激突
激化する戦い。
次々と倒れていく敵。
しかし、その戦いの裏では、誰も予想しなかった事態が起きていた。
仲間たちを襲う異変。
そして、ついに姿を現す闇ギルド「ゾルペス」のリーダー。
その男が持つ力とは――。
――その頃、洞窟の各所では戦闘が始まっていた。
ガキィィンッ!!
剣と杖がぶつかり合い、激しい金属音が洞窟内に響き渡る。
「あなたたちの目的はなんなの」
マナは敵の攻撃弾き返し、鋭い視線を向けた。
「私たちは神の力を手に入れる」
「神の力!? そんな力がほんとに存在するの…?」
マナが驚きに目を見開く。
「そんなことも知らないのね。 じゃあさようなら!」
女が杖を掲げた。
「チェーン・レイド!!」
女が叫んだ瞬間、マナの足元に黒い魔法陣が出現した。
次の瞬間――。
ジャラララララッ!!
魔法陣から無数の鎖が一斉に飛び出した。
鎖は唸りを上げながら、マナの頭上、左右、背後から全身めがけて襲いかかる。
「くっ……!」
マナは剣を振るい、迫り来る鎖を弾き返した。
キィンッ! ガキィンッ!!
しかし、鎖の数はあまりにも多かった。
一本を弾けば、別の鎖が迫る。身をひねってかわしても、すぐさま次の鎖が行く手を塞ぐ。
「きゃああっ!!」
ついに防ぎきれなかった鎖が、マナの身体に次々と巻きついた。
全身を鎖で締め上げられ、マナの剣が手から弾き飛ばされる。
「しまっ……!」
鎖が一気に引き絞られた。
「きゃあああっ!!」
ドゴォン!!
マナの身体が地面へと叩きつけられた。
「かわいい顔が台無しね」
ゾルペスの女は、拘束されたマナを見下ろして笑った。
「くっ……! こんなところで負けてられない……!」
マナは歯を食いしばり、全身に巻きついた鎖を必死に引き剥がそうとした。
しかし、鎖は容赦なく身体を締め上げ、わずかに動くことさえ許さない。
「無駄よ。大人しくしていなさい」
女が手を振り下ろした。
「チェーン・レイ!」
鎖が勢いよくしなり、マナへと襲いかかる。
「きゃああっ!!」
激しい衝撃を受け、マナはその場に倒れ込んだ。
「うっ……!」
全身に走る痛みに、マナの表情が歪む。
「お子様は、一生寝てなさい」
次の瞬間、マナの全身が淡い光に包まれた。
「……まだ、終わってない!」
「パワーエンチャント!!」
魔力が全身を駆け巡り、身体の奥底から力が湧き上がる。
「な、なにっ!」
「言ったでしょ……。こんなところで、負けられない……!」
マナは剣を握り直した。
しかし、その体はすでにボロボロだった。
(思ったよりダメージを受けてる……。もう、これ以上体を動かせそうにない……)
「これで決める!!」
マナは残された魔力を剣へと集中させた。
剣身が淡い光を帯び、周囲の空気が震える。
「メティア!!」
シュンッ!!
剣先から放たれた無属性の魔法が、一直線に女へと飛んでいく。
「なっ……速っ!?」
女が反応したときには、すでに魔法は直撃していた。
「うわぁっっっー!!」
直撃を受けた女は、勢いよく吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだ。
マナは剣を支えに、なんとか立ち続けていた。
「はぁ……はぁ……。やった……?」
――同じころ。
「おい、アクタス! 早く攻撃しろ!」
ラルドは迫り来る鎖を警戒しながら叫んだ。
「無理だ。まだ魔力が戻っていない」
「マスターこそ、攻撃魔法くらい使えるようになれー!」
二人のやり取りを見て、ゾルペスの男が鼻で笑った。
「コントが好きらしいな。地獄で一生やってな!」
「くらえ!!」
鎖が、アクタスとラルドめがけて飛ばされる。
ガシャンッ!
ラルドのバリアが激しく揺れる。
「くそっ……! これじゃあ、俺の魔力が切れたらやられちまう!」
ラルドが険しい表情でつぶやく。
鎖は休むことなく、二人へと襲いかかる。
ガンッ! ガガガガッ!!
「おらおら、どうした。 雑魚どもがよ!」
男は勝利を確信したように笑い、さらに鎖を叩きつけた。
次の瞬間――
「ぐはっ!」
男の体が突然、大きくよろめいた。
「何が起きた…?」
ラルドは目を見開き、状況を理解できずにいた。
「雑魚はお前だ」
そのとき、アクタスが冷たく言い放つ。
「ダーク・レイブン」
ズブッ!!
次の瞬間、男の体内から無数の黒い棘が突き出した。
「ぐあぁぁぁっ!!」
男は苦痛に顔を歪め、全身を激しくよじる。
「な、何者だ……てめぇ……!」
男はそのまま力なく倒れ、動かなくなった。
「アクタス、お前魔力は切れたんじゃ…?」
「黙れ」
冷たく吐き捨てた、その直後――。
ガシャンッ!!
アクタスが突然、ラルドに向かって攻撃を放った。
「なっ……! 何すんだよ!」
ラルドはとっさにバリアを展開した。
アクタスはラルドを見据え、静かにつぶやく。
「すべて消し去る」
「ダーク・レイブン」
ガッシャァァン!!
バキッ……!
亀裂が走り、次の瞬間、バリアが粉々に砕け散った。
「アクタス……お前、本当にどうしちまったんだよ……!」
「くそっ、魔力が…」
ラルドの魔力がなくなってしまう。
「死ね」
「ダーク・ハイ…」
アクタスが次の魔法を放とうとした、その瞬間――。
バタンッ。
地面に倒れ込むアクタス。
「お、おい……アクタス!?」
ラルドが慌てて駆け寄った。
――洞窟奥
「ガキが!」
ゾルぺスの男が剣を振り下ろす。
ガキィンッ!!
エゼルは拳で剣を弾き返し、素早く距離を詰めた。
「遅い!」
「なにっ!?」
ドゴォン!!
エゼルの拳が男の腹部に直撃する。
しかし――。
「ハッ! そんなもんかよ!」
男が腹を揺らし、ニヤリと笑う。
「俺を吹き飛ばしたきゃ、もっと力をつけてくるんだな!」
「くっ……!」
エゼルは悔しそうに拳を握り直す。
「今度はこっちの番だ!」
男が巨大な拳を振りかぶる。
「潰れろぉ!!」
ドゴォン!!
「うわっ!!」
エゼルは両腕を交差させ、攻撃を受け止める。
だが、凄まじい衝撃に耐えきれず、体ごと後方へ押し飛ばされた。
「なら、吹き飛ばすんじゃなく――ぶち抜く!」
バチバチバチッ!!
エゼルの拳に、激しい雷光が集束していく。
「ライトニング・ヴレイカー!!」
ドゴォォォォン!!
雷光をまとった拳が、男の腹部に叩き込まれる。
「ぐおおっ……!」
男の巨体がわずかによろめいた。
「なかなか、やるなー。だがまだまだ弱いな」
男は腹部を押さえながらも、不敵な笑みを浮かべる。
――次の瞬間
グサッ!!
「な……なんで……だよ……」
男の背中から、一本の鎖が突き出していた。
「なんだ、何が起きた…」
エゼルは混乱する。
「やぁ、よくここまで来たね。でも少し遅かった」
男は穏やかな口調で告げる。
だが、その目には不気味な余裕が浮かんでいた。
「誰だ、お前は……?」
エゼルは警戒しながら問いかける。
「僕はゾルペスのリーダー、ゾルゲット」
「ゴッドホルダーだ」
「……っ!?」
エゼルは驚く。
「ゴッドホルダー……!?」
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