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ー24ー 殺戮王蔡 ⑩

 


 ユリウスの魔力による、灰塵の雨が降りそそぐなかアリスは平然と、平気な顔をして立っていた。


 それを目の当たりにしたユリウスは、その垂れた目を瞑る。

 そして、静かに頷く。


「貴方のそのローブ......異様な質の魔力を発していますね。この雨......いや、私の魔力に反応している。」


 アリスはローブを撫で、そうだよ。と目を瞑る。


「このローブはユリウス、君の魔力を無効化しているんだ。」


 ユリウスは目を開き、アリスをじっと見つめる。

 そして口を開き何かを言おうとしていたが、言葉が発せられることはない。

 ひとつまた静かに頷くと、ユリウスの身体が宙に浮き、ほとばしる桃色の魔力を全身から放出した。


 これは......終らせるつもりでくる......!

 アリスは右手をローブから出し、少し腰を低くし構える。


 空に昇りうねるユリウスの魔力が大きくなり、それは街全体を覆う程の、巨大な渦が生成された。


「え、あれやばくない......」


 空を埋め尽くさんとする彼女のとてつもない魔力。アリスがそれに気をとられた、その刹那。

 そのわずかな隙をユリウスは逃さない。


 ズドオオォォン!!!と、アリスへと身体ごと突っ込む。


 なんじゃああああ――――!!!この幼女はああああ―――!!!と叫びながら、ユリウスの小さな身体を抱きしめ飛ばされる。

 屋敷の椅子やら壁やらを粉々にし、ついには隣の建物をも突抜け

 (ようや)く止まる。


 ......ぐ、っ痛ってえ。でも......捕まえた......!とユリウスに微笑みかけた時、また彼女も微笑みを浮かべていた。そして


「いひひっ。落ちれ紅竜千(こうりゅうせん)......!」


 !!!


 気がつくと、街を覆っていたユリウスの魔力がとぐろをまく竜へと変化していた。そのとてつもない破壊力を秘めた紅き竜は、アリスへと信じられないスピードで突撃してきた。


「なっ......はやっ!!」


 目を見開き、すごく(いびつ)な笑顔になるユリウス。せっかく可愛い顔してるのに!台無しだな!


「あはっ!流石に私の魔力を無効化できる貴方でも!あの密度の力を消すことはできないでしょう!!!」



 さあ、どうしますか!?アリス!?



 ユリウスの特殊な魔力性質《灰塵(かいじん)》は、相手の魔法や武器、衣服など物質や魔力を侵食し、吸収する。

 その際に、対象が灰になるように消失する様から《灰塵》と名称がついた。


 しかしその能力にも弱点があった。


 ()()()()()()()()()()()()()()のだ。


 そのため、ユリウスの戦いかたは、相手の魔力防御や鎧などの物理防御を灰塵で無効化し、その有り余る魔力で無防備となった相手を破壊するというもの。


 先ほど、ユリウスの魔力、灰塵により雨を降らせたのは辺りいったいのモノから魔力補給を行うためであった。

 そして、ユリウスは身体ごと突撃しアリスの魔力防御を極限まで削り竜を落とした。


「......ッッ!!これは、消せない......!!」


 アリスはユリウスの身体をはねのけると、マーリンから受け取っていたモノをローブから出した。

 それは布にくるまれた長物で、貰ってから一度も中を見たことはない。けれど、何故かこれが剣であることがわかった。


 マーリンが解いた私の中にあったもの、それは。



 《勇者の魂》



 私の中にある勇者と同じ魔力が、剣と反応しくるんでいた布が燃える様に消えた。

 出てきたのは、かつて勇者が使用したと言われる伝説の剣。刀身は青く光り、私の力を吸収し燃え上がる。


 勇者の青い炎のような魔力。それは厳密には魔力ではく全く別の力であった。その力の名を



 《神滅ノ気》



 その性質はユリウスの灰塵と似てはいるが、勇者のそれは侵食や分解、吸収などではなく、完全に破壊し消失させる事ができる。


 それによって攻撃をうけた魔族は治癒能力を失い、破壊された部分は例え高レベルの再生師であろうと元に戻すことは不可能で、それ故に歴代最強の勇者と呼ばれた。


 アリスは迫りくる紅き竜へと剣を振る。

 神滅ノ気を扱う事のできるアリスは勇者の剣のその重さを感じる事もなく、凄まじい剣速で斬り抜いた。

 そして恐ろしい程の魔力密度だったユリウスの竜は青白い神滅ノ気に飲まれ燃え上がり、やがて無に帰した。


 アリスは剣を一振りし、ユリウスへと向けた。


 すると、彼女は虚ろな目をし、ああ、やはりか......とぼやいて、うなだれた。


「まさか......とは思っていたが。......ああ、私の力ではお前を殺せない。」


「殺せ。」とユリウスは短く、だがはっきりと言葉にした。


 私は躊躇(ためら)うことなくユリウスの胸へと剣を突き刺す。


「おやすみ、ユリウス。」



 ユリウスは静かに倒れた。




 ーーーー



 あの魔力は......ユリウスか。本気で戦っている......。


 相手は誰かな?


 空に渦巻く紅い竜を眺めながら言う。

 彼の右手に握られる黒い剣は鮮血を浴び美しく輝いていた。


 その左手には聖騎士の頭部があった。








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