ー10ー 迷いの森の幻狼 ①
もう、三時間は経ったか。
一向に出口の見える気配すらない。
この広大な森は旅人を迷わせ力尽きた旅人を木々が養分とし、繁殖したとされる。旅人どんだけ犠牲になってるんだよ。
別名、迷いの森。
私たちは、魔王へと挑むべく力をつけるため、この森を抜けた先にあるデアーユという街を目指していた。
デアーユは戦いの聖地として有名で、闘技場などがあり日夜、冒険者や腕に自信のある者達が戦いを繰り広げている。
まあ、とりあえずこのまま魔王とか強力な使い魔とかと戦ったとしても、普通に殺されてしまうので、力をつけに行こうって流れ。
なんだけど......。
「ね、ねえ、ナツメ。これ、迷ってない?」
私は少し焦り始めていた。
この焦りは、あれかな。ソシャゲで無償分こんだけありゃ限定のやつでるっしょ!と言って全くかすりもせず爆死した感じかな。
「ナツメ、この森は迷いの森だってナツメが言っていたよね。私にまかせろ!とも。」
「ねえ、ナツメ......」
「あー、すまん。なんか、海見えてたし。イケるかなって。ちょっと簡単に考えてたかも。」
「そんなノリで!?」
「ふっふっふ、お姉ちゃんを簡単に信じると、こうなるんですよ!残念でしたね、アリス!」
な、何いってんの、この子......?
今まさに、ミライも一緒に迷ってるのに。
「まあ、大丈夫だ!こんなこともあろうかと方位磁石を持ってきてる。へへ。」
ナツメは可愛らしくこちらにウィンクを飛ばす。
私は、え、それ機能するの?と少し不安になったが、流石に冒険者の初歩中の初歩だし、大丈夫だろ......
「あれ?なんかくるくる回ってる!?壊れた!?」
......と、思ったがやっぱりダメでした。知ってました。ありがとうございました。
この姉妹、良くここまで生きてこれたな。と思う私だった。
「さすが、迷いの森だぜ。俺の策がことごとく破れるとは......。イイね燃えるね!」
私は何ともいえない顔でナツメの自信満々の顔をていた。
その横で、辺りを見回していたノアが言う。
「でも、迷いの森ってさ、精霊の住みかでもあるでしょ?道を聞いたら教えてくれるんじゃないかな?」
ノアが宙を指差した。そこにはふよふよと空飛ぶ黄色に発光する球体が沢山、漂っていた。数にして、100体はいそう。
でも、妖精なら街中でみかけたけど、精霊ははじめてみたな。
「ごめんなさい、精霊さん。私たち、道に迷ってしまったの。良ければ、出口を教えてくれないかな?」
すると、頭のなかで声が聞こえた。
『イイヨ』
『エルフ、ハ、ナカマ、ダカラ』
「これが、精霊の声か......綺麗だ。」
始めて聞いたその声に私はそう感じた。
エルフって、ノアの事か。精霊とエルフは繋がりが深いのかな。
「おお、これで森から出られるな!流石ノアだな。」
「えへへ。」
『デモ、オネガイ、アル』
精霊は私達に、条件をだしてきた。まあ、精霊を頼るしかこの森でられないし、お願い聞くか。
ミライが、背負ってたリュックが重かったのかダメだもう無理ーと言って、地面にぼふんとおろした。
「お願いって、何かな?」
すると精霊が答えた。
『コノモリ、ニ、イル、ニンゲン』
『ワタシタチ、コロス、ニンゲン』
『ケシテ、ホシイ』
ーーーー
「あの子たち。森を荒らされていたから、あんなに怯えたいたんだね。」
ノアが悲しそうな顔で言う。
「精霊を殺すなんて出来るんだな......。て言うか、食べてたととか言って無かったか?」
「精霊を食べてどうするんだろう。それが加護の発動条件?」
「そうかもですね。精霊の魔力は、ひとつひとつは小さいですが、集まればとてつもない魔法を放つこともできるとか......。あ、これは精霊術師が使えばですが。」
そう、精霊が私達に出した条件と言うのは、この森で精霊や妖精を狩り、食べていると言う加護持ちを排除してくれと言うものだった。
「加護持ちってだけで、珍しいのに......それを倒せときたか。」
「幻狼の加護......か。強いのかな?」
私は皆に聞いた。
すると、ミライが口を開く。
「強いんじゃないですかね。......少し前の話しなんですが、幻狼の加護を持った剣士がある国をたった一人で落とした、なんて話しもあるくらいなので。」
「え。」
「ヤバくねーか、それ。」
「まあ、やべーですよね。」
言いながら、ミライはお手上げした。なんかいちいち可愛いんだよねこの子。
妹みたいで可愛い。妹いたことないんだけど。
「加護名でわかるのは、幻ってついてるから幻を使うのかな......。でも、こっちにもアリスがいるし、ね。」
と、ノアがにっこりした。天使みたいな笑顔だ。
でも国を落としたなんて言われてる能力なんでしょ?無理じゃね?
まあ、頼られるのは嬉しいけど。......頼られるって、嬉しいんだな。
「まあ、アリスは強いが、気をつけたほうがいいな。間違いなく簡単にはいかねえ。」
さて、その幻狼の加護持ちをどうやってさがすか。なのだが、精霊が案内してくれるそうだ。
『コッチ......コッチ......』
「いきましょう。」
ノアが精霊の後を追い、先導する。
そしてついた先には、十数人の白い鎧を着た男達と
白い着物の、武士のような姿の男がこちらに背を向けて、たたずんでいた。
「......え?」
ゆっくりと、こちらに視線だけをむける、男。
こいつが加護持ちだ。わかる。隣に白い狼の幻影が見える。
すると、案内をしていた沢山の精霊達が、ぼろぼろと身を崩し消え去った......。
まさか、罠......!?
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