エゼルの死
衝撃展開の12話!!
ゾルゲットを倒し、神の力はどうなるのか
そんな最中カルタの街に大洪水が迫る!?
果たして、彼らは町を守り切ることができるのか……?
「おい……さっきから、揺れが激しくねぇか?」
ノルドマンが眉をひそめ、洞窟の奥へと目を向けた。
「皆、戦っているんだよ……」
タカは不安を押し殺すように拳を握りしめ、周囲を警戒する。
その瞬間――。
ゴゴゴゴゴッ!!
地面が大きく揺れ、天井から小石が次々と落ちてきた。
「な、なんだ!?」
ノルドマンが驚いて周囲を見回す。
直後、頭上から轟音が響き、巨大な岩が地面へと叩きつけられた。
「や、やばい! 洞窟が崩壊するぞ!」
レイバークが叫ぶ。
「待て……このままじゃ、大量の水が街の方へ流れ込むぞ……!」
三人の視線の先で、洞窟の奥から不気味な水音が響き始めていた。
「ノルドマン、土魔法で街に水が行かないようにしてくれ!」
「タカは水を別な方向に少しでも流してくれ!」
レイバークの指示に二人はうなずく。
「ガイアン・テッセ!!」
ノルドマンが魔法を発動させる。
地面が大きく盛り上がり、土の壁が滝の周囲を覆うようにせり上がった。押し寄せる水が壁にぶつかり、激しい水しぶきが舞い上がる。
「うぉぉー!」
レイバークは雄叫びを上げると、巨大化した身体で土壁を両手から押さえ込んだ。
凄まじい水圧に、足元の地面が少しずつ削られていく。
「ウォーターショット!」
タカは魔法を発動させた。
両手から放たれた水の波動砲が、街とは反対方向へ向かって勢いよく噴き出す。押し寄せる水の一部がその衝撃に押され、徐々に流れを変えていった。
――しかし、水の勢いは衰えなかった。
「なにっ……!?」
凄まじい水圧に耐えきれず、ノルドマンが作り出した土の壁に亀裂が走る。
次の瞬間――。
土の壁が音を立てて崩れ、大量の水が一気に押し寄せた。
「うわぁぁっ!」
レイバークの巨体が水の勢いに押される。
「レイバーク! 大丈夫か!?」
ノルドマンは叫び、必死にレイバークに駆け寄る。
「そんな……水が街に……」
タカは悔しそうに唇をかんだ。
「くそっ……中にいる皆は無事なのかよ……!」
ノルドマンが焦っている。
――その瞬間。
バシュッン!!
突然、何かが勢いよく飛び出してきた。
「今度はなんだよ!?」
ノルドマンが驚いて振り返る。
「みんなを頼む」
エゼルはノルドマンたちにラルド、アクタス、マナを託した。
「エ、エゼル!?」
レイバークが驚き目を見開く。
「みんな無事か?」
ラルドはノルドマンたちの姿を確認し、心配そうに声をかけた。
「俺たちは何とか無事だ。それより中で何があったんだ…」
「俺にもよくわからん。とにかく今のエゼルは強い」
ラルドは険しい表情で、エゼルの姿を見つめた。
その頃、エゼルは空中から水の流れを見ていた。
「ブレイクヴァイン!!」
エゼルは拳を振りかぶり、そのまま地面へと叩きつけた。
轟音が鳴り響き、凄まじい衝撃が大地を駆け抜ける。
次の瞬間、森のふもとから街へと続く地面が大きくえぐり取られた。
押し寄せていた大量の水は、街へ向かう流れを変え、深くくぼんだ地面へと勢いよく流れ込んでいく。
「な、なんて威力だよ……。森のふもとから街まで、5キロはあるぞ……」
レイバークは目の前の光景を信じられないといった様子で見つめた。
「ふもとから街までの地面を、丸ごとえぐるなんて……」
タカも言葉を失った。
その場にいた全員が、エゼルの放った一撃に驚愕していた。
エゼルは皆のもとへ戻ると、そのまま力なく倒れ込んだ。
「おい、エゼル! しっかりしろ!」
ノルドマンが慌てて駆け寄る。
しかし、エゼルは返事をすることなく、地面に横たわったままだった。
「くそっ……! とにかく、魔法局の救護班が来るのを待とう!」
ノルドマンが焦りをにじませながら叫ぶ。
「それまで、みんなの応急処置をするんだ!」
タカ、レイバークはうなずき、それぞれ負傷した仲間のもとへ駆け寄った。
――数時間後。
「エゼルさん以外のメンバーは、全員一命を取りとめました。ただエゼルさんはまだ意識不明です。」
救護班の一人が、険しい表情で告げた。
「そうか……」
その場にいた者たちは、ひとまず安堵したものの、エゼルの容体を心配していた。
「ところで、ギルドマスターは?」
魔法局の男が一同を見回した。
「あぁ、俺だ」
「君たちから詳しい状況を聞いたうえで、今回の件を処理する。まずは、何が起きたのか説明してください」
ラルドたちは、洞窟の崩壊から街を守るために行動したこと、そしてエゼルが圧倒的な力で水の流れを変えたことまで、今回の出来事を事細かに説明した。
話を聞き終えた男は、静かにうなずいた。
「そうか、わかった」
一瞬の沈黙。
「では、これより判決を言い渡す」
「……判決?」
ラルドたちは、突然の言葉に戸惑った。
「エバーリンクは、明日より闇ギルドとする」
「なっ……!?」
一同に動揺が走る。
男は表情ひとつ変えず、さらに告げた。
「そして、エゼル……彼は死刑だ」
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