強度微増)
•ミル:鉤爪に《霧草の粉》で切れ味微増・匂い察知も向上
•モモン:森のベリーと水草吸収で《体力回復・水耐性》微増
◆財布事情(第28話終了時点)
•前回所持金:2774ルム
•依頼報酬:+90ルム
•薬草・軽食・現地支出:−7ルム
•クラフト用素材購入:−4ルム
•カレンの泥汚れ着替え支援:−3ルム
•宿代(1泊・朝食込):−20ルム
•食費(昼食・屋台等):−6ルム
▶ 現在所持金:2824ルム




