お忍び。
誘拐事件があったため、過保護な両親は、8歳ではなく、9歳になったらお忍びをすることになりました。
ですので、本日は、お忍び再チャレンジですわ!
可愛い優花と陸には行かないで、との言葉をもらいましたが、心を鬼にして、早く帰って来るわね、と言い残し、私は行きます。
可愛い天使たちに会うために、超特急で買い物を済ませ、ある程度買い物も済ませましたし、帰りましょうか…
あら?あそこの公園、男性が…
何だか困っている様子…
気になるような気にならないような…
「どうかしましたか?」
声、かけてしまいましたわ。
あ、一般の方には言葉遣い、気を付けなくては。
お忍びですものね。
「ああ、お嬢ちゃんには関係ないことだよ。」
確かにそうですわね…
でも声をかけたからには引き下がれませんわ…
「そんなこと、分かりません。
言うだけでも変わることがあるかもしれませんよ。」
「お嬢ちゃんはしっかりしてるねぇ…
じゃあ適当に聞いてほしいんだが…」
そりゃあ中身はお嬢ちゃんじゃないですもの。
「はい。」
「お嬢ちゃんは本は読むかい?」
「はい、読めるものは読んでます。」
「そうか…
今の本はどう思う?」
「どう、ですか?」
「ああ、読んでいて楽しいものがなさすぎると思わないか?」
あら、私と同じ意見。
「確かに私もそう思います。」
「本当かい!?」
いきなり叫ばれたので驚きましたわ。
「!驚かしてしまってすまない。
同じ意見の人がいなくてな…」
「そうですか…」
「やっぱり、変えるのは無理かな…」
それは、違うと思う。
「それは、違うと思います。
変えようと思えば変えることが出来る、そう思いますよ?」
「!」
そうだ。
「自分で書く、というのはどうでしょう?
パソコンで提供するのでも良いと思います。」
私だってそれでどうにかしている。
「でも俺に小説なんて…」
「出来ます。
こう言った小説などはどうですか?」
と、自分が書いている途中の小説を話してみましたわ。
「いいな、それ!君!俺の所で書いてみないか!?」
話を聞くと、彼は編集部の人なんだそうです。
「それは…」
これは趣味ですし…
あまりそういった物に興味はないんですよね…
「では、ネタだけ提供します。それで、書くのは貴方が書いてください。それでどうですか?」
「分かった。面白い小説を提供するためだ。
頑張ってみるよ。」
あら、前向き思考は好ましいですわね。
「はい、頑張ってください。
これ、連絡先です。」
「あ!俺の連絡先も渡しとく。
とりあえず今日聞いた内容で小説を書いてみてもいいかい?」
「はい、頑張ってくださいね。」
「ああ!」
と言うと、男性は去っていきました。
あ、名前聞くの忘れてしまいましたわ。
その後、男性が書いた小説は大ヒットし、徐々に娯楽系の小説も浸透していくとは、まだ知らない桜花でした。
「ああ、可愛い天使たちのために早く帰らなくては!」




