第一章1話
この話からはソロの冒険者……いっいや、これ製作者ですな。
としてのお仕事をしつつも、冒険者としても下積みをすると言う感じになるでしょう。
この章も10話程度で一区切り出来る様にしたいと思います。
村の幼馴染と決別した次の日の朝一番で私はメリンダさんとシャノンさんに連れられて冒険者ギルドの受付窓口まで行きました。
受付窓口の扉を力一杯開けたメリンダさんが
「おはよー!!おっさん!!居るぅぅぅ!?」
と、開口一番叫んだのです……いや、その声大きいですよ!?
シャノンさんそこで苦笑してないで彼女をたしなめて下さいよぉー。
そして、きょろきょろあたりを見回して、そう、大きな熊さんみたいな人が唖然としながらメリンダさんを見てました。その人を確認したメリンダさんは、手をぶんぶん振ってそのおっさんの所に近づいていったんです。
「あっ、いたいた!!あれ?黄昏ちゃってどうしたの?」
……あっ、何となく解りました。この方、今仕事上がりなんですね。そして、時間外勤務確定を悟ってしまったのでしょう。
この人、ゴルノフさんと言う方なのですが、メリンダさんとシャノンさんの所属するパーティの借金の清算とかで手助けしてくれた人との事です。メリンダさんもシャノンさんも散々な事言ってますけど、ただ、この人のアドバイスを信じてがんばれば何とかなるって保証してくれたのです。
その後の事は軽く端折りますが、軽く自己紹介をして、私が幼馴染と一緒に冒険者登録をするつもりだったのに置いてかれてしまった事とかを説明しました。ゴルノフさんは本当は凄く眠そうだったんですけどちゃんと話を聞いてくれたし、冒険者としての使命についても説明してくれたのです。
だから、ゴルノフさんが薦めてくれた基礎クラスのアコライトのを選ぶ事に不安は無かったです。私のスキルの構成を見て、そのレベルを上げる為に手伝ってくれるとも言ってくれました。
……私はステータスカードで運がBとなってるんですが、結果から見たらその通りなのかもしれません。周りには自然と良い人が居てくれてありがたいなぁと思えてます。
ああ、そうそう。このステータスカードって、えーと、なんと言うかホロカードみたいなものなんです。私が、カードを出すと念じれば、カードが出て、消そうとすれば自然に消える。そのお陰でこのカードは決して盗まれないそうです。後、このカードには預貯金の管理も出来ますし個々人の約束の取り決め等も出来るそうです。また、このカードには犯罪履歴や社会信用に関する情報も記載されるとの事なので、絶対に悪い事はしちゃ駄目だと念を押されました。……だからなのですね。王侯貴族や大商人でも無い冒険者が一定の信用を得る事が出来るのは。
「おい、待たせたな」
「いえ、大丈夫です」
「まあ、あの二人には、マシな依頼人のクエストを回しておいたから大丈夫だろう。さて、これから俺等は挨拶回りに行く。まずは、ここのギルド長から行くぞ。今、7時か……。おおぉい!!ギルド長って出勤してるか!?」
「はい!!えーと、ゴルノフさんギルド長が呼んでましたよ?」
「そうかい。俺も丁度用事が出来たから都合が良いや」
「えと、挨拶周り?……どうしてですか?」
「ああ、まあ、アコライトに付いた者はラオルスク神殿にも報告する義務がある。後は、錬金術師ギルドは、お前さんの植物知識と薬師のスキルを鍛える為だ。因みに、うちのギルド長へは挨拶もあるんだが、お前さんの登録料の事での直談判も含まれてる。さて、行くぞ」
……今のゴルノフさんは、獲物を仕留める為に獰猛な笑みを浮べた大熊の様でした。
あの、出来れば、穏便に済ませていただけないでしょうか?……え?たぶん、無理?




