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宇宙(そら)の女神~転生先は異世界ではなく 異星でした~  作者: 三毛猫乃観魂


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第七十三章 団体

 エックハルトの指揮。

「団体で出てきやがった!」

 ついケイシーは叫んでしまった。いけ好かない奴が大量に湧いて出たのだ、しかも宇宙の消滅神である。

 叫びたくなるのも仕方なし、ケイシーが叫ばなくても別の誰かが叫んでいただろう。

 大量に湧いて出たフィリップが一斉に闇のオーラを放ってくるが首から下げた闇除けのお守りが弾き飛ばす。

 闇のオーラが弾き飛ばされたと見るや、大量のフィリップは変化を始めた。昆虫のタイプや爬虫類タイプのエイリアンとフィリップをミックスさせた異形の姿に。それこそエイリアン・フィリップと言うべき姿。

 サイズこそヒューマノイドタイプだが、端正な顔のエルフとエイリアンのミックスは不気味この上なし。

 闇のオーラを腕先に纏わりつかせ硬質化、剣状の武器にする。中には斧状や鉈状も。

 闇のオーラで“置き土産”に出来ないので物理攻撃に切り替えてきた模様。

 口から火を噴き、凍結息を吐き、猛毒を飛ばし、武器化した闇のオーラを交えた変則的な攻撃をしてくるエイリアン・フィリップの群れ。

「モル・カマデ・ベ」

 防御壁でエイリアン・フィリップの攻撃を防ぎ、

「クタ・カハデ・ベ」

 大量のエイリアン・フィリップの前に大きな壁が出現、そのまま倒れて押し潰す。

「臆することはありません、宇宙の消滅神も倒せない相手ではないのです」

 エックハルトが倒せるお手本を見せる。

「ケイシーくんはスペリオル・モードを発動しなさい、正し周囲の状況を考えて」

「よっしゃー!」

 指示通りに巨大化、周囲の状況に合わせて3m。しかしパワーは15m級。

 闇のオーラで剣で斬られる前にエイリアン・フィリップを蹴っ飛ばし、壁に叩きつける。嫌な音がして潰れるエイリアン・フィリップ。

「アランさん、頼みます」

 それだけで理解したアランは対エイリアン用ライフルを構え、一体ずつ的確に額を撃ち抜き倒して行く。

「すげぇ」

 正確なアランの射撃に感心しつつ、ケイシーは次の一体のエイリアン・フィリップを殴り飛ばす。

「分裂、宇宙の消滅神は分裂して手駒を増やしたのです」

 御子は大量のエイリアン・フィリップの正体を見抜く。

 直接ラースにエイリアンを呼べないのでこのような方法で手駒を生み出したのだ。

 分裂したフィリップをエイリアンモドキに変化させ、戦力を増強。

 言っている傍からフィリップは分裂し、さらにエイリアン化して数を増やしていく。

「ローズモンド先生、ボドワン先生、分裂体ならば遠慮の必要はありません」

 了承とばかりにローズモンドは、

「カー・ナンイグ・レ」

 炎の鉄拳を打ち込む。

「イラトリ・ウ・ウュルス」

 ボドワンが水流の槍を放つ。

「ジェイニーさんはビースト・モードを部下は連携を」

 待ってましたとばかりに、

「ガオオォォォォォォォォォォォォォォォォォン」

 獣化したジェイニーが走り出してエイリアン・フィリップの頭を掴むと、そのままもぎ取る。

 もぎ取った頭を投げ捨て、隣にいたエイリアン・フィリップを爪で切り裂く。

 荒くれ者みたいな部下たちも姐さんに続けとばかり、対エイリアン用ライフルを乱射。

 目配せだけでエックハルトの意図を悟った御子と神官たちが、

「ミネカト・ラオ・ウ・イノヤキハ」

 闇払いの呪文を唱える。幾重のも光の帯が大量のエイリアン・フィリップを締め潰す。

 戦士たちの目の前でまたエイリアン・フィリップが分裂、増殖する。これでは切りがない。

「分裂するよりも早く殲滅を。正し同士討ちには注意してください」

 指揮しながらもエックハルトも大きな壁でエイリアン・フィリップを叩き潰す。

「一線を退いても能力は落ちていませんね」

 トムが対エイリアン用ライフルのランチャーモードで撃つ。勿論味方に当たらないように。

 やってやるぜと言わんばかりに各星から集結した戦士たちが大量のエイリアン・フィリップを攻撃する。

 確実に数は減っていているが、それてもフィリップは分裂し、エイリアン・フィリップに変化して襲い掛かってくる。

「いい加減にしなさい!」

 髪を青く変え、ダイアナがセイレーンの力を放ち、エイリアン・フィリップを金縛り状態にする。

 ここぞとばかり、各星から集結した戦士たちが一斉攻撃。

「行ってください」

 エックハルトに頷き、イデアが進み出た。ジャックもエマも前に出たが、スリューだけはその場に残り右手を頬の位置に上げ拳を握る。

 イデアの赤い鱗が青に変わった。ジャックの肌の色は白くなり、いつの間にかつばの付いた青い帽子を被っている。否、被ったのではなく、頭に直接、帽子が現れたのだ。体型もずんぐりむっくりに。

 エマの髪が緑色になり、皮膚が茶色に変化。

 スリューのトラジマが白黒茶の三色へ。

 四人がスペリオル・モードを発動。

 イデアを取り囲むエイリアン・フィリップたち、逃げられないように全方向からの攻撃を仕掛けようとした時、イデアは手を引く素振りを見せた。

 今にも攻撃を仕掛けようとしていたエイリアン・フィリップたちがからからに干からび、ミイラになって倒れた。宙には大きな水の塊が浮いている。

 ウンディーネの力を使い、エイリアン・フィリップの全ての水分を引っこ抜いたのだ。

 宙に浮かぶエイリアン・フィリップから引っこ抜いた水の塊を複数に分けて高速回転を加え、水の刃として他のエイリアン・フィリップへ放ち、斬り刻む。

 何体やられてもがむしゃらに襲い掛かって来るエイリアン・フィリップたちを逃げもせず、たたエマは見つめていた。

 振り下ろされた鈎爪がエマの顔の前で止まった。途端、体を破って何本もの木の枝が伸び、葉が生い茂り、花が咲く。

 エマのドライアドの力でエイリアン・フィリップたちは木に飲み込まれてしまった。

 こいつらは強いと認識したエイリアン・フィリップたちは口から炎を吐き、遠隔攻撃切り替えた。

 吐かれた炎を巧みに躱し、ジャックは愛らしいニコニコ笑顔を見せながら、被っていた青い帽子のつばを摘まみ、

「ヒーホー」

 一声上げると、吐いた炎ごとエイリアン・フィリップは凍り付いた。

 聞くまでもなく、翔には解ったジャックが融合したのはジャック・フロストだと。見た目が類似しているし、能力はそのまま。

 分裂を繰り返すエイリアン・フィリップと戦う戦士たちは力が漲って来るのを実感していた。力だけではない、スピードも耐久力も向上している。あれだけの数のエイリアン・フィリップと戦っても全然疲れない、これならばいつまでも戦い続けることが出来る。

 増えたエイリアン・フィリップがぶつかり合ったり、もつれあったり、こけたりして攻撃のチャンス到来。

 猫の精霊と融合したスリュー・クン、戦闘能力は皆無ではあるが三毛猫の姿になることで仲間に身体強化や体力回復や幸運を与えることが出来るのだ。

 エイリアン・フィリップの分裂するスピードよりも戦士たちの駆逐するスピードが上回る。

「エリスくん、とどめを!」

 ただ単にエックハルトは数を減らす目的だけで指示していたわけではない。エイリアン・フィリップの数を減らすと同時に残りを一か所に集まるように誘導していた。

 一か所に集められたエイリアン・フィリップ目掛けてエリスは鉄の雨を弾丸のように加速させて降らせた、それもピンポイントで隙間なく。

 鉄の雨の弾丸に貫かれていくエイリアン・フィリップたち。

 太陽系外惑星『WASP-76b』には昼間は2400℃以上で鉄が気化し、夜側に移動して冷えることで鉄が雨となって降り注ぐ。

 加速させた鉄の雨を豪雨のように降らされたエイリアン・フィリップは逃げることも分裂することも出来ず、一体も残すことなく仕留められた。







 調べてみたら、宇宙には不思議な星が沢山あるよね。

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