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簡易砦構築

9人目の評価をいただきました!

文章3、ストーリー5

の高評価で嬉しかったです。

ありがとうございます!



ここまで読んでくださりありがとうございます。

 



 ジルト市北 前線拠点



 俺は早朝に起こされた。

 少し眠いが体調は良い。

 俺の相手をしてくれた三人も調子は良いらしい。

 ただ、下級ポーションの空瓶が気になる所だ。



 俺達は、朝食を食べながら夜間偵察の報告を聞く。


「ジルト市から南東5kmほどの地点で、ドライがオークの群れを発見。数は200,000ほどじゃそうだ。恐らく全部集まっているじゃろう。念のためジルト市の10kmの範囲を探させたがオークの発見は無かった」


「固まっていて居てくれるのは助かりますね。それで、補給は届きましたか?」


「うむ。昨日作られた分の魔具は深夜にファイが到着して置いて行った。数は4つ、ライン用が3つに全方位が1つじゃ」


「合計で7km分ですか。なら、今日はそのオーク達を削りに行きます。ジルト市は今のところ敵対はしていませんが、友好な相手という訳でもありません。面倒を避けるために防壁には近寄りません。なので、オークに対して攻撃を加えて王国軍でも対処できる数に減らすことで、王国軍の支援とします。何か意見はありますか?」


「もし、我々を無視してジルト市に向かった場合はどうするのじゃ?こちらの数では進行阻止は難しいそ」


「防壁は頑丈そうなので、完璧に阻止する必要は無いと思います。なので、出来るだけ進行阻止をしつつ、効率的にオークを削りたいと思います。こちらの妨害にも来ると思いますが、そちらは精霊トリオを中心に迎撃してもらいます。他は現地で判断します」


「了解したのじゃ」


「他には……。ありませんね。では出発します」




 俺達は戦闘準備を整えて前線拠点を出発する。


 オークの本陣強襲で戦闘用ゴーレムも損傷していたが、前線拠点には補修用の資材も集積されており、夜間の間に修復が完了しているので今日も全ゴーレムの戦闘が可能だ。



 街道を一時間ほど南下してジルト市が見える位置に来た俺達は更に南下を続け、ジルト市の東側を通ってオークの群れが居る位置とジルト市の間に入り込んだ。


「む。ドライが合流に来たぞ」


 オシホ様に言われて見れば、東側からドライと遠征用の戦闘用ゴーレム5体がこちらに向かってきていた。


「オークに動きあり、ジルト市に向かっている模様。迎撃最適位置はあの丘」


 ドライが迎撃最適位置と示したのは、俺達から東南東に1kmほどの場所だ。

 幅100mほどが高さ15ほどに盛り上がっているい小さい丘で、台地状になっており、ゴーレムを並べて迎撃も可能そうだ。

 迎撃地点としては、なかなか良い場所だ。

 ただ、思っていたよりもジルト市側で迎撃する事になりそうだ。


「了解!丘を確保する!全員丘へ移動開始!」


 早速丘を確保するために指示を出した。


「オシホ様、先行して丘の上から地形が見たいです。同行して貰えますか」


「うむ。了解じゃ」


「ありがとうございます。ステラ達は皆と一緒に来てください」


 あの丘が最適位置と言われ、戦いにおいて高台が重要なのは知っているが、先にこの目で地形を見ておきたい。

 俺一人での移動が一番速いが、単独行動は流石にさせてもらえないだろうから、オシホ様と一緒だ。



 オシホ様と共に丘の上に来た。


「あがオーク達ですね」


 南東にオークの先頭が見え、後続も沢山続いている。

 上から見ると分かるが、かなりの数だ。

 ビストラ市では森の中から街道を長く移動していたオーク達を奇襲して減らし、迎撃も街道の細い場所を利用して大幅に削ってからの戦闘だったので、数を意識したのはオークの魔石を回収してからだった。


 今回はオークの群れそのものを見ている。

 正直、俺達の500に満たない数なんで吹けば飛ぶような数に見える。

 だが、俺達の戦力は改良を重て強化したゴーレム達で、魔力供給範囲をここまで繋げてきた事で、魔力を自由に使えるのだ。


 負けるつもりは無い。


「オシホ様、ここを簡易砦にします。防壁を作ってこの高台から精霊トリオ達に迎撃してもらいます」


「それは構わぬが、その言い方ではお主はここで迎撃せぬのか?」


「はい。この平地では、迎撃拠点を作るだけでは迂回の可能性もあります。なので、回転式連続発射機構を使って平地を動きながら迎撃に出て、こちらに敵を誘導できればと思います。それでもこちらに来ない可能性はありますが、それはそれで回転式連続発射機構の性能を発揮できます。それに、ここに逃げ込めばオーク達もここを攻めてくるでしょう」


 俺はオシホ様に俺の迎撃作戦を話す。

 俺達居る場所から見た限りでは、離れた位置に似たような丘が多少あるが、この辺りは基本的に平地なので迂回などしたい放題だ。

 なので、回転式連続発射機構搭載の荷馬車を使ってオークを迎撃する。

 移動力としてはこちらが圧倒的に上である以上、追い付かれる事は無いので、これだけでも勝てる気がする。

 だが、無限に追えるという訳では無い。

 今日の補給で追撃可能な距離が7km延びたが、ここから最大でも10kmの範囲程度しか移動出来ない。

 そうなると、逃げられる可能性だけでは無く、こちらに活動制限があることまで知られてしまう可能性があり、それは不味い。


 回転式連続発射機構でオークを叩き、適度に逃げながらここに逃げ込めば、オークはジルト市では無くこちらに迫って来るハズだ。

 これで追撃の可能性は低くなり、活動範囲制限の事を知られる可能性も低くなる。


「まぁ、良かろう。じゃが、お主が攻撃に付き合う必要はあるまい。ワシだけでも構わぬぞ?」


「いえ、俺のゴーレムは大きいですし、目立つので良い目標になると思います。オークは強くなるほど大きくなってますし、指揮固体だと思われれば群がってくるかも知れません。なにより、回転式連続発射機構は失いたくありませんから、万が一荷馬車が壊れた場合に備えて荷物持ちとして同行します」


「荷馬車に予備はあるが、回転式連続発射機構が今無くなるのは困るな。ワシでも持てない事は無いが、全部壊れたとなると持てぬな。お主なら二つは持てるかの」


「盾と剣を捨てれば大丈夫ですね」


「ならば問題は無いな。広坪の作戦で行くぞ」


「ありがとうございます」


 俺達が作戦の話をしていると、精霊トリオ率いる主力達が到着した。



「――以上が作戦です。各自素早く準備してください。ここの全体指揮はツヴァイに任せます」


 オークが迫っているので、手早く作戦を説明し、ツヴァイに指揮を委ねる。

 防御戦が得意なツヴァイならば問題なく簡易砦を形成してくれるだろうし、防戦の指揮も問題は無いだろう。


「ステラさん達はここに待機してツヴァイの指示に従って下さい」


「一緒に行きたいですが、待ちます。お気をつけて」


「ありがとうございます。オシホ様、行きましょう」


「うむ」


 簡易砦の事をツヴァイに任せて、遠征用のゴーレム達を全て率いてオーク達を迎撃に出る。




「北側から当たります!」


「承知した!」


 正面からでは、オークが俺達に進路変更したか分からないので、北側に回り込む。



「攻撃はオシホ様任せます!」


「良し、撃つ!」


 オーク達を射程距離に捉えたので、回転式連続発射機構をオシホ様に任せて撃ってもらう。

 移動しながらになるので、いちいち指示していては仕方がない。



 五台の回転式連続発射機構からそれぞれ『ロックジャベリン』が一秒に二発間隔で放たれ、次々にオークを倒していく。

 やはりハイオークとは違って、オークは『ロックジャベリン』に貫通され、複数のオークをまとめて倒していく。


「やはり回転式連続発射機構があると殲滅力が違いますね」


「うむ。水平撃ちをしておるから、貫通も効率的じゃし段違いじゃな。今は荷馬車を牽くために作業用ゴーレムが2体付いておるが、回転式連続発射機構だけならば一体で事足りるからの。作業用ゴーレムでこの攻撃力を出せるのは有り難いな」


「ですが、ビストラ市の時に比べると多少やりずらいですね」


「範囲が広いからの。それは仕方があるまい」


「そうですね。お、オークがこちらに向かってくるみたいですね」


 五分ほど攻撃をし、オークを5,000以上倒していると、明確にこちらにオーク達が向かってくる。


「では、移動を開始するかの」


「はい」


 俺達は、回転式連続発射機構搭載の荷馬車と共に北西に移動を開始する。

 移動速度は、オークの足に合わせてるので距離は縮まらない。


「鬼のような所業ですね」


「そうかの?非常に効率的でワシは好きじゃぞ?」


「まぁ、効率的ではあるのですが……」


「む、オーク共が下がるな。追うぞ」


「了解です」


 俺達を追ってきていたオー達が下がりだしたので追撃をかける。


「む。オーク逹広がりだしたな。こちらを包囲して潰すつもりか」


「そうみたいですね。でしたら南のオークを狙って下さい。少々北に寄り過ぎました」


「了解じゃ」


 戦闘集団だったオークの追撃をやめて、南北に広がってきているオークの南側に攻撃を仕掛ける。

 すると、南側のオーク達が下がり、更に奥から南側にオークが展開、この間に北側に広がったオークが南下してきて俺達を包囲しようとしてくる。


「このまま攻撃を仕掛けては包囲されるのも時間の問題ですね」


「少々早いが下がるかの」


「仕方がありません。下がりましょう」


 俺達は南側のオークへの追撃を中止して、簡易砦に戻る事にした。

 北側から迫るオークに阻まれそうになったが、回転式連続発射機構で凪ぎ払い、ツヴァイが構築した簡易砦に到着した。




「お疲れ様です。戦果はどうでしたか?」


 俺達を出迎えてくれたツヴァイが尋ねてきた。

 俺は、ゴーレムから降りてツヴァイに答える。

 オーク達は砦から一定の距離を保ちながら包囲しようとしているので、今は大丈夫そうなので、休憩を兼ねてゴーレムから降りる。


「20,000といったところですね。分散されたので効率が悪かったです。こちらの準備はどうですか?」


「移動しながらそれだけやれたのですか。凄いですね。こちらは抜かり無く準備できています。後は……」


「オークが来てくれるかですが、……こちらを包囲してきていますね。来てくれて助かりました。」


「私でも同じ様にします。回転式連続発射機構は驚異ですから、包囲できるなら包囲して是非とも破壊しておきたいですから」


「それもそうですね。それで、俺達は何処に配置になりますか?」


 ツヴァイが構築した簡易砦なので、ツヴァイの計画に従うために、配置を尋ねる。


「あそこです。広坪様には遠征用の戦闘用ゴーレムと共に広坪様達が入ってきた場所を開けたままにして、オークを引き込み叩いていただきます。回転式連続発射機構は広坪様達の後の丘の中腹に配置して、正面の攻撃と広坪様の達の援護をさせます」


「了解です」


「罠と分かっていても突っ込んでくるので、頑張って下さい。ステラ様達も同じ配置なので、使ってあげてください」


「戦闘面での挽回、ですか。ありがとう。助かるよ」


 ツヴァイはステラ達を気遣って、近接戦闘ができるように取り計らってくれたみたいだ。


「いえ、それでは、全体指揮に戻ります」


「任せた」


 ツヴァイが一礼をして丘の上に戻っていった。



「オシホ様はどうしますか?」


「そえじゃな。今更上で指揮するのもじゃし、回転式連続発射機構と共にお主らを援護をしよう。護衛はアルファ達に任せれば大丈夫じゃろう」


「そうですか。了解です。でしたら、俺はステラ逹と合流します」


「うむ。上手くやるのじゃぞ」


「はい」



 俺はオシホ様と別れて、ステラ逹と合流した。


「ステラ、迎撃に話は聞いていますか?」


「は、はい。聞いています」


「緊張しているみたいですね。流石にオーク相手とは言え、あの数は凄いですからね」


 20,000程は削ったとは言え、まだまだオークは沢山居て、俺達を包囲してきているのだ。

 ステラ達には少々キツかったか。


「二人も緊張してますか?」


 ニーナとメリッサにも尋ねる。


「わ、私は大丈夫です!」


「私は、少し心配です」


「でしたら、三人は最初は少し見学していて下さい。あぁ、心配しなくても、ちゃんと戦ってもらいます。オークは沢山居るので、交代しながら戦いましょう」


 俺が見学と言った瞬間に暗い表情になったので、戦ってもらう事を明言する。


「「「はい」」」


「アルファ達もお願いしますね。オシホ様は後ろから見ているそうです」


「「「「了解です!」」」」


「さぁ、今の内にトイレに行っておきましょう」



 こうして、オーク迎撃に体勢は整った。

 後は殲滅するだけだ。




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