第23.5話 幕間:都市の扉と新しい暮らし
──リュードの街、夕方。
街門の前、レイルは旅の埃をまとい、仲魔のミルとモモンを連れて行列に並んでいた。
門番に呼び止められ、首から下げたギルド証を見せると、
「Dランクか。都市の規則は厳しい。仲魔には首輪とタグをつけて管理すること――わかったな」
と冷たく言われる。
ミルとモモンの首輪やタグも点検され、ようやく街に入ることができた。
村では考えられなかった厳重な管理。
街の空気は石畳の埃と夕飯時の煙、喧騒と人の気配で満ちている。
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◆ギルド紹介と安宿の案内
門をくぐると、通りには行き交う人々と、屋台や小さな商店の活気。
まもなく見つけたのは「冒険者ギルド・リュード支部」の看板。
中に入ると受付嬢のサリナが、
「初めてなら“青柳屋旅館”が安くて安全だよ」と声をかけてくれる。
地図や店リスト、生活用品や素材店の場所も教えてもらい、
ギルド証が信用取引やトラブル時の身分証明になることも説明された。
「都市は“自己責任”が基本。困ったらいつでもギルドに相談してね」
サリナの言葉に、都会の現実をひしひしと感じる。
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◆安宿「青柳屋旅館」と都市生活
宿はギルドのすぐ近く。木造の小さな建物で、部屋は八畳ほど。
板張りの床、薄い布団、窓の外は狭い路地。
天井の梁には埃がたまり、夕方には虫が這い出す。
宿泊費は1泊20ルム、朝食付きは+5ルム。
共用の井戸水は冷たく、風呂は週2回だけ。トイレは外の共同。
夜は酔っ払いの騒ぎ声やネズミが走る音もする。
安いぶん、壁が薄く、隣室の物音もよく響く。
都市の公衆衛生事情は村より少しはマシだが、
石畳の隙間や裏通りには食べ残しやゴミの臭いが漂い、
屋台の周りは特に衛生管理が雑。
「腹を壊した」「夜中にゴミをあさる獣が出た」など、
安宿の客同士の愚痴も絶えない。
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◆食事事情:村との比較
まずは宿の食堂で夕食。
黒パン、塩漬け肉、野菜スープ。
味は淡白で腹はふくれるが、どこか冷たい。
村でエマが作ってくれた温かいパンや新鮮な野菜、
焼き魚や煮込み料理――
あの温もりと人の気配が、ここにはない。
都市の食堂はみな無口で、食べ終わればすぐに席を立つ。
厨房からは油煙と、井戸水の匂いが混じる。
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◆屋台通り、食べ歩き
食後、街を歩いてみると屋台がずらりと並んでいた。
「焼き芋〜!」「焼き鳥串、一本安いよ〜!」
パンを揚げた香り、塩豆の湯気、焼き鳥の煙。
•揚げパンは外はカリッ、中はもちもち。油と塩気が効いている(1つ2ルム)。
•焼き鳥串は鶏肉や豚肉、タレの香ばしさと脂が食欲をそそる(1本3ルム)。
•焼き芋の甘い香りはほっとする(1つ2ルム)。
•豆のスープは安価で腹持ちがよい(1杯1ルム)。
レイルは財布のひもを緩め、串焼きや揚げパンを買ってミルやモモンにも分けてやる。
ミルは器用に串から肉を外し、モモンは揚げパンを嬉しそうに吸い込む。
屋台の活気と賑やかな空気は村にはない刺激だ。
だが、路地は油やゴミで滑りやすく、財布の盗難も多いらしい。
味も当たり外れがあり、うまい屋台もあれば、失敗屋台も。
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◆クラフト:小さな工夫と仲魔のケア
宿に戻ると、レイルは持ち込んだ魔物の皮や薬草の端材で
**「簡易お守り」や「包帯付きの革バンド」**を自作する。
•革バンドは防具補強や応急処置、ミルの首輪の修繕にも活用。
•薬草を包んだお守りは村の教えを思い出しながら作った。
ミルの首輪は都市名“リュード”入りに巻き直し、
モモンの素材袋も修理して清潔を保つ。
「都市でも、生き延びるための工夫は欠かせないな……」
仲魔たちも、夜の部屋で安心して眠ることができた。
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◆レイルの現在の装備・仲魔
•鉄製ショートソード(村製・傷みあり)
•鋼鉄の小型ナイフ(ドロック製)
•革ジャケット・ブーツ
•自作革バンド(補強・応急処置)
•魔物素材、薬草、簡易食料・水筒・包帯
•エマ&カティアのお守り
•ギルド証・財布
ミル(獣型・小型):リュードタグ付き首輪、健康、やや緊張
モモン(スライム):修理済み素材袋、都市の水に不満気
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◆財布事情(23.5話終了時点)
•前回所持金:2712ルム
•支出
・宿泊費:20ルム
・朝食:5ルム
・食堂夕食:7ルム
・屋台食べ歩き:6ルム
・日用品・クラフト材料:6ルム
•合計支出:44ルム
•現在所持金:2668ルム




