誇りを持つ。
自分のことは好きにすればいい、腹が立って腹がたって。
薊に乗り込むことにいたしました。
と言っても、向こうからお詫びをしたい、とのことで、非公式に呼び出されたのです。
勿論拒否権はあったのですが、文句を一言言いたく、伺うことに決めました。
お父様や優花、陸には止められましたが。
お母様はとても心配していましたが、何とか許可をくれました。
薊家に行くのは初めてなのですが、
まず最初の印象は、怖い、でした。
無表情に無表情。確かに社交界ではあまり表情を出さない方がいいとは思いますが、流石にそれ続きは…
そして次に。謝罪をされ、ご子息は?と聞くと、二人きりにされてしまいました。ということに対しての謎です。
申し訳ありません。
こんな状況ですので、少しばかり現実逃避をしておりました。
「薊…だったのですね。何故あの時私の手を?」
「…何となくだ。」
「何となくで私は誘拐されなきゃいけないのですか?」
それはちょっと、いやかなりムカつくわ。
「それについては悪いと思っている。」
「もうそれはいいですわ。いえ、よくはないのですけど。
それより、自分のことは好きにすればいい。とはなんですか!」
そう、それが今日来た本題だものね。
「そのままだ。こんな僕がいたって仕方ないだろ?」
あ、これ明るいネガティブだわ。
「貴方は薊の時期当主ですわよね?」
「あぁ、でも優秀な弟がいる。ダメな兄ぐらい…」
「ダメですわ!どんな方でも貴方のことを大切にしてくださる方がいらっしゃいます!」
「でも両親も弟にばかり目をかけてるから…」
「そんなことばかり言わない!
下を向いていると誉める側も誉めるに誉められません。
ですから、前を向いてください。
自分なんか、じゃありません。
もっと自分に誇りをもってください。」
「誇り?」
「はい、誇りを持つともっと精進しようと進むことが出来ます。
少し強くなれるような気がします。」
「…わかった、やってみるよ。」
「はい、頑張ってください。」
とにこっと笑ってみた。
「っ!」
何だかお顔が赤いけど、気のせいだよね?
そして、そのまま家へと無事に帰りました。




