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本陣強襲の影響

台風のゴタゴタで昨日は更新出来ませんでした。

すみません。




 ジルト市周辺



 ジルト市を包囲している群れを指揮していると思われる一団を強襲し、撃退した俺達は森の中を通って前線拠点に戻っている。


「広坪様、申し訳ありません。『下がれ』という命令に従えませんでした」


「申し訳ありません」


 前線拠点に引き上げる途中の森の中でステラ達がが謝って来た。


「あぁ、あれですか。少し油断がありましたね。それは俺も同じなのでステラ達を責めれません。それに、トドメを刺してくれたので助かりましたよ。ありがとうございます」


 ハイオークリーダーが突っ込んで来たのは、ハイオーク達を殲滅するだけだど気が少し抜けていた。

 ステラ達だけを責めれはできない。


「いえ、次は油断しないように気を付けます」


「分かりました。ですが、無理はしないで下さいね」


「はい」


 ステラが返事をして、隊列に戻る。



 正直、ステラ達の働きにはかなり驚いている。

 彼女達は単なる村娘で、ルティ達とは違って戦うことを全くしていなかった。

 モンスターすら見たことも数えるほどだったそうだ。

 それが、搭乗型のゴーレムに乗っているとはいえ、オーク相手に戦えるとは、単純に凄いと思う。


 ステラは志願して来たのでまだ納得てきるが、ニーナとメリッサまでそれなりに戦えていた。

 搭乗型ゴーレムの性能を考えれば当然だが、問題は操縦者で、怯えが出ればろくには戦えなかっただろう。

 しかし、彼女達は戦えた。

 モンスターの驚異を肌で感じたことが無く、搭乗型ゴーレムに守られている安心感から、動けているのかも知れない。

 搭乗型ゴーレムの性能は、彼女達の訓練の時に体感させているので、良く分かっているハズだ。



 思っていた以上にステラさん達が戦力として期待できそうなので、安心して北側の街道に出た。

 直線前線拠点に戻っても良かったが、俺達は迂回のために森に入った場所まで戻ってきたのだ。


「良かった。無事だったみたいです」


「そうじゃな。まぁ、今のを持って行かれても使用はできぬがな」


 オーク本陣の強襲は、ドライと合流してから決めたので、回転式連続発射機構を前線拠点に戻すかどこか安全な場所に隠す必要があり、俺達は半地下のトンネルの様な物を作り、そこに荷馬車を収納して臨時の保管庫にした。

 一応の安全策として、オシホ様の権限で回転式連続発射機構が俺達の魔力供給用の魔具から魔力を供給されない様にはしていたが、奪われればアイデア自体は大した物では無いので、似たような手段や全く違った手段で同じ様な物が再現されることは間違いないと思うので、無事に回収出来たことに安堵する。



 俺達は、臨時の保管庫から回転式連続発射機構を搭載している荷馬車を回収し、ジルト市に向かった。

 仮にも本陣を強襲したのだ。

 ジルト市を包囲しているオーク達に何らかの変化があると思われたからだ。



 そして、俺達はジルト市を見た。


「オシホ様、あれは……」


 ジルト市は、オーク約200,000に包囲されているハズなのだが、そのオークが1匹も見えなかったのだ。

 ジルト市が破壊され、オーク達が去ったという訳では無く、ジルト市健在のままオークが去っていたのだ。


「ふむ。……ん?ジルト市左奥、南東方向にオークの真新しい足跡が多数見えるな。ジルト市の影の方ほ分からぬが、南東方向にいくらかはオークが向かったのじゃろう」


「これは俺達が本陣を強襲したから、でしょうかね?」


「恐らくそうじゃろうな。まずは指揮固体の保護を優先したのかも知れぬ」


「……ジルト市に事情説明に行った方が良いでしょうか?」


 この事態の原因を説明しておかねば、あちらで混乱が起きて誤った判断をされると、救援に来た意味がないだけでは無く、崩壊を早める事になりかねない。


「まぁ、行った方が良いじゃろうが、行くのか?お主の安全を考えると行かせたくは無いな」


「でしたら、搭乗型ゴーレムに乗った状態で防壁の外から声をかけるだけにしておきましょう」


 済んだこととは言え、俺は王国所属の子爵と敵対をしてた事がある。

 地域支配をしている貴族に敵対したので、手打ちになっているからと油断は出来ない。

 たとえ、子爵が既に処刑されていたとしても、だ。


「気は進まぬが仕方がないかの。ジルト市に向かって移動準備をさせる」


「いえ、俺とオシホ様だけで行きます。数が多いと敵対と見られかねません」


「駄目じゃな。万が一があったときに撤退が難しいかもしれぬ。盾となる護衛が必要じゃ。最低でもゴーレム10体は必要じゃ」


「……了解です。遠征用のゴーレム10体と俺達でジルト市に向かいます」


「良し。すぐに準備させる」


 準備?

 遠征用の戦闘用ゴーレム10体を連れていくだけなら、一言言って出発するだけで良いのに何を?と思っていると、ゴーレム達がジルト市から見える位置で整列しだした。


「オシホ様、何をしているのですか?」


「万が一の救援準備というのもあるが、こちらの戦力を見せて少数で向かっているというアピールのためじゃ。我等だけで全てと思われれば侮られるだけだは無く、全軍て攻めてきたと思われかねぬのでな」


 そう言えば、ゴーレムは一人で何体も操れる物では無いという話だった。

 俺とオシホ様だけで、たった10体とはいえ複数のゴーレムを引き連れて近寄れば、全力攻撃に見えてもおかしくは無いのか。

 だから、あえてこちらの戦力を見せて、少数で動いている事をアピールするのか。


「なるほど、その通りですね。気が付きませんでした」


「構わぬ。それより準備は出来た。行くぞ」


「了解」


 オシホ様がゴーレム達を整列させる様に指示してから、俺とオシホ様は護衛の遠征用の戦闘用ゴーレム10体を引き連れて、駆け足気味でジルトシニ近付いて行く。



 北側の街道を通り、隠れもせずにジルト市近付いているので、ジルト市側も俺達の気付き、動きを見せる。

 そして、俺達がジルト市まで200mを切ったぐらいで、防壁上の兵士達が弓を構えたので、一度止まる事にした。


「ここからは歩きます」


「うむ。それが良かろう」


 駆け足気味とは言え、馬が走るぐらいの速度はあったので、ここからはゴーレム歩かせてジルト市に近寄る。

 防壁上の兵士達は、俺達が速度を落としたのを確認して弓の構えは解いたが、いっても弓を引ける体勢を維持したまま待機している。


 そして、ジルト市まで100mという所で俺達は立ち止まる。


「では、行ってきます」


 俺はオシホ様に断り、大剣を見えるように地面に突き刺し、10mほど前進する。

 大剣を地面に突き刺したのも、敵対する意思は無いとアピールるするために、あえて持ってきた。



「俺は広坪土倉!現在の聖堂院の主だ!」


 俺の声を聞き、防壁上の兵士に動揺が見える。


「我々は、ビストラ市の救援要請でオーク50,000を殲滅した!そこで王国軍の窮状を知り救援に来た!」


 防壁上の兵士の動揺が更に大きくなる。


「先程、オーク達を指揮すると思われる群れを東の街道に見つけたので、これを強襲して9割を倒した!指揮固体には逃げられた!ジルト市を包囲していたオークがとこに行ったか尋ねたい!南東に足跡があったが、そちらに全て向かったのか?!」


「……」


 用件を伝えて、オークの行き先について尋ねてみたが、反応が無い。

 出来ればオークの行き先を知っておきたかったが、用件は伝えたし帰ることにする。

 長居して弓でも射掛けられたら大変だ。


「今日はもう臨時拠点に引き上げるが、我々はしばらくこの地に残り、オーク殲滅に協力する!」


 伝えるだけ伝えてオシホ様の元に戻る。


「戻ります」


「了解じゃ」


 俺は大剣を引き抜き、オシホ様と共に精霊トリオに合流して前線拠点に帰還した。



 前線拠点に戻った頃には、日が沈みかけていた。


「お疲れ様、だいぶ寒くなってきましたね」


 ゴーレムから降りた俺は、ステラに話しかける。


「そうてすね。もう一月半ほどで雪が降り始めますから仕方がありません。……それよりも気遣ってくれてありがとうございます。僕は大丈夫です」


 今日の失敗を気にしているといけないと思い、声をかけて気遣ったつもりだが、簡単に見抜かれてしまった。


「……それなら良かったです。挽回の機会はあるので、気にしないで下さいね」


「はい。ありがとうございます」


 ステラが笑顔を見せてくれたので、これで良しとしておく。

 俺ではこれ以上のフォローは難しい。



 軽く休憩した後、夕食前に明日について話し合いをする。


「明日ですが、オークはどう動くと思いますか?」


「我々が来たことで、あちらは持久戦には出ぬじゃろう。じゃから明日は総力で我々かジルト市を攻めるじゃろうな」


「やはりそうなりますか。ジルト市はどれくらい攻撃に耐えられそうですかか?」


 俺達は、個の戦力でハイオークを上回って見せて、ハイオーク達の突撃を押し留めたので、数で俺達を叩きに来るか、ジルト市の混乱を待たずに力押しで殲滅してこの地を離れるかの選択になる。

 なので、ジルト市の防壁の強度を知っておきたい。

 オシホ様なら、先程ジルト市に近寄った時に防壁の強度をみているハズだ。


「そうじゃな。ビストラ市とは違って作られてそう数ヵ月しか経っておらぬし、かなり頑丈に作られておる。障壁もある事じゃし、半日は十分に持つじゃろう」


「そらなら十分ですね。明日は朝から出撃してオーク殲滅を図りたいと思いますが、良いですか?」


「まぁ、それが目的じゃし、良かろう。オークは夜間に偵察をさせて探させよう」


「よろしくお願いします」


「うむ。今日は移動と戦闘で疲れたじゃろうし、夕食を食べたらさっさと休むが良い」


「「「「了解」」」」


 オシホ様の言葉に俺とステラ達が答える。


 実際、長時間ゴーレムに乗っていて疲れたので、早めに休んだ方が良いだろ。

 俺はまだしも、ステラ達はまだ搭乗型ゴーレムに乗るようになってから日が浅い。



 夕食を食べた俺達は、軽く雑談をした後に、オシホ様に案内されて、寝るためにそれぞれの簡易シェルターに向かったのだが、俺の簡易シェルターがおかしい。


「オシホ様、これは?」


「寝室特化シェルターじゃ。それなりの期間ここに居ることになりそうじゃったからの、特別に作ったのじゃ」


 シェルターの中は、キングサイズのベットがドンと設置されていた。

 ベットの大きさは違うのものの、普段使っている物と遜色は無く、明らかに一人用では無い。

 シェルターとして必要な、長期間籠るのに最低限必要なトイレと水が出る魔具等を用意されている辺りがなんとも言えない。


「いやいや、早く休むようにオシホ様が言っていたではありませんか」


「そうじゃ。じゃからさっさとして休め」


 オシホ様はそう言って俺とステラ達をシェルターに押し込めて扉を閉めてしまった。

 俺の意思に関係なく扉を閉めておける権限がオシホ様にはあるので、扉は開かないだろう。


「申し訳無いけど――」


 俺はステラ達に謝って一緒に寝てもらおうと思っていると、ステラ達は既に服を脱ぎ始めていた。


「待て!皆疲れているだろうし、今日はこのまま休んでも大丈夫ですよ?」


「いえ、挽回の機会なので頑張ります!ルティ様にも広坪様の戦闘後は大変だと聞いているので、三人で頑張らさせていただきます!」


「「頑張ります!」」


 ルティ!何を教えたんだ?!


「そう言う意味で挽回の機会を用意すると言ったのでは無いので――」


 俺は、最後まで言葉を発する事無く三人でベットに沈まされた。




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