第八十一章 ただいま
みんなの感覚は再会。
「エリス、元気にしていたか――と言うのはおかしいな」
エリス帰還から二日後、最初に尋ねてきたのはローズモンド。世間では二年の月日が経っていても、エリスには二日しか経っていないことは知らされている。
「校長も教頭も会いたがっていたんだが、仕事があって来れなくてな。残念がっていたよ」
「後日、僕から会いに行きますよ」
「ああ、それが良い」
お邪魔しますとローズモンドは家に上がる。
「ローズモンド先生」
「ローズモンド先生、お久しぶり」
「おう、お前たちの活躍は聞いている、先生も嬉しいぞ」
二日前からから泊っているダイアナとケイシーが玄関に出てきた。
「こいつを冷凍庫に入れて置け」
ローズモンドが差し出した大きな手提げ箱を見たダイアナの目が輝く。
「ラウホイのアイスクリームの盛り合わせだ!」
有名なアイスクリームの店ラウホイ。学生の頃からよく食べていた。ダイアナの大好物。
「食後のデザートで食べようね」
エリスもラウホイのアイスクリームは大好き。バニラ、チョコ、チョコクッキー、チョコミント、イチゴ、オレンジ、ぶどう、メロン、マンゴー、濃厚ミルク、ヨーグルト、抹茶、キャラメル、ナッツ、ピスタチオ、アーモンドなど色々入っている。
「こんにちは、お土産です」
ジョナサンが尋ねてきた。
「ありがとう」
果物の盛り合わせを受け取ったアランが迎え入れる。ヒトデのような姿は気にしない、地球ならまだしも宇宙では様々な姿をした宇宙人がいるので気にはならない。
居間に行くと、エリスとダイアナとケイシーとローズモンドが雑談中。
。
「「「久しぶり」」」
ダイアナとケイシーとローズモンドにとっては久しぶり。
「みんな、元気で良かったよ」
一つ目でニコニコ顔。
「よう、邪魔するぜ」
ジェイニーと荒くれ者みたいな部下がやってきた。まずは出迎えてくれたアランに軽く挨拶。
「こいつを持ってきた、カショデンの酒だ」
カショデンは名酒で有名な星。
「これはありがたい、最高級品ではないか」
カショデンの酒を受け取るアランは嬉しそう。
「ジェイニーさん」
「ジェイニー」
ダイアナとケイシーとは仕事で度々顔を合わせることがあったので久しぶりと言うわけではない。
「お前たちにはこっちだ」
エリスにリンゴジュースを手渡す。これも高価で美味しい品。
「ありがとうございます、冷やしておきますね」
「ん?」
ジェイニーはエリスをじっくりと観察する。
「なんか、胸と尻大きくなってないか? 妙に色っぽくなっいるし」
顔が真っ赤になるエリス。ケイシーは内心、その通りだと同意。再会した時、思わず触りたく舐め程に。
「そんなこと、ありません!」
ダイアナは否定。
「まぁ、良いけどよ」
「近くに寄ったのでな」
「お邪魔します」
オーギュストとギード。戦勝を祝うパーティの時は宇宙にいて参加できなかった二人がやって来た。
「これを持参した」
とギードに両手に抱える容器を持ってこさせた。
「バンータの牛で作ったローストビーフだ」
「ほう」
思わず声を漏らすアラン。
バンータは牛の飼育に適した環境の星として有名。バンータで育てられた牛は絶品で高級品。
「バンータの牛で作ったローストビーフ!」
居間から飛び出してきたケイシー。涎を垂らさなかったのは軍人の精神力のなせる業。
「どうもありがとうございます」
エリスがお礼を言う。
「こちらこそ、宇宙を護ってくれてありがとうございます」
ギードが前に出てお辞儀。オーギュストもお辞儀した。
再会したら、感謝の気持ちを伝えることは決めていた。
「僕は護りたいものを護るために女神になったからね」
「だが、お前が宇宙を護ったことには変わらない。感謝している」
護ることの出来たエリスは嬉しいし、護られた者たちも嬉しい。
今日、来ることの出来た戦友はこれで全員。他の者は残念ながら、時間の都合を作れなかった。
エリスの帰還を祝うパーティが始まる。
「料理の用意、出来たわよ」
シャーロットがみんなを庭に呼ぶ。
庭のテーブルに並べられる料理の数々。バンータの牛のローストビーフもある、果物の盛り合わせとラウホイのアイスクリームの盛り合わせはデザート。
アランとシャーロットはいつエリスが帰ってきてもいいように準備をしていた。
「お前はここだ」
「えっ」
アランはエリスを上座に立たせる。
今日はエリスの帰還を祝うパーティなのだ。主役が上座に立つのは普通のこと。
グラスの中身は大人はカショデンの酒、未成年はリンゴジュース。
グラスを持つエリス、みんなもグラスを持つ。
「ただいま、みんな」
「「「「「「「「おかえり、エリス」」」」」」」
みんなの手土産。




