ハイオーク殲滅
10人目の評価を頂きました!
ありがとうございます!
文章3、ストーリー3
これは、全体的にまぁまぁぐらい、という評価だと認識しております!
が、頑張ります!
ジルト市 防壁外
ハイオークジェネラルに突撃され弾き飛ばされた俺は、ゴーレムを起こしながら魔法を使い、『ロックジャベリン』を一発放つ。
そのハイオークジェネラルが戦闘用ゴーレム達の中に居たので、誤射を避けるために一発だけ放ったのだ。
俺が放った『ロックジャベリン』は狙いたがわずハイオークジェネラルに向かったが、腕で弾かれダメージを与える事は出来なかった。
そして、ハイオークジェネラルが俺に再び突撃してきた。
俺は立ちか上がる途中だったので、盾を構える事が出来ず、咄嗟に大剣を突き出した。
「はぁ!」
大剣は、ハイオークジェネラルの肩に命中し突き刺さりはしたが、ハイオークジェネラルはそのまま突っ込んできて俺ごと突き進んだ。
「うわぁぁぁぁ!」
踏ん張りの効かなかった俺は、ハイオークジェネラルに押されていき、地面を滑りながらジルト市の防壁に激突した。
ドオォォォォン!!
「ガフッ」
メキィィィッ
ジルト市防壁に激突し、俺は息を詰まらせ、ゴーレム全体の嫌な音がした。
「くそがぁぁぁ!」
俺は咄嗟に大剣を捻ってハイオークジェネラルの傷口を広げた。
「ギィィィ!」
ハイオークジェネラルが鳴き声を上げで下がり、大剣が抜けた。
ハイオークジェネラルは下がりはしたものの、使える右腕で俺に殴り掛かって来たので、咄嗟に盾を構えようとしたが、ゴーレムの左腕が動かなかった。
「何?!」
俺はモロにハイオークジェネラルの攻撃を受け、ゴーレムの左腕がもげてしまう。
「ぐあぁぁぁ!」
俺はハイオークジェネラルに殴られて弾き飛ばされ防壁から少し離れた。
「ブギィィィィ!」
「まだぁぁぁ!」
ハイオークジェネラルは鳴き声を上げで再び俺に突っ込んできたので、寝た姿勢のまま大剣を振るい、ハイオークジェネラルの足に攻撃を仕掛けた。
大剣はハイオークジェネラルの膝に当たったが、ハイオークジェネラルが俺に倒れてきて、ハイオークジェネラルの口から生えた牙がゴーレムの胸に突き刺さる。
俺はがむしゃらにハイオークジェネラルを俺の上から払い除けたが、牙が突き刺さっていたので、胸に一部ごともげてしまった。
もげたのは左胸辺りで、防壁にぶつかった時に相当ダメージが蓄積していたらしく、脆くなっていた様だ。
そして、俺はゴーレムに乗ったまま外気を感じていた。
俺はゴーレムを立ち上がらせようとして、右手を地面を着けると、手首から先が取れてしまった。
こちらにも相当ダメージが蓄積していて、先程の攻撃で限界だったみたいだ。
やられたな。ゴーレムの左腕だけではなく左胸を持っていかれ、右手も駄目か……。
「だが、俺はまだ動けるぞ!」
俺は自分に言い聞かせる様に声を出しながら、手首から先が無くなった腕を地面に着き、ゴーレムを立ち上がらせる。
「おぉぉぉ!」
そして、起き上がろうとしているハイオークジェネラルの顔面を手首から先が無くなった右腕で殴る。
ハイオークジェネラルは鳴き声を上げながら弾きとばされ、口から生えた牙が片方折れた。
追撃をかけようと俺はハイオークジェネラルに走り寄ろうとしたが、それよりも早くハイオークジェネラルが立ち上がり、俺に殴り掛かってきた。
「はぁぁぁぁ!」
「ブギィィィィ!」
俺はボディーブローを放ち、ハイオークジェネラルは俺のゴーレムの顔面を攻撃してきた。
「広坪!」
攻撃が当たる直前オシホ様の声が聞こえた気がしたが、俺はハイオークジェネラル渾身のボディーブローを打ち込めた。
ハイオークジェネラルの攻撃は、俺のボディーブローが僅かに先に命中してので、少しズレてゴーレムの首に直撃した。
俺とハイオークジェネラルは共に弾き飛ばされる。
俺のゴーレムは、今までのダメージもあって、ハイオークジェネラルの攻撃が命中した首を中心に破損し、ゴーレムの上半身の上半分ほどが砕けた結果、俺はゴーレムから上半身を外に晒す事になった。
ゴーレムをまだ動かせる事を確認した俺は、ハイオークジェネラルの姿を確認したかったのもそうだが、ゴーレムから降りるにしても上半身を起こす必要があったので、右腕を使ってゴーレムの上半身を起こした。
こそで俺が見たのは、悶絶していたハイオークジェネラルの首に剣を突き刺すオシホ様の姿だった。
しかも、一度ではなく何度も首に剣を突き刺していて、それはハイオークジェネラルが黒い霧になるまで続けられていた。
ハイオークジェネラルを倒したオシホ様が俺に向かってくるのを確認した俺は、オシホ様にお礼を言おうとした。
「オシホ様、ありが――」
「広坪!」
トットットッ
「え?」
俺は体に三度の衝撃があった後、直ぐに意識が無くなった。
☆☆☆
「う……ん?」
ここは、何処だ?
俺が目を覚ました時、目の前は簡易シェルターの中だった。
「おお、広坪、目が覚めたか。痛いところはあるか?」
「オ、オシホ様……。いえ、痛いところはありません。俺は一体どうしたのですか?」
オシホ様に状況を尋ねたが、俺の声は少しかすれていた。
「まずは水を飲め。ほれ」
オシホ様が水を差し出してきたのので、上半身を起こしてコップを受け取り水を飲む。
「ありがとうございます」
水を飲み一息ついた俺はオシホ様コップを返す。
「そうじゃな。何処まで覚えておる?」
「……オシホ様がハイオークジェネラルにトドメを刺している所まで、です」
俺は記憶を探り、返答する。
「そうか。お主はその直後矢が3発命中して気を失ったのじゃ」
「矢、ですか?まさかハイオークが弓を使ったのですか?」
オークにはこん棒を持つ個体も居るので、ハイオークなら使ってもおかしくないのかと思った。
「いや、ジルト市からじゃった。つまりは王国軍からの攻撃じゃな」
予想外の答えに俺は固まる。
「……え?何故?誤射ですか?」
「かもしれぬが、10発は撃ってこぬじゃろうな」
「3発なのでは?」
「命中は3発じゃが、2発は外れておった。そして、ワシが防壁を展開してお主を守った直後にも5発飛んできておった」
5発が二回も射掛けられたとなれば誤射では済まない。
なにより、ハイオークジェネラル討伐の直後とは言え、討伐後に撃たれたのだし、敵意があると見て間違いない。
「……俺が意識を失ってからの事を簡潔に知りたいです」
「そうじゃの。お主のゴーレムは大破しておるし、矢を3発撃ち込まれておったからの。ワシの判断で攻撃を中止しお主の護衛を最優先にした」
まぁ、これは仕方がない。
いつも俺が最優先護衛目標だと言われていたので、攻撃を中止させたのは俺が負傷したからだ。
「全ゴーレムでお主を囲んだ円陣を形成し、お主の容態を確認したのじゃ。幸い急所は外れ、毒も無かったようじゃからその場で処置をした。鏃は鉄じゃッたのでワシが抜きやすい形に再形成して抜いてポーションを使ったのじゃ」
鏃は返しがある。普通に抜こうとしたら余計に傷口を広げかねないが、オシホ様が鏃を再形成して、最小限の傷で済ませてくれたみたいだ。
だが……。
「どのぐらい縮みましたか?」
「……一ヶ月ほどじゃ。やはり止められなんだ」
「そうですか。これは仕方が無いことです。それに、急所は外れていたとは言え、矢を3発も食らったのです。死んでいてもおかしくはなかったでしょうから、残りの人生分長生きしたことになりますね」
明るく答えてみるが、オシホ様は申し訳なさそうな空気だ。
オシホ様が申し訳なさそうにしているのは、俺の寿命が更に縮んだからだ。
これは、俺が負傷した場合に予想されていた事で、オシホ様にも咄嗟の回避は難しいと言われていた事だった。
俺の命の危機に、体が反射的に反応して過剰再生が発生し、それに伴い寿命がある程度縮むたいうものだ。
オシホ様と融合しているので起きる現象だが、俺が言ったのも本心だし、事実だ。
あのまま死んでもおかしくなかったが、肉体の急激な再生で死を免れたなら、たとえ寿命が縮んでも残りの人生そのものが寿命の延長分になる。
「急所は外れておったなのじゃ。明らかに余計な再生じゃった」
「そうかも知れませんが、それは結果論です。それに、縮んだのも一ヶ月程なら誤差の範囲ですよ。俺が生きている。それだけで良いじゃないですか」
「……すまぬ」
これは、今は何を言っても駄目だろうと判断して、状況の説明を続けてもらう。
「治療後はどうしました?」
「うむ。お主の容態が安定したのでな。ハイオークを削り、数も10,000ほどを下回った時点で撤退したのじゃ。この事については文句は言わせんぞ。即時撤退しても良かったが、今回の作戦目標を考えて最低限の目標は達したのじゃからな」
「まぁ、それは良いですが、ジルト市はどうなりましたか?」
「残りのハイオークと戦い、防壁を破られたようじゃが、撃滅はしておった」
「被害の程は分かりますか?」
「知らぬ。じゃが、それほどの被害では無かろう」
「そうですか。なら良いです」
今回この地に来ているのは、ジルト市の防衛では無く、王国がこの地域を保持することなので、多少被害が出ても問題は無い。
理由は知らないが、こちらを攻撃したのだし、最低限の援護だけで十分だろう。
「それで、他の皆はどうしてますか?」
「あの三人娘はお主を心配しておったが、強制的に寝かせた。明朝帰還するでな」
「帰還、ですか?オークがまだ戦力を伏せているかも知れないのに、撤退はしたくありません」
「駄目じゃ。お主は負傷し、ゴーレムも大破しておる。お主の帰還は決定じゃ。それに、完全撤退はせぬ。偵察も兼ねてトリオの一人は部隊ごと残す。これで万が一には備えられるじゃろう」
「……そうですね。それなら大丈夫そうです」
少々戦力不足に感じなくも無いが、現状ではこれがオシホ様の最大譲歩だろう。
俺が攻撃を受けて負傷し、寿命まで縮む結果になったのだし、今すぐ王国軍の殲滅とか言い出さないだけ有り難いし、万が一に備えた部隊まで残してくれるのだ。
これ以上の事は望めないだろう。
「そう言えば、今何時ですか?」
「23時じゃ」
「結構寝てましたね」
「ワシはまだまだ寝ておっても構わぬと思うがの。まぁ、腹も減っておろう。スープを持ってこさせよう」
「そうですね。お願いします」
「ほら、入らぬか」
「ん?」
オシホ様の声と同時に、簡易シェルターの扉が開く。
そこに居たのは、精霊トリオだった。
「この者等もお主を心配しておっての。お主が起きたのを察知して集まっておったのじゃ」
「あぁ、そうですか。ご心配をお掛けしましたが、もう大丈夫です」
「ご無事で何よりです。ご命令を頂ければジルト市の制圧は即時実行可能な準備が整っています!」
ツヴァイが暴走気味だ。
精霊トリオの中では一場冷静だと思っていたが、考え直した方が良いかな?
「制圧も攻撃も無しです。ここが包囲でもされない限りは、反撃も最低限です」
「ワシが説明もしたのだがな。はぁ、広坪は腹が減ったそうじゃ。スープを持ってくるように」
「はっ!直ちに!」
ツヴァイがシェルターの外に素早く移動していった。
「あれは連れて帰る。残すと何をしでかすかわからぬのでな。ここにはアイン、お前を残す。良いな」
「了解です。お任せください」
「ドライはまた偵察に出てもらうからそのつもりで居れ」
「了解」
オシホ様の判断は的確だと思う。
今の状態のツヴァイを残すのは危険だし、ドライは偵察に必要だ。
後はアインしか居ないな。
この後、ツヴァイの持ってきたスープを飲み、ツヴァイに世話を焼かれて、日付が変更される前には再び眠った。
翌朝、ステラ達にも挨拶をして、ツヴァイ護衛の元研究所への帰路に着いた。
帰還の際は荷物が増えていた。
俺のゴーレムは勿論だが、俺自身も荷物として荷馬車で運ばれる事になった。
しかも、未だ病人の扱いを受け、荷馬車でハンモックの様なもので吊らされての帰還となった。
オークやハイオークの魔石もゴーレムよって回収されており、オークは全、ハイオークは六割のみ回収されていた。
そして、帰路は俺が荷馬車での移動となったので、街道を通っての帰還となり、研究所に辿り着いたのは翌々日の昼過ぎになった。




