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「ゴッドギア」  作者: りゅう
第1章 闇ギルド

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救出作戦

突然現れた国内最強のゴッドホルダー


彼はエバーリンクに何をもたらすのか

「僕はオーデル。この国で一番強いゴッドホルダーだよ」


「な、なんでそんな奴がうちに……」

突然の大物の登場に、ギルドのメンバー全員が驚きを隠せなかった。


「僕が来たのは、君たちを止めるためだよ」


「……邪魔するのか?」

ラルドが警戒した目でオーデルを見つめる。


「それは君たちの方かな」


「どういうことだ?」


オーデルは少し間を置いてから、口を開いた。

「エゼル君だっけ? 彼の処刑は、すぐには行われない」


「早くとも、一週間くらいはあるはずだよ」


「……本当ですか?」

マナの表情がわずかに明るくなった。


「神の力は、ゴッドホルダーが死ぬと、別の人間に受け継がせることができるんだ」

オーデルは淡々と説明を続ける。


「ただし、誰でも受け継げるわけじゃない。神の力が強ければ強いほど、受け継ぐ側にも、その力に耐えうる器が必要になる」


「器…?」

タカが首をかしげる。


「器に力が足りなければ、神の力に耐えきれず暴走することもあるんだ」


「だから、神の力の強さを調べたうえで、その力に耐えられる器を見つけなければならない」


パーナは納得したように頷いた。

「なるほど。それで、あんたたちは何をする気なの?」


「今回は、僕がエゼル君を処刑する」


「……え?」

その場の空気が一変した。


「君たちに邪魔をさせないために、僕はここにいるんだよ」


「何かエゼルを救う方法はないのかよ?」

ライザがオーデルに問いかける。


「ないね」

オーデルは即答した。


「君たちにできることは何もない。大人しくしていれば、命だけは助かるかもしれないよ」

その言葉に、ギルドの空気が張り詰めた。


「そうか、じゃあそこをどいてくれ」

ラルドがオーデルを睨みつける。


「あぁ、無理だ」

――オーデルの背後に急にすさまじい魔力のオーラが立ちこめる。


「な、なんだこの魔力…」

ノルドマンが驚愕する。


「立っていられない……!」

パーナは膝をつく。


他のメンバーも呼吸すらままならない。

目の前にいる男が、まるで別次元の存在に思えた。


その中で、オーデルだけが涼しい顔で立っていた。


「……これが、僕と君たちの差だよ」


「わかったかい? 君たちとは格が違うんだよ」


「それでも、俺たちはエゼルを助ける…」

ライザがオーデルをにらむ。


「そうか、まぁ今日君たちを倒してもギルド抗争でうちもやばいからね」

オーデルは肩をすくめた。


「とにかく、明日からはどこへ逃げても僕がいる。そのことを忘れないでね」

――オーデルは姿を消した。


「マスター……」

タカが泣き出しそうな顔でラルドを見つめる。


「どうやら俺たちは、とんでもない奴に目をつけられたな……」

ラルドは険しい表情で、オーデルが消えた場所を見つめていた。


「さて……どうやってあいつを助けに行くか……」


「あのさ、みんな。僕に考えがあるんだ……」

レイバークは、その場にいる全員を見渡した。


「なんだよ、考えって」

ライザがレイバークを見る。


「まず、処刑の日まで器を探している人間を足止めする」


「おそらく、国王が器を任命するみたいなことを言っていたから、器を探しているのは国の兵士たちだ。だから、それらしい動きをしている奴らを気絶させる」


「これがうまくいけば、器が見つからない。そうなれば、エゼルの処刑も延期されるはずだ」


「もちろん、これだけで処刑を延期できる保証はない。でも、器が見つからなければ、少なくとも時間は稼げるはずだ」

レイバークは一度言葉を切り、続けた。


「次に、エゼルの救出だ」


「ただし、オーデルみたいな強力な敵と戦うことになると思う…」

レイバークは、仲間たちを見渡した。


「なるほど、皆はどう思う」

ラルドが全員の目を見る。


「俺はそれでいいぜ」


「私も」

ライザとマナは即答する。


「他の皆は?」


「僕もやる! エゼルさんを助けたい!」

タカが力強く答える。

他のメンバーも、次々とうなずいた。


「だが、オーデルはどうする…」

セイフォンが険しい表情で見つめる。


「あいつから全力で逃げる!!」


「え、大丈夫か…?」

セイフォンが不安そうに聞き返す。


「まともにやりあっても勝ち目はないから、逃げるのは街の中」


「オーデルはギルド抗争のことを気にしていた。だから、街に被害が出れば、自分たちのギルドにも影響が出るはずだ」


「つまり、街中なら大技を使うのをためらうってことか……」

ラルドが納得したようにつぶやく。


「でも……オーデルだけじゃなく、他のギルドの奴らもいるんだろ……?」

ノルドマンは険しい表情でうつむいた。


オーデル一人でさえ、まともに戦えば勝ち目がない。

それなのに、他のギルドまで敵に回すことになれば、逃げ切れる保証などなかった。


「……本当に、全員で逃げ切れるのか?」

ノルドマンの声には、不安がにじんでいた。


「私……足も速くないし、戦うこともできないから……」

マーシャはぎゅっと拳を握りしめ、顔を伏せた。


「みんなの足を引っ張っちゃう……」

その場に、重苦しい沈黙が流れた。


エゼルを助けたい。

けれど、自分たちが捕まれば、助けるどころか全員が危険にさらされる。


誰もが、その現実を分かっていた。


ラルドは仲間たちを見渡した。

「怖くて当たり前だ。無理して参加する必要はねえ」


「勝てるかどうかじゃねえ。家族を見捨てて生き残るくらいなら、俺は最後まで戦う」

ラルドは覚悟を決めたように言った。


「マスター……。そうだよね。エゼル君だって、一人で怖い思いをしてるかもしれないし……」


マーシャは一度うつむいた後、顔を上げた。

「私も……エゼル君を助けたい!」


「仕方ねぇな……。あいつを一人にしとくわけにもいかねえか」

ノルドマンは小さく息を吐き、拳を握りしめた。


「よし、必要な荷物だけまとめろ。近くの洞窟に移動して、そこで体勢を立て直すぞ!」

ラルドの号令を合図に、エバーリンクのメンバーは一斉に動き出した。


エゼルを救い出すために。


それぞれが不安を抱えながらも、仲間を取り戻すという決意を胸に、奪還作戦への準備を始めた。


――その頃、王都では。


「新たなゴッドホルダーが出現しただと?」

国王が驚きの声を上げた。


「はい、国王様」

臣下が深々と頭を下げた。


「器は見つかっているのか?」


「いいえ。まずは神の力を解明し、その後、力を継承できる器を探すことになります」

臣下は慎重に答えた。


「そうか、処刑は誰が担当するのだ?」


「ロイヤルナイツが一人、ジークガルドのオーデルになります」


「なるほど、奴ならしくじることもあるまい」

国王は満足げに頷いた。


臣下が部屋を出ていった後。


「さて……これから我らの計画も始めようか」

国王は窓の外を眺めながら、不敵な笑みを浮かべた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

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毎週火曜、金曜、日曜に更新しています。

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