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世界が見捨てた職業で、僕は抗う  作者: KAZAMI Reo(風見レオ)
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第27話 初夏の風、街北のフィールドワーク

──初夏のリュード、朝。


石畳の路地には朝露が残り、ミルの足跡がきらきらと光る。

湿った空気の中、市場の屋台からはスパイスや果実の香り。

街の南には田園の緑、北には森と小川が広がる。


ギルド支部の前には、素材店の娘リシェルと屋台の看板娘カレン。

二人は子どもの頃から顔見知りで、

性格も得意分野もまったく違うが、同世代としてお互い刺激し合う友人同士だった。

最近はギルド経由の新しい素材や情報を求めて、こうして顔を合わせる機会が増えている。


カレン「リシェル、また薬草探し? 私は今日、市場の仕入れと新作パンの材料調達ついでに寄ったんだ」

リシェル「ええ。最近は薬草もだけど、珍しい素材や情報はギルドが一番早いから……。カレンちゃんの新作、また面白いものになりそう?」


カレン「うん!今度は果物入り焼きパン。ミルもモモンも気に入ると思うよ」


そのとき、レイルがミルとモモンを連れてギルドにやって来る。


サリナ「レイルさん、おはようございます。今朝は湿気が強いですね。依頼を受けるなら足元にご注意ください」


レイル「ありがとう。今日はどんな依頼があるかな?」


サリナは掲示板を指し示す。


サリナ「北部の旧貯水池調査と、市場周辺の警備補助……。どちらもこの季節、重要な依頼です」


リシェルとカレンが揃って手を振る。


リシェル「おはようございます。もしよかったら、調査のついでに薬草の採集も……」

カレン「市場の仕入れ終わったら一緒に森で果物探ししよ!ミルもモモンも、またおやつ作るから!」


そのときミルが短く「キュルッ」と鳴いた。

(レイルには“虫が多い。気をつけろ”と聞こえたが、他の皆には警戒音のような鳴き声にしか聞こえなかった)


カレン「ミルって、ほんとに警戒心強いよね。いま何か言ってたの?」

レイル「うん。たぶん“足元に気をつけろ”って」

カレン「へぇ、レイルって動物の気持ちまで分かるんだ? うちの犬よりわかりやすいかも!」


モモンは「ぷしゅ~(土、しめってる)」と鳴く。

これもレイルには伝わるが、他のみんなにはやっぱりコミカルな鳴き声にしか聞こえない。



◆依頼選択と現地フィールドワーク


レイル「今日は旧貯水池の調査を選ぼう。薬草や素材も気になるし、森を歩くのは久しぶりだな」


サリナ「ありがとうございます。滑りやすい場所もあるので、気をつけてくださいね」


リシェルは調査ノートをバッグに詰め、

カレンは市場の果物カゴを手に、

ミルとモモンは先導役として歩き出す。


途中で現地の農夫や子どもが「カエルや小動物が増える季節」と話してくれたり、

苔むす石の上でリシェルが薬草を丁寧に観察したり。


森の小道でミルがまた「キュキュッ」と低く鳴く。

(レイルには“ここ、ぬかるむ。気をつけろ”と警告が伝わる)


リシェルは首をかしげて

「いま何か……危険な合図、でしょうか?」

レイルは微笑んで

「そう。ミル、よく分かってるから」

カレン「レイルって本当に不思議。うちの動物じゃ、そんな細かいこと伝えてくれないよ!」


カレン「わっ、葉っぱの裏にカタツムリ!」

リシェル「この花、初夏にしか咲かないんです。調合用に採取しておきますね」

モモン「ぷしゅー(虫、食べない)」

レイル「お前、それは正解だ」


時折、木漏れ日が差し込む森の中で、

小さな発見や会話を積み重ねながら調査現場へ。



◆現地調査・素材発見・連携描写


旧貯水池は苔と草に覆われ、

ところどころぬかるみや石畳の崩れが見られる。


ミルが周囲を警戒し、モモンが水際に粘液を広げて“危険な場所”を示す。

(その動きも、レイルには「ここは近づくな」と伝えているように感じられる)


カレン「すごい! ミルって水の匂いも分かるんだ?」

ミルはまた短く「キュル」と鳴き、レイルだけがそれを理解している。


リシェル「モモンの粘液、こういう調査でも本当に役立つんですね」

モモン「ぷしゅー!(まかせろ!)」

レイル「みんな、ありがとう。助かるよ」


草むらでリシェルが新種の薬草を見つけ、

カレンは果実を一つ摘んでミルに分ける。

モモンは粘液で小さな虫の巣を掃除してご機嫌。


無事に調査を終え、レポート用の素材と見本を採取。

帰り道も、カレンが「今日の昼ごはん何にしよう?」と盛り上げ、

リシェルは採れた薬草を大切そうに包んでいる。



◆ギルドで報告&日常の一コマ


ギルドに戻ると、サリナがにこやかに迎える。


サリナ「皆さんお帰りなさい。足元、大丈夫でしたか?」


レイル「ぬかるみで滑りそうになったけど、みんなのおかげで助かった」


カレン「森の中って気持ちいいね! 次はもう少し奥まで行きたいな」

リシェル「今度は夜明けの薬草採取、ぜひご一緒に……」

ミルは「キュル」と短く鳴き、レイルには「……また行く」と伝わった。

モモン「ぷしゅー(つぎもごはん)」


ギルドの掲示板には、また新しい依頼が貼り出されていた――。


◆財布事情(第27話終了時点)

•前回所持金:2708ルム

•調査依頼達成報酬:+80ルム

•調査中の消耗品(薬草・応急キット)購入:−8ルム

•カレンの新作パン材料費をついでに立て替え(みんなで後で分ける):−4ルム

•帰り道の屋台軽食:−2ルム


▶ 現在所持金:2774ルム

◆リシェル(素材店の娘/知識型)

•年齢16歳。静かでおっとり、真面目な研究家タイプ。

•薬草や魔物素材の知識に優れ、手先も器用。

•調合・クラフトの師匠&相談役ポジション。

•控えめだが行動力あり、現地での観察や実践を大切にしている。

•カレンとは子供のころから顔なじみ。考え方も違うが、互いに刺激し合う良き友人。


◆カレン(屋台の娘/陽気バフ型)

•年齢15歳。明るく世話好き、屋台街の人気者。

•料理・おやつ・果物の知識豊富。新メニュー開発が趣味。

•仲魔への面倒見も良く、体験型の食事バフイベントをよく仕掛ける。

•実は冒険者志望で、外の世界に興味津々。

•リシェルとは友人で、性格の違いからよくからかい合う仲。


◆サリナ(ギルド受付嬢/癒し&公平型)

•年齢17歳。物腰柔らかく、誰にでも親切。

•ギルド新人サポートと公平な案内がモットー。

•兄(元冒険者)を尊敬しており、危険にも冷静に対処。

•季節や現場のアドバイスが得意。レイルたちの日常にさりげなく寄り添う。

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