ギルド
第2話はギルド「エバーリンク」の日常回になります。
どんな関係性なのか、どんな人物がいるのかを楽しんでもらえればと思います。
第2話【ギルド】
討伐依頼を終えたエゼルたちは、ギルドへ戻ってきた。
「ただいまー!」
マナの元気な声がギルド中に響き渡る。
「マナちゃん、おかえりー!」
「三人とも、お疲れー!」
「お疲れー」
声をかけてきたのは、【マーシャ】【レイバーク】【タカ】。
「依頼はどうだった?」
マーシャがカウンター越しに尋ねる。
「もちろん魔物は倒してきたよ!」
マナが笑顔で答えた。
「ゴブリンキングもいたけど、ちゃんと倒したぞ!」
ライザが自慢げに話す。
「ゴブリンキング!?」
レイバークとタカが目を見開く。
「ああ。たいしたことなかった」
エゼルが冷静に答える。
レイバークとタカが顔を見合わせる。
「いやいや、ゴブリンキングは結構強いだろ……」
レイバークは呆れ気味に話す。
「まあ、三人なら大丈夫でしょ」
マーシャが楽しそうに笑った。
「それより、依頼の報酬はどうする?」
マナがエゼルとライザに尋ねる。
「あ、報酬の話は少し待ってね」
マーシャがカウンター越しに答えた。
「今、レイバーク君とタカ君の依頼を受け付けてるから」
「あ、そうなんだ! どんな依頼?」
マナが興味津々に尋ねる。
「鉄道の護衛依頼だよ」
タカが元気よく答えた。
「偉い方が列車で旅行するから、その護衛をするんだ」
レイバークが依頼内容を補足する。
「そっか。気をつけろよ」
エゼルが二人に声をかけた。
「ありがとう! それじゃあ、行ってくるね!」
タカが手を振り、レイバークと一緒にギルドを出ていった。
「他の皆は何してるんだ?」
ライザがマーシャに尋ねた。
「パーナさんは魔法学校の臨時講師で、マスターはギルド会合、セイフォン君はノルドマンと魔物退治、アクタス君は闇に帰るって」
「なんだ、闇に帰るって……」
ライザがツッコむ。
「いつものやつか」
エゼルが鼻で笑う。
「パーナさん、魔法学校かー。どんな子がいるんだろう」
マナが興味津々につぶやく。
「最近は優秀な生徒さんが多いって、よく聞くよ!」
「うちにも来てくれたらうれしいね!」
「いや、人気ダントツ最下位のギルドに誰が来たいんだよ」
ライザが呆れたようにツッコむ。
「なんでうちって人気ないのかなー……」
マーシャは肩を落としてため息をついた。
「ギルドがボロいし、酒臭い。強い奴もいなければ、依頼達成率も低い」
ライザが容赦なく言い放つ。
「俺は強いぞ」
エゼルが胸を張る。
「俺の方が強いけどな」
ライザが返す。
「何言ってるんだ。俺に勝ったことないくせに」
「なんだと、てめぇ! 本気出してないだけだ!」
エゼルとライザは互いに睨み合い、再び喧嘩を始めた。
「はいはい、二人ともそこまでね」
マーシャが二人の喧嘩を止める。
「まったく……それで、報酬はどうする?」
「さすが、看板娘さんは働き者だな」
ライザが呆れたようにツッコむ。
「3人で山分けで良いよね?」
マナがエゼルとライザに様子をうかがう。
「あぁ、問題ない」
「俺もいいぜ」
「わかった。次の依頼はどうする?」
マーシャが3人に尋ねた。
「どんな依頼があるの?」
マナがカウンターに身を乗り出した。
「庭の草むしり、畑の野菜収穫、薪割りかな」
「どれもやりがいがない……」
ライザがうなだれる。
「よし、薪割りだな」
エゼルはやる気満々に答える。
「お兄ちゃんは脳筋だもんね」
「いや、薪割りは脳筋じゃないだろ」
「いつも力仕事ばっかりじゃん」
「おい、エゼル! どっちが多く割れるか勝負だ!」
ライザも対抗するように拳を握った。
「あぁ、一人で頑張れ」
「なんでだよ! 俺に負けるのが怖いのか?」
「そこまで! それ以上喧嘩続けると、私も闇に帰るよ」
マーシャが頬をぷくっと膨らませて怒った。
「えっ、マーシャちゃん……」
マナは驚きのあまり、目を丸くした。
――彼らはまだ知らない。
タカとレイバークが受けた鉄道の護衛依頼が、やがて世界を大きく揺るがすことになるとは。
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