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ー9ー 旅立ち

 

 気がつくと、俺はベッドの上だった。


 俺は......いったい、どうして。確か昨日、街に魔物が侵入して、4隊が出動......。


 そうだ、俺はアリスに助けられて......あれが、不死鳥の加護。

 あれほどの力だとは。あいつが俺の隊に残っていれば......くそっ。


 コウさん、面会の方がいらっしゃいましたよ。と看護の人が俺へと言うと、髭を長々と蓄えた爺さんが部屋へと入ってきた。

 こ、この方は......!


「やあやあ、コウくん。無事のようで、なにより。具合はどうかね?」


「そ、総隊長!!す、すみません、俺、いや、わたしは大丈夫です!」


「うむうむ、そうだろうよのう。なんじゃ、聞くところによると不死鳥の加護で重症であった大怪我を治療してもらったとか。」


「え、あ、ああ、はい。あの事件の宿には以前4隊にいた加護持ちの女が偶然いて、それで......」


 すると総隊長はふさふさの眉の奥にあった鋭い眼差しで、コウを睨んだ。


「お主、あの加護持ちを追いやったとき、言うたよな?やつの加護は不完全、故にやくにはたたぬ......と。」


「あ、いや、あれは......あの時は加護が働いてなく」


 総隊長はコウの言い訳を遮りこう言った。


「お主の役割はなんじゃ?お主は部下を追放し見殺し、敵を倒すこともできなかった。どころか」


「お主が追放した者に命を救われ、あげく聞くに耐えん言い訳。」


「お主は、隊長ではないのか?なぜ、加護持ちのアリスが育つまでみてやらなかったんじゃ?現にあやつはその力でお主を救ったんじゃぞ?」


 視線を落とし、コウは呆然とする。あの時、俺がアリスを追放していなかったら。


 アリスが、俺の隊で加護の能力を扱えるようになっていたら。


 俺......は......。


 総隊長は髭をひとなでし、座っていた椅子から立ち上がり、コウに告げた。


「お主は隊長から降格する。除隊はせん。お主が殺した部下達に報いれるよう、死ぬ気で努めよ。」


「......はい。」



 ーーーー



「はい、アリス、あーん。」


 そう言い、ノアは私にスプーンのスープを飲ませようとする。

 私はされるがまま口をあけた。


「あーん。」


「美味しい?」


「うん、美味しい!」


「いや、子供かよ!!」


 ナツメが切れのあるツッコミをしてきた。ボケじゃないのに。ただいちゃついてただけなのに。


 ドサッと、ミライが大きなリュックを地面に置いた。

 今さっきまで旅に出る為の準備をしていて、それぞれ必要となる物を買い、約束していたこのカフェ的なところへ集合したのだ。


「うむむむ、少し買い込み過ぎたかもですね。あちー。」


 顔をぱたぱた手で扇いでいるミライ。なんか、ほっぺについてない?


「ミライ、なにか食べた?」


 どきぃ!!!!!!と、心臓の音が聞こえそうな、ミライの顔。


「な、なななななな、なんのことですか?」


「いや、ほっぺにこれが......」


 頬についていた明らかに食べ物であろう物をつまみ、ぱくっ


 あ、チョコ?


「やっぱりお菓子だ!!って、あれ?」


 ミライは顔を赤くして、うつむいていた。


 あ、あれ?どした?


 このあと、なんか知らないけど、ナツメに怒られた。(なんで?)



 ーーーー



 そして、旅立つ時がきた。


 魔王討伐の旅だ。


 どうやら、私の加護を狙ってきたのは魔王の使いだったらしい。

 あの時、赤い髪の男は言っていた。お前を殺すと。


 私を狙いにくるなら、街にいてはまた住民へ被害が及ぶ。

 だから旅にでることにした。魔王軍に狙われているのなら、魔王を倒すしか私の平穏は訪れないだろうし。

 なんかむちゃくちゃな話に聞こえるかも知れないが、他に方法も案もないし。

 

 また、ノアの目的も実は魔王討伐にあったみたいで、旅へと同行することになった。

 てか、そんな目的があったんなら、ナツメのパーティー入ってて良かったのだろうか。

 まあ、それはおいといて。ノアは


「アリスはもう私の大切な人になってるんだから、ひとりでは行かせないよ。」


 とも言っていた。


 そして。ナツメ、ミライも。


「本当にいいの?」


 と、私は二人に聞く。


「ええ、一緒に行きますよ。加護があるとはいえ、私の回復魔法は必要でしょうし、それに......」


「ああ、お前とノアはもう俺達の家族も同然なんだ。この旅が危険なものなら尚更ついてくぜ。」


 二人もノアと同じように私に優しく微笑んでみせた。



 私は、前世で社畜だったころ、友人も居なくて、もちろん会社にも信用できる相手など居なくて、孤立していた。


 こんな時ほんとに、心の底から思う。


 ノアが笑う。「アリス、大丈夫だよ。」


 転生して、みんなと会えて、パーティーになれて、良かった。



 ーーーー



「ふーん、その時の赤毛の男が魔王軍の使いだったのか。」


 海外沿いの森の中を歩きながら、あの夜、魔物に襲撃された宿での出来事を話していた。


 私はあの事件のあと、街を救ったとして、冒険者部隊に拠点へと招かれ、手厚くお礼をされた。(旅に出ないとだったのでお金たくさんうれしい。)

 その時聞いた話によると、魔王の使いが各地で加護をもつ者を狙って動いているらしい。

 今回の事件で襲ってきた男もおそらくそうだと。


「加護持ちが狙われる......か。加護を集めてどうしたいんだろうな?」


「普通に軍を強くしたいんじゃないの?」


 と、ノアが言う。


「いや、加護持ちが束になっても勝てなかった、魔王軍だぞ。歴代最高、最強の勇者も倒してるって話だし。今更、加護の力を求めるとは考えにくい。それに、加護は魔族には扱えないしな。」


「え、そうなの......?」


 と、私が言う。


「そうですよ。なぜなら根本的に性質自体が違うからです。」


 ミライが人差し指をたて、横へ振る。


「加護は神獣、つまり魔物と対極の存在。それ故に魔力では扱えないです。」


「え、私......魔力で加護つかってるんだけど......。」


「そうなんだよな、だからそれもあって俺とミライはアリスの加護に半信半疑だったんだよ。あ、いや信用はしてたけどな。」


「もしかしたら、アリスの加護が不完全なのはそれが原因なのかもね......。」


 と、ノアが言った。


 なるほど......私は本来加護が宿る身体では無かったの、か?


 そして、もうひとつわかった事があった。



 





 私たちこれ、道迷ってね?









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