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ー25ー 神ノ刀 【最終話】

 

 バキバキ......


 気絶したユリウスはだらんと私に体を預けている。

 魔力の核を貫いた。これでもう灰塵は使えない。


 ユリウスは倒した。殺戮王蔡に大きく関わる人物はもう居ない。だから多分これで終わる。

 あとは私のノア(ノアは私の嫁)を救出に向かって、この街から逃れる!


「マーーーーーリーーーーーン!!!!!」


 怒号に近い叫び声でマーリンを呼ぶ。すると黄色の花と紫の花が瓦礫に咲き、「......なに?」と、マーリンの憎たらしい声がした。(失礼)


「この子達たのんだ。嫌だは聞かない。」


 なっ......何を勝手な......と、言いかけたところで、私はいいの?と返す。


「マーリンは確か、昔酔っぱらってシリウ国で適当な占いを告げて、滅亡一歩手前まで追いやっていたよね......」


「え、待って......なんでそれ」


「あとはそうだ!ダイヤネルドラゴンを勇者達と退治しにいったとき少し......その、ぷぷっ......ちびってましたよね?」


「ち、ちちちち違う!あれはポーションがこぼれて!って、そんな話を知っているってことは......くっ」


「勇者の記憶まで、解いてしまったのか......私はッ」


 顔は見えないが、苦痛に歪んだ表情になっていることが容易に想像できるほど、辛そうな声色だった。

 そして、私は今度はちゃんとお願いした。


「マーリン、お願い......貸しひとつで。必ず返すから」


「......仕方ない、か」


 と、マーリンが私のお願いを受け入れ、別空間への入り口を作ってくれた。

 私はミライに行くように促す。


「後から......ノアを連れて迎えにいく。ミライ、ナツメを頼んだよ」


「アリス......死なないでくださいよ」


 泣き出しそうなミライを抱き寄せて、頭をなでる。


「ぜーったいに、死なん!」


 にかっと笑う。ミライも少し戸惑ったあとに、ニコッと笑い私を抱きしめる。

 そして額にキスをした。


「頑張って......ください」


「......うん、ありがとう。行ってきます。」


 ミライとナツメが扉に入り、消失し、花も消えていた。


 さて、と......


 ーーーー


 ノアを見つけるのは拍子抜けするほど簡単で、あっという間だった。

 なぜなら、ノアの方からこちらに来たからだ。と、言うのは間違えで、ノアを担いだ黒いコートの男が来たのだ。

 この男......冒険者部隊にいた......。


「こんにちは。お土産を持ってきたんだ。いるかい?」


「あたりまえでしょ。今すぐお渡しください」


 はははと笑う少年。笑顔可愛いじゃねえか......。でも、わかる。

 こいつユリウスより遥かに強い。


「そんなに素直に欲しがるとは思わなかった。でも、それだけ大事な人と言うことか......」


「うん、大事。だってその人わたしの命の恩人だもん」


 そう、私はノアがいないととっくに絶望して廃人になってたと思う。

 死ねずに、生きれずに、世界の片隅で孤独に。

 終わることも始まることも出来ずに、異世界であの頃の......社畜だったころのように。


 だから


「いいから渡せよ」


 私は私の大切なものを守るため、勇者の剣を抜いた。



「ヤバい......ぞくぞくしてきた!アリス、君がどれ程強いのか興味があるんだ」


「僕の名前はアシュトラ。憑魔は怠惰」


 怠惰......?


「いくよッ!!」


 ギィィィイイイイイインッッ!!!!!


 彼の黒剣と私の光の剣が交わる。飛び散るのは火花ではなく魔力残光。

 互いに打ち付け、技量を測る。


 ガッ――ギィンッ!ガガガッガガガガガガッ!!!


「すごい!僕より剣の腕は上か!!あはははは」


 そりゃそうだよ!だってかつての勇者の記憶があるんだぜ?こんな若造に負けるかってーのッ!!


 カァンッ!!と、私の剣を弾き、アシュトラは空いてる手で魔力を練った。

 恐ろしい程の魔力密度で緋と黒、二つの魔力が入り交じり刃を形作る。


滅死刃(メイラ)!!」


 と、凝縮された魔力刃をこちらに放つ。


 あ、これ避けたら街吹きとぶやつ――!



 ドオオオオオオオオンンンンンンンンッッ!!!!!


 ――あぶ、な。


 ローブを広げ、結界を展開し、いまの一撃を凌いだ。けれど、これでしばらくローブは使い物にならないな。


 これは、もうやるしかないか。


 と、胸に手をあて呼び掛ける。不死鳥よ......()()()()()()()


 不死鳥の加護の最大の技は、宿主の魂を燃やし、顕現させた武器を強化できる。


「悪いけど......こっから私、チートモードだから」


 チートモード......?と首を傾げたアシュトラの両腕が消し飛ぶ。


「――は!?」


 魂を燃やし得る私の身体能力は最早、目で追うことすら叶わないだろう。

 剣を振ったことにすら気がついてないはずだ。


「ふっ......あっは!こんなのすぐに再生するよ!」


 一瞬で元にもどる両腕。魔力が更にあがっているようにも見える。


「今度は僕の......」


 パァンッ!!!!


 私の垂直に放った斬撃をかろうじて防いだアシュトラだが、また片腕が綺麗に吹き飛んだ。

 しかしまた瞬時に戻る。私みたいだなこれ。


 なら......!


 ()()()()()()()()()()()()()()!!



 ドギャギギギギッ


 ガガッガガガガガガガ!!!



 アシュトラはその再生力で辛うじて生にしがみつく形になっているが、やはりアリスは圧倒的で徐々に――どころではない。

 わずか数十秒で魔力を削りきりアシュトラは片腕だけを残される形になり、呆然としたいた。


 あ、ありえない......と言い。魔力の粒子へと還っていった。



 この......不死鳥の技がなければ......完全死にゲーだったな。てか、無理ゲー......




 危なかった......。



 ノア......


 大丈夫か......な?あれ、体が......これは、まじでヤバい......



 その場に倒れこみ、意識が薄れて行く。





 



 ガチャン


 扉の開く音がした。






「まったくー」


「ほんと、世話やけんだから......ん?あ、やべまだ意識あるじゃん!う、嘘だから」



 安心できる憎たらしい声が聞こえて、私の意識は闇に落ちた。





























 ――ん?と、僕は意識を取り戻した。


 ふと、手を見る。あー、これじゃあカップメン食べれないじゃん。

 倒れた拍子に地面へと叩きつけてしまったそれは、中身がぶちまけられ、そこら辺に謎肉だのエビだのが転がっていた。


 起き上がり窓の外を見る。タクシーが客を乗せ走り出した所がみえ、酔っぱらいのおっちゃんがふらふら帰宅している。


 時計をみる。ああ、これはあかん。


 仕事の途中のパソコンを横目でみて、絶望的な作業内容、途上の文字列からすぐに目を背けた。

 また、怒鳴られるなこれは......。



 なんだろう......



 この寂しい、悲しい気持ちは......こんなの、こんな残業。


 孤独なんていつものことだろう。


 なにか忘れてる、失ってはいけないものを......


 思い出せない。


 けど、なにか大切なものが......




 まあ、いいか。









 ――リス......


 アリス



 ダメ......消えてはダメ......





 温かい。ふかふかの......これは......





 ノアの......




 ノアの胸ーーーー!!!!




 目覚めた私を泣きながら


 ナツメとミライ



 そして、ノアが見ていた。


 私はどうやらまた助けられたみたいだ。そんな気がする。


 ぽたぽたと頬を伝う涙がその証だろう。


 この異世界でみんなと出会えて、良かった。


 ノアが僕の頭を抱き寄せる。



 む、むぐーッ


 幸せだな。本当に。









読んでくださり、ありがとうございました!


プロットをほとんど考えずに走り出してしまい、なかなか思うように書けなかったですが、ブクマと評価をくださった方々に支えていただいてここまで、一応の完結までこれました!


本当にありがとうございます!




もしかしたら、またしっかりプロットを組んで書き始めるかもですが、その時はまた最初から別作品としてリベンジできたらなと思っています!




そして、最後に、今書き溜めている新しい作品の宣伝をさせてください!


タイトルは、






【落ちこぼれ勇者と追放された魔王の娘】 ~最弱の神器と思われていた勇者の【盾】が覚醒。それ、《最強の勇者の証》なので出て行かないでくれ?......嫌です。僕は可愛い魔王の娘と旅にでます。~






です!! 投稿は4/7に予定していて、連続投稿&毎日投稿する予定です。よろしければ、勇者の少年と魔王の娘との旅を、皆様も共に歩んでいただけると嬉しいです。




よろしくお願いします!ノシ








読んでくれた皆様、本当にありがとうございました!





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