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世界が見捨てた職業で、僕は抗う  作者: KAZAMI Reo(風見レオ)
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第19話 闇に揺れる影と、夜のさざめき

──ガラン村、薄曇りの夕方。


「……本当に大丈夫なんですか?」


ギルド支部の奥で、カティアが不安げにレイルとライナを見つめる。

「森の奥に“何かいる”って話が村中に広がってて、みんな眠れない夜が続いてます」


壁には、昨夜から増えた“家畜失踪”“森で黒い影を見た”などの紙が何枚も貼られていた。

ギルド前を歩く村人の表情も、どこかぎこちなく沈んでいる。



◆夜の見回り依頼


「村の防衛隊も手が足りなくてな、夜の警邏は頼まれてるんだ」


ライナが少し緊張気味に装備を確かめている横で、レイルは静かに剣の柄に手を置く。


「まあ、俺たちでできることをやるしかないな」



◆宿屋・出発前


見回り前、レイルはエマの宿へ寄る。


「……レイルさん、これ、あたたかいお茶。夜は冷えるから」


エマは湯上がりの浴衣姿、髪はまだ濡れたまま肩にかかっている。

いつもより淡い浴衣の色が、月明かりで柔らかく透けて見え、

うなじと鎖骨、そして首筋までしっとりと艶めいている。


レイルは一瞬、言葉を失って見惚れる。


「……ありがとな、エマ」


「……無理、しないでね。みんな、レイルさんのこと頼りにしてるから」


エマは茶を差し出す手が小さく震えていた。

その仕草や、湯上がりのほてった頬に、レイルは思わずドキッとする。


「……すぐ帰る。待っててくれ」


エマは「はい……」と控えめにうなずく。



◆夜の村、静かな異変


村外れの森は、普段よりも静かで――

風の音さえ、妙に冷たく響いていた。


「レイルさん、なんか空気が重いですね……」


「気を抜くな。今日はいつもと違う」


ミルがピリッと毛を逆立て、モモンも「ぷしゅ……」と低く鳴く。


森の奥で、かすかに「カサリ」と何かが動く音――

闇の中から赤い瞳が一瞬、レイルたちを見据えていた。



◆“黒影狐こくえいこ”出現


影がすばやく走り抜ける。

ミルが一歩前に出るが、レイルが手で制す。


「追わない。まだ動きを見極める」


ライナも息を呑み、「……いまの、何だったんだ……」と青ざめる。


闇の中、獣の低い唸り声がこだました。



◆宿屋の夜、エマの独白


見回りの間、エマは窓辺でランプを灯しながら静かにレイルの無事を祈っていた。


(もしも……何かあったら)


浴衣の胸元をそっと押さえ、鼓動の早さに驚く自分――

月明かりに、白いうなじがふっと浮かび上がる。


(……大丈夫、きっと帰ってくる)



◆見回り終了、朝を待つ


夜明け前、レイルたちは森で異常が続いていることをギルドに報告する。


カティアもエマも、村の人々も、不安と緊張に包まれたまま朝を迎えた。



◆レイルの財布事情(第19話終了時点)

・前回所持金:2252ルム

・支出:夜食用パン・見回り消耗品(−8ルム)

・報酬:夜間警邏任務(+80ルム)

・現在所持金:2324ルム


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