オーク殲滅と救援
昨日のPVが二千を突破しました!
偶然アクセスが増えただけとは思いますが、二千を越えるのはまだまだ先だと思っていたので、とても嬉しかったです!
この作品を読んでくださった方々に感謝で一杯です。
ありがとうございます!
ジルト市東南東 簡易砦
「広坪様は無茶ばかりです」
丘を駆け降り、防壁を飛び越えていく広坪を見ながらツヴァイが呟く。
「アイン、ドライ、オシホ様がついていったとは言え広坪様が心配です。一刻も早くオークを殲滅して救援に向かいます。異存はありますか?」
「無い」
「……」
「でしたら、二人は部隊を率いて北西に出てください」
「広坪様の命令はオーク殲滅後の救援だ。追えと言うのか?」
私の指示にアインが意見してくるが、私の言い方が悪かった。
「いえ、オーク殲滅のために打って出てもらいます。アインは南回りで、ドライは北回りで南東を目指してください」
「オークジェネラルが居る南東を目指すのは良い。だが、救援に向かうなら南東から潰して北西に向かった方が効率的では無いか?」
アインの意見には一理ある。
「かもしれません。ですが、オーク殲滅を確実にするなら北西からです。雑魚を片付けて本丸を叩けます」
「……そうだな。先に頭を潰してしまってはオークがバラけかねないか。北西から出よう。ドライはどうだ?」
「異論は無い」
「ありがとうございます。では急いで行ってください。ここは私が持たせます」
「了解!ステラ様達の事を忘れるなよ!」
「……」
「分かっています!」
アインとドライが丘を駆け降りながらそれぞれの戦闘用ゴーレムを率いて北西に向かったので、北西部の防壁を一部解除する。
「貴女達は防壁から侵入しようとするオークのみを攻撃!他はアインとドライ任せなさい!」
私は、丘の中央で作業用ゴーレムを率いてオークに攻撃を加えていた新精霊達にも指示を出す。
「「「了解です!」」」
私の指揮下の戦闘用ゴーレムにも防壁から侵入しようとするオークを攻撃させる。
アインとドライが防壁から外周部まで一直線にゴーレムを並ばせ、防壁の外でオークを蹂躙し、防壁から侵入してくるオークにも対処ができている事を確認した私は、ステラ達の元へ向かう。
「ステラ様、ニーナ様、メリッサ様、少しお話ししたい事があります。輪から抜けていただいてもよろしいですか?」
「はい!分かりました!……ベータお願い!」
「了解」
押し返しのタイミングで、ステラ様の代わりに遠征用の戦闘用ゴーレムか加わる。
ニーナ様とメリッサ様は後から槍で突いていただけなので、離脱は簡単だった。
「聞こえていたとは思いますが、オークが新たに100,000出現してジルト市に向かっています。広坪様はオシホ様と二人で迎撃に向かいました」
「えぇ?!大丈夫なんですか?!」
「オシホ様が一緒なので無理はしないと思いますが、一刻も早く救援に向かう為にアインとドライに防壁の外に打って出てもらいました。場合によってはここからも打って出るので、そのつもりでお願いします」
「「「分かりました!」」」
「それから、今の内に休んでおいて下さい」
「まだ大丈夫です!」
ステラ様は戦いを継続したいらしい。
「これから打って出る事になりますし、広坪様の救援にも向かっていますし、休憩できるのは今ぐらいですよ?それでも大丈夫ですか?」
「大丈夫です!」
「そうですか。お二人はどうですか?」
「私も大丈夫です」
「私も!」
「承知しました。でしたら戦闘を継続してください。それから、打って出る時は乱戦も想定されますので、お二人は盾を忘れない様にお願いします」
「「分かりました」」
できれば余裕がある内に休憩をしていただきたかったが、やる気十分であるし、戦闘を開始して一時間も経っていないので、無理に休憩をしていただかなくても良いと判断した。
装備変更の件も伝えたので、私は丘の中央に戻って全体を見回す。
防壁からの侵入は、アインとドライが外からオークを殲滅しているので、数がどんどん減ってきて余裕が出てきている。
防壁の近く以外のオーク達は散開状態にあったので、戦闘用ゴーレムによって遠距離攻撃も織り混ぜて攻撃を受けて、簡単にオーク達が狩られていく。
防壁付近はアインとドライが直接担当して外周部に遅れないようにしているので、もう既に全体の三分の一が駆逐されていた。
「オークの侵入が減ってきたので外周部への攻撃を許可します!外周部を援護して殲滅スピードを更に上げます!」
中央の新精霊達に再び指示を出して、私もゴーレムを指揮して外周部に援護を行い、オークの殲滅速度を上げていく。
外の殲滅が進むにつれて、オークの侵入が減り、外周部の援護が増えるので、オークの殲滅速度が早まっていき、ほどなくして外周部の四分の三ほどの殲滅ができた。
頃合いですね。
「簡易砦は放棄し、私は突撃の指揮を執ります!貴女達は私達が突撃した後に広坪様への道を作りなさい!敵に遭遇した場合は無理はせずに離脱なさい!」
「「「了解」」」
ツヴァイは中央で作業用ゴーレムの指揮を執る新精霊に指示を出して、丘を降りて更に指示を出す
「ステラ様、ニーナ様、メリッサ様、そろそろ打って出ます!ご準備を!ベータ、ガンマ、デルタも準備しなさい!アルファは回転式連続発射機構で道を開きなさい!」
ツヴァイの指示で全員が動き出す。
ニーナとメリッサは一度下がって盾と大剣を持ち、アルファが回転式連続発射機構を操作する作業用ゴーレムを使って防壁の穴周辺のオークを集中的に減らし続け、押し返しの時以上にオークの圧力を減らす。
ツヴァイ自身も戦闘用ゴーレムを率いて防壁の穴に向かう。
「穴を広げで突撃します!……行きます!」
付近の防壁を一気に消し去り、一斉にオークに突撃する。
ツヴァイ自身は突撃はせず、ステラ達と遠征用の戦闘用ゴーレムの左右を通常の戦闘用ゴーレムを二手に分けて援護した。
ツヴァイは、外のオーク殲滅して防壁沿いに近寄ってきていたアインとドライへ伝令に走って行動指示を出しに行った。
そして、数を5,000ほどに減らしていたオークを一気に包囲しようと動く。
流石に、この状況になったオークジェネラルは離脱を図ろうとするが、ゴーレムの足の方が速く、離脱は叶わず、少ししてオーク達は包囲殲滅された。
「オーク殲滅完了!今から広坪様の援軍に向かいます!アインとドライ部隊を再編成しながら先行してもらいます!損傷ゴーレムはこちらで引き受けます!」
「私は4体!」
「3体」
安全な簡易砦から出てオーク殲滅を急いだので、ゴーレムの損傷は仕方がない。
アインとドライから損傷ゴーレムの指揮を受け取り、代わりにツヴァイ指揮下の損傷が無いゴーレムをアインとドライに指揮を引き渡す。
「道はタウ達が作っています!行ってください!」
「「了解」」
アインとドライがゴーレムを率いて、タウ達が作った魔力供給範囲を通って広坪の方に向かうのを確認したツヴァイは、残った者達に話しかける。
「私達も広坪様の元に向かいます。ですが、広坪様の奥方達を無闇に危険には曝せないので、残った戦力で回転式連続発射機構と共に囲んで広坪様の元に向かいます。何か意見はありますか?」
「魔石はどうしますか?」
デルタが尋ねてきた。
「放置します。今は広坪様の元へ向かうのが第一です」
「了解」
「他に無ければアルファと合流します」
アルファと合流したツヴァイは、簡易砦を放棄し、ステラ、ニーナ、メリッサ、回転式連続発射機構を中心にして、前面を遠征用の戦闘用ゴーレム、それ以外をツヴァイ指揮下の通常の戦闘用ゴーレムで囲んで広坪の元に急いだ。
ジルト市の近くまで来ると、先行したアインとドライが戦闘をしていた。
そこには、一際大きなゴーレムも確認でき、広坪が無事だと言い方が分かった。
「間に合いましたか。良かった……」
ツヴァイは思わず声を漏らしていた。
広坪のゴーレムがこちらに気付き、オシホ様と共にこちらに向かってくる。
「ツヴァイ、攻勢に打って出て殲滅を急いでくれたんだってね。お陰で助かりました。ありがとう」
「うむ。よくやったのじゃ」
「いえ、無理に攻勢に出たので余計な被害が出てしまいました。すみません」
そう言ってツヴァイは頭を下げる。
すると、広坪はゴーレムから降りてツヴァイの手を取る。
「頭を上げてください。それぐらいなら問題はありません。こちらはハイオークの攻撃でジルト市が落ちそうになっていました。トリオの誰かを連れていればそんな危機を事前に防げた事を考えると、俺の判断の迂闊さでジルト市が壊滅する所だったのをツヴァイの判断に助けられました。本当にありがとう」
「い、いえ、恐縮です」
広坪に手を取られて礼を言われたツヴァイは、激しく動揺した。
動揺のあまり、敵がハイオークのみの100,000だと認識するのはもう少し後になる。
仮面では無く表情があったなら、きっと大変な事になっていただろう。
「3人もありがとう。俺が離脱して後は大丈夫てしたか?」
「はい!広坪様が抜けた後も戦闘を継続して最後まで戦いました!」
「ありがとう。助かったよ。ただ、次はハイオークです。オークのりかなり強いので、皆油断はしないでくださいね」
「「「はい!」」」
ステラ、ニーナ、メリッサが元気に返事をした後、広坪がツヴァイに話しかける。
「ツヴァイは俺と一緒に行動してもらいます」
「了解です」
「俺は遠征用のゴーレムと共に、アインとドライの南側から回転式連続発射機構で攻撃を加えるので、ツヴァイは更に南側に展開して、攻撃に参加してもらいます。場合によっては盾になってもらうかも知れないので、そのつもりで居てください」
「承知しました!」
☆☆☆
広坪視点
俺もツヴァイもアインやドライからは南に位置し、ハイオークからは離れてた配置に着き、回転式連続発射機構による攻撃を開始する。
それに合わせてツヴァイも攻撃を開始した。
ツヴァイはゴーレム達を三段、座り、膝立ち、直立にして、以前同様に三段での一斉射攻撃を繰り返した。
本来なら三段別々に魔法を放つべきだが、ハイオークはタフなので、三段一斉に『ロックジャベリン』を放ってハイオークを削る。
「ハイオークのみで100,000ですか。広坪様の判断が遅れていれば今頃ジルト市は落ちていたでしょう。広坪様はやはり凄い」
ツヴァイの声が聞こえた。
正直そこまで褒められたものでは無い。
嫌な予感がして来てみればハイオークの群れだっただけだし、ツヴァイが攻勢に出てくれたから、予想よりも早くオークを片付ける事ができたので救援が間に合ってくれた。
運が良かったと言えばそれまでだが、ツヴァイの判断が無ければ、俺の判断の誤りでジルト市が落とされてしまう所だったのだ。
とても誇れたものでは無い。
少ししてジルト市の障壁が破られたのが分かった。
ジルト市の防壁からハイオークへの攻撃は加えられていたが、ハイオークの数は多く、俺達は片面からしか攻撃ができて居ないので、障壁の突破を許してしまった。
それからは、後はジルト市の防壁の強度だけになった。
ツヴァイは遠距離攻撃から接近戦に移行し、より一層攻撃を強化してハイオークの殲滅を急ぐ様だ。
ハイオークに攻撃を加え、全体的に半数を倒した頃、ハイオークに動きがあった。
「私達を包囲するつもりですか!」
ハイオークの後方からツヴァイ指揮下のゴーレムを囲む動きがあったので、ツヴァイはゴーレムを下げて包囲されないように対処しようとした。
しかし、更に後からツヴァイ指揮下のゴーレムを包囲しよとハイオーク達が出てきており、ツヴァイ更なる後退を余儀無くされた。
これらの動きは南からだけで、ツヴァイ達が攻撃を加えていた面からはハイオークの動きが無かったので、ツヴァイは南側から来るハイオークの群れを迎撃に専念した。
そして、それは突然起こった。
ツヴァイと広坪が攻撃していた面からハイオークの一団が飛び出し、俺達の方へ向かってきた。
回転式連続発射機構による攻撃と、俺の魔法で迎撃して先頭集団を打ち倒すと、その後からハイオークよりも大きな一団、ハイオークリーダーの集団が姿を現した。
身を屈めて隠れていた様だ。
その一団は回転式連続発射機構の攻撃を受けながらも接近し、遠征用の戦闘用ゴーレムにぶつかってきて、俺を目指してきた。
「狙いは俺か!」
俺は盾を構えて前に出てハイオークリーダーを受け止めた。
そして、周囲の戦闘用ゴーレムがハイオークリーダーに攻撃を加え、ハイオークリーダーが黒い霧になった瞬間その奥から飛び出してきたものが居た。
俺は盾でそれを受け止めたまのの、凄い力で弾き飛ばされた。
「うわぁぁぁぁ!」
背中から地面に倒れ、10mほど地面を滑って止まる。
「いったい何が……」
ゴーレムの身を起こしながら見ると、明らかにハイオークやハイオークリーダーとは違った異様な個体がそこには居た。
「ハイオークジェネラルか!」
ハイオークジェネラルと思われる個体は、俺に向かって突撃してきた。
やはり俺が目的みたいだった。




