第八十章 おかえり
エリスの帰還。
「えっ、もう二年も経っているの」
帰ってきたエリスは二年経っていたことに驚く。光り輝く鎧のような光のオーラも何枚もの翼にや後光のようにも見える光も消えて、今は二年前にキスブキノスカで着ていた戦闘用スーツ姿になっている。
エリスにしてみれば次元の彼方、どの星にも影響が出ない果てない場所を出てすぐなのだ。ダイアナから聞かされて、始めてキスブキノスカの戦いから二年経っていることを知った。
「ごめん」
エリスに実感が無くてもみんなに心配かけたことには変わらないので、素直に謝る。
「まぁ、良いじゃないか。十年経っていないだけましだ」
気軽にケイシーは笑って背中を叩く。どさくさに紛れてお尻を触ろうとした手をダイアナが素早く掴んで阻止。
「エリスさんですよね、お久しぶりです」
戦士の一人が声をかけてきた。見覚えが無かったが、
『二年前、キスブキノスカ(ここ)で戦った人だよ』
ダイアナが耳打ちしてくれた。
正直、教えられてもピンと来ない。何せ、宇宙中から戦士が集まて来ていたのだ。全員の顔を覚えていることなんて出来ない。
ただ、宇宙の消滅神と真正面から戦ったエリスのことはあの戦場にいた全員の印象にしっかりと刻み込まれている。
「感謝しています」
「尊敬しています」
「憧れていました」
「握手してください」
「サインしてください」
二年前の戦いに参加していた戦士に囲まれるエリス。アイドルなら対応仕方も知っているだろうけど、エリスはアイドルではないのでオロオロ。
二年前の戦いに参加していなかった戦士はエリスに見とれていた。
「ハイハイ、そこまで。エリスは帰ってきてばかりなんだ。少しは休ませてやれ」
ケイシーが割って入ってくれた。
「あっ、すいません。再会できたのがつい嬉しくて。後、あんまりにも美しかったから」
最後の言葉はボソッと言ったが、しっかりと聞こえた。
照れるエリス。心は男なので美しいと言われ、微妙な気分。
「エリス、帰りましょう。おじさんとおばさんが待っているわよ」
二年も経っていたのなら、父親のアランと母親のシャーロットが待っているのも当然。急いで帰ることにした。
「ただいま」
玄関に入り、普通に帰ってきた時のように言った。
「おかえりなさい、エリス!」
「うあっ」
母親のシャーロットは走ってきてエリスを抱きしめた。
「おかえり、エリス」
シャーロットとは違い、父親のアランは静かに迎え入れた。ただ、嬉しい気持ちは隠せない。
「あら、エリス。胸とお尻大きくなっていない。何か全体的に奇麗になって色っぽくいない?」
「なって無いよ、母さん」
実はなっている。宇宙の消滅神を取り込んだことでプロポーションか良くなり、その分色っぽくなっていた。
エリスもそのことを自覚しているが、どうしても認めたくはないのである。
「まずはお風呂に入って、さっぱりしてきなさい」
押し切られる形でバスルームへ。
エリスとしてもキスブキノスカと次元の彼方、どの星にも影響が出ない果てない場所での疲れを癒したかった。
入浴後は食事。テーブルの上に並ぶ、美味しそうな料理にエリスのお腹が鳴る。
「いただきます」
二年ぐらいがちょうどいいと思い、二年にしました。




