第二話 次のヒットを偶然にしない仕組み
午後三時。
役員会議室の前で、俺は死んだ顔をしていた。
いや、一回死んでいるのかもしれないので、この表現は正確ではない。
正確に言うなら、若い女の身体で平成十三年の出版社役員会に突っ込まれる、元転売厨の顔をしていた。
鏡で見た篠宮玲子の顔は、整っている。
冷たい。
賢そう。
感情がなさそう。
人を数字で刺しそう。
問題は、中身が俺であることだった。
Amazonの出品管理画面と、ゆうパックの止まった追跡番号に人生を削られていた男である。
社会的信用は薄い。
睡眠時間も薄い。
倫理観は、もっと薄い。
そんな俺が、角川書店の社長秘書として、役員会で改革案を話す。
無理だろ。
「篠宮君」
隣に立つ社長が言った。
「はい」
返事は冷静だった。
腹の中では、普通に吐きそうだった。
「緊張しているのか」
「していません」
嘘だった。
「手が震えている」
「寒いだけです」
「⋯⋯五月だぞ?」
「空調が効きすぎています」
社長は少し笑った。
この人、たぶん分かっていて聞いている。
嫌な上司だ。
ただ、悪い上司ではない。
「篠宮君」
「はい」
「今日は、全員が君を軽く見る」
「承知しております」
「怒る者もいる」
「想定内です」
「潰しに来る者もいる」
「……想定内です」
本当は想定外だった。
転生初日に社内政治は重すぎる。
だが、篠宮玲子の口は勝手に動く。
この女は、たぶん強い。
問題は、中身が俺であることだけだ。
「なら、数字で話せ」
社長は扉に手をかけた。
「感情で殴るな。数字で刺せ」
やめろ。
ちょっと格好いいことを言うな。
逃げづらくなる。
扉が開いた。
*
役員会議室には、紙の匂いがした。
煙草。
コーヒー。
古い革椅子。
整髪料。
そして、面倒な大人たちの気配。
長い机の左右に、役員たちが並んでいた。
編集。
営業。
経理。
宣伝。
映像。
雑誌。
文庫。
全員、俺より年上。
全員、俺より偉い。
全員、篠宮玲子を「社長の横にいる女」として見ている。
改革案を出す人間としては見ていない。
まあ、そうだろう。
俺だって、いきなり社長秘書が「出版を在庫産業から権利運用産業へ」などと言い出したら、距離を置く。
怖いから。
「では始めよう」
社長が席についた。
「本日の議題は、メディアミックス推進案の再検討だ」
編集担当らしき役員が、紙をめくりながら頷いた。
「前回の案をもとに、各部門で調整を進めております」
「その前に、篠宮君から説明してもらう」
空気が止まった。
紙をめくる音が消えた。
視線が一斉にこちらへ向く。
やめろ。
全員で見るな。
中身は今朝まで六畳ワンルームの段ボールの隙間で寝ていた男なんだぞ。
「篠宮君が?」
経理担当役員が、露骨に眉をひそめた。
「社長室の秘書が、事業計画を?」
そう思うよな。
俺もそう思う。
だが、篠宮玲子の顔は便利だった。
無表情で立ち上がるだけで、なぜかそれらしく見える。
「社長室の篠宮です」
俺は資料を配った。
手は震えていない。
たぶん。
「本日は、現行のメディアミックス推進案に不足している観点について、ご説明します」
「不足?」
編集担当役員が言った。
「ずいぶん大きく出るね」
「はい」
俺は頷いた。
「大きく不足しています」
会議室の温度が下がった。
まずい。
篠宮玲子の声で淡々と言うと、ただの嫌味になる。
しかし、もう始めてしまった。
引き返すには遅い。
「結論から申し上げます」
俺は一枚目の資料をめくった。
「当社は、すでに強い作品を複数持っています。問題は、強い作品を持っていることに安心し、その強さを再現する仕組みを持っていないことです」
誰かが鼻で笑った。
「作品のヒットを仕組みで作れるなら、誰も苦労しない」
「はい」
俺は即答した。
「ですから、苦労しましょう」
沈黙。
しまった。
今のは少し煽りすぎた。
だが、社長だけが小さく笑っている。
味方なのか敵なのか分からない。
「まず、過去の成功例です」
俺は資料に並べた作品名を指で押さえた。
「ロードス島戦記。スレイヤーズ。新世紀エヴァンゲリオン」
会議室の空気が、少しだけ変わった。
この名前には重みがある。
出版だけではない。
アニメ。
ゲーム。
雑誌。
コミックス。
文庫。
ファンの熱。
この会社がすでに持っている武器だ。
同時に、俺にとっても、ただの商品名ではなかった。
小学生の頃、友達の兄貴の部屋にあった古い文庫。
中古ショップの棚で、背表紙だけ妙に焼けていたファンタジー。
ネットで高騰した限定版。
深夜に再放送を見て、そのまま朝まで考察サイトを巡った作品。
俺はそれらを、何度も値札として見た。
相場として見た。
在庫として見た。
利益率として見た。
けれど最初から、そうだったわけではない。
最初は、ただ面白かった。
たぶん、誰にとってもそうだったはずだ。
作品は、最初から商材として生まれるわけじゃない。
誰かの夜を少しだけ延ばすために生まれる。
誰かの明日を少しだけマシにするために、ページの中で息をしている。
「これらは、すべて強い作品です」
俺は言った。
「ですが、強かった理由が、作品単位で十分に記録されていません」
「記録ならある」
雑誌担当役員が言った。
「売上資料も、広告資料も、アニメ化の資料もある」
「あります」
俺は頷いた。
「ですが、つながっていません」
俺は赤ペンで資料の余白に線を引いた。
「ロードスは歴史です。スレイヤーズは奇跡です。エヴァは例外です」
会議室に、また沈黙が落ちた。
「ですが、会社に必要なのは、歴史でも、奇跡でも、例外でもありません」
俺は顔を上げた。
「次のヒットを、偶然にしない仕組みです」
言葉にした瞬間、胸の奥が少しだけ痛んだ。
未来の俺は、偶然の取りこぼしで飯を食っていた。
公式が読み違えた需要。
足りなかった初版。
間に合わなかった再販。
届かなかった特典。
買えなかった読者の焦り。
そこに値段をつけた。
そういう生き方をしていた。
だからこそ、知っている。
欲しいものが買えない悔しさは、熱の裏返しだ。
怒っている読者は、最初から敵だったわけじゃない。
欲しかったのだ。
ただ、それだけだったのだ。
「具体的には?」
営業担当役員が言った。
食いついた。
俺は資料を二枚目に進める。
「作品別統合台帳を作ります」
「また台帳か」
誰かが呟いた。
聞こえているぞ。
だが無視する。
「作品ごとに、初版部数、実売、返品、重版時期、広告費、フェア展開、映像化権、ゲーム化権、グッズ化、契約期限、担当者、読者反応を紐づけます」
「読者反応とは?」
「読者アンケート、書店の予約動向、雑誌掲載時の反響、ファンサイト、掲示板、イベントでの反応です」
「掲示板?」
宣伝担当役員が怪訝な顔をした。
「そんなものまで見るのかね」
「見ます」
俺は言った。
「読者の熱は、会社が見ていない場所にも発生します」
未来を知っているから分かる。
公式が黙っている間に、ファンがまとめる。
公式が迷っている間に、非公式市場が値段を決める。
公式が見ていないところで、熱狂も失望も広がっていく。
二〇〇一年の彼らには、まだ実感がない。
だが、芽はある。
掲示板。
個人サイト。
同人イベント。
書店POP。
ファンレター。
雑誌の読者投稿。
速度が遅いだけで、熱はすでにある。
「測っていない需要を、存在しないものとして扱わないでください」
俺は言った。
声が、少し熱を持つ。
「欲しい人がいるのに、棚にない。話題になっているのに、増刷が遅い。映像化で読者が増えたのに、既刊がそろっていない。そういう状態は、売れなかったのではありません」
一度、言葉を切る。
会議室の向こうに、知らない誰かの顔が見えた気がした。
発売日に書店を回って、見つからなくて、諦めた誰か。
予約できずに、画面の前で更新を続けた誰か。
転売価格を見て、黙ってタブを閉じた誰か。
「売る準備が、できていなかっただけです」
営業担当役員が、わずかに頷いた。
編集担当役員は渋い顔のままだ。
対立が見える。
編集は作品を守りたい。
営業は機会を逃したくない。
経理は在庫を持ちたくない。
宣伝は予算が足りない。
映像はタイミングを合わせたい。
全員、その立場では正しい。
だから厄介なのだ。
悪人がいれば楽なのに。
この部屋にいる人間たちは、たぶん全員、この会社の作品が好きなのだ。
好きだから慎重になる。
好きだから守ろうとする。
好きだから、失敗を恐れる。
それでも、届かなければ意味がない。
作品は、読者に届いて初めて作品になる。
「では、今ある作品で何を見る」
社長が言った。
来た。
ここだ。
俺は資料の三枚目を開いた。
「まず、フルメタル・パニック!です」
富士見ファンタジア文庫。
学園。
ミリタリー。
ロボット。
ラブコメ。
混ざりすぎている。
だが、混ざっているからこそ強い。
「この作品は、文庫だけで見るべきではありません」
俺は言った。
「アニメ化、模型、関連書籍、雑誌連動、読者層の拡張まで含めて管理すべきです」
「ずいぶん買っているな」
文庫担当役員が言った。
「好きなのかね」
「観測対象として優秀です」
好きとは言っていない。
言っていないが、たぶん好きだ。
未来で俺は、何度もそうやって誤魔化してきた。
好きな作品を、好きだと言わずに、相場で語った。
面白かった記憶を、利益率で上書きした。
そうしていれば、自分が何を売っているのか考えなくて済んだからだ。
「次に、ケロロ軍曹」
何人かが首を傾げた。
空気が変わる。
分かる。
この時点では、まだ“変なカエル漫画”に見えているのだろう。
だが俺は知っている。
これは伸びる。
漫画だけでは終わらない。
アニメ。
玩具。
子ども。
親。
映画。
キャラクター商品。
見えている層を間違えると、取り逃がす。
「これは、読者層を狭く見ないでください」
俺は言った。
「今の読者だけで判断すると、展開を誤ります。児童、ファミリー、キャラクター商品まで広がる可能性があります」
「カエルだぞ」
誰かが言った。
「はい」
俺は頷いた。
「カエルです」
会議室に微妙な空気が流れた。
「ですが、売れるカエルです」
誰かが咳き込んだ。
社長が肩を震わせている。
笑うな。
こっちは真面目だ。
「そして、もうひとつ」
俺は資料をめくった。
「ゲーム、アニメ、出版を同時に走らせる企画があるなら、必ず作品別統合管理の対象にしてください」
映像担当役員の表情が動いた。
ある。
何かある。
まだ表に出ていない企画。
ゲームとアニメと出版を同時に走らせるような、面倒で、危険で、成功すれば大きい企画。
俺は断定しない。
未来を知っているとは言えない。
だから、一般論として刺す。
「同時展開型の企画は、成功すれば大きい。一方で、失敗したときに原因が見えにくい。どの媒体が牽引したのか、どこで失速したのか、何が読者を増やし、何が離脱させたのか」
俺は赤ペンで大きく書いた。
> 属人運用禁止
「担当者の腕で乗り切るべきではありません。会社の仕組みで支えるべきです」
映像担当役員は黙った。
完全に当たった顔だった。
よし。
いや、よくない。
当てすぎると怪しまれる。
俺は一度、資料を閉じた。
「改革案は三段階です」
声を落とす。
熱を引っ込める。
篠宮玲子に戻る。
「第一段階。過去の成功例を作品単位で棚卸しします。ロードス、スレイヤーズ、エヴァ。何がどこで売れ、どの媒体が熱を増幅し、どこで取り逃がしたのか」
「第二段階。現在進行中の作品を観測対象にします。フルメタル・パニック!、ケロロ軍曹、その他アニメ化候補。初版、重版、予約、書店反応、雑誌反響を毎月追います」
「第三段階。新規大型企画は、最初から統合台帳に乗せます。ゲーム、アニメ、出版、グッズ、宣伝を別々に走らせない」
俺は役員たちを見渡した。
「角川は、すでに弾を持っています」
言葉を切る。
「問題は、弾倉を管理していないことです」
会議室が静かになった。
決まった。
そう思った瞬間、経理担当役員が口を開いた。
「理屈は分かった」
低い声だった。
「だが、誰がやる?」
来た。
現実。
「編集者は忙しい。営業も忙しい。宣伝も映像も人が足りない。新しい台帳を作る? 毎月追う? 誰が入力し、誰が確認し、誰が責任を持つ?」
正論だった。
ものすごく正論だった。
改革案は、だいたいここで死ぬ。
誰がやるのか。
金はあるのか。
効果はあるのか。
現場が回るのか。
未来でも同じだ。
システムを入れましょう。
データを取りましょう。
見える化しましょう。
そして誰も入力しない。
終わり。
俺は知っている。
だからこそ、答えは用意していた。
「最初から全社ではやりません」
俺は言った。
「三作品に絞ります」
「三作品?」
「はい。過去の成功例を一つ。現在進行中を一つ。今後の大型企画を一つ」
社長が目を細めた。
「試験運用か」
「はい」
俺は頷いた。
「最初の目的は利益を増やすことではありません。見えていない損失を見えるようにすることです」
「また損失か」
「はい」
俺は経理担当役員を見た。
「改革とは、最初に利益を増やす行為ではありません。最初に言い訳を減らす行為です」
言った瞬間、自分でも思った。
これは嫌われる。
絶対に嫌われる。
だが、会議室は黙った。
誰かが反論しようとして、やめた。
刺さった。
たぶん、刺さってしまった。
社長がゆっくりと口を開いた。
「篠宮君」
「はい」
「君がやれ」
終わった。
やっぱりそうなる。
「社長室直轄で、試験運用案をまとめろ。対象作品は各部門と調整。来月の役員会で中間報告」
来月。
役員会。
中間報告。
単語の圧が強い。
俺は中身が転売厨なんだぞ。
大企業の社内改革プロジェクト責任者ではない。
しかも女体化初日だ。
せめて一日くれ。
いや、一週間くれ。
あと、この身体の生活情報を確認させてくれ。
家どこだよ。
家族いるのかよ。
恋人とかいたらどうするんだよ。
通帳は。
携帯は。
化粧の落とし方は。
問題が多すぎる。
だが、篠宮玲子の身体は立ち上がっていた。
背筋を伸ばし、資料を胸に抱え、冷たい声で言う。
「承知いたしました」
承知するな。
何回目だ。
「では、各部門は篠宮君に協力するように」
社長の一言で、会議は終わった。
いや、終わったのは会議ではない。
俺の平穏だった。
*
役員会議室を出た瞬間、足から力が抜けた。
壁に手をつく。
ヒールが怖い。
廊下が長い。
身体が軽いのに、情報が重すぎる。
「篠宮さん」
声をかけてきたのは、営業局の三浦だった。
さっき資料を持ってきた若手社員だ。
「すごかったですね」
「何がですか」
「いや、全部です」
「具体性に欠けます」
「あ、すみません」
三浦は苦笑した。
この人、たぶん悪い人ではない。
そして、現場に近い。
使える。
いや、人を使えるとか考えるな。
転売厨の悪い癖だ。
「三浦さん」
「はい」
「書店別の消化率と追加注文の記録、三年分ありますか」
「三年分ですか?」
「可能なら五年分」
「鬼ですか」
「秘書です」
「秘書ってそういう仕事でしたっけ」
「今日から増えました」
三浦は少し困った顔をしたあと、なぜか笑った。
「分かりました。探します」
「ありがとうございます」
「いえ。なんか、面白くなりそうなので」
面白くない。
俺は全然面白くない。
だが、三浦のその顔を見て、少しだけ分かった。
若手は飢えている。
上が決めたことを回すだけではない、何かが変わる気配に。
現場には、たぶん不満がある。
作品が届かないことへの不満。
部門間で話が通じないことへの不満。
数字があるのに使われないことへの不満。
そして、たぶん。
自分たちの好きな作品が、社内の都合で小さく扱われることへの不満。
「篠宮さん」
三浦が言った。
「さっきの、ケロロ軍曹の話、本気ですか」
「本気です」
「カエルですよ」
「カエルです」
「売れますかね」
「売れます」
言い切ってから、少しだけ口を閉じる。
未来知識を断言しすぎるな。
「……売れる可能性を、狭く見ない方がいい作品です」
「なるほど」
三浦は頷いた。
「じゃあ、フルメタは?」
「文庫だけで終わらせると損です」
「エヴァは?」
「例外です」
「スレイヤーズは?」
「奇跡です」
「ロードスは?」
「歴史です」
三浦は吹き出した。
「篠宮さん、意外と面白いですね」
「褒めていませんね」
「褒めてます」
「でしたら、判断を保留します」
そう言ってから、俺は気づいた。
少しだけ、自然に返せている。
篠宮玲子という女の口調に、俺が馴染み始めている。
怖い。
だが、今はそれどころではない。
俺にはやることがある。
この身体の家を調べる。
この時代の角川書店の組織を調べる。
対象作品を選ぶ。
台帳の項目を作る。
各部門から資料を奪う。
社長に中間報告する。
そして何より。
この時代のAmazonを、まだ「外資の変な本屋」として見ている連中に、いつか分からせなければならない。
あれは本屋で終わらない。
公式が需要を観測しなければ、公式の外で市場が育つ。
そして市場は、優しくない。
廊下の窓から、二〇〇一年の東京が見えた。
まだスマートフォンのない街。
まだSNS炎上のない街。
まだ動画配信に時間を奪われていない街。
まだ、書店の棚が文化の入口だった時代。
この街の本屋には、まだ未来の読者がいる。
部活帰りに文庫を一冊だけ買う中学生。
給料日前に新刊を諦める会社員。
アニメを見て、原作を探しに来る誰か。
棚の前で、知らない物語と初めて目が合う誰か。
その誰かに届かなかった作品を、俺は未来で高く売っていた。
最低だ。
でも、最低だったからこそ分かる。
届かなかった作品には、届くべき相手がいた。
「……やるしかないか」
小さく呟いた声は、冷たく整った女の声だった。
だが、その奥にある諦めの悪さだけは、間違いなく俺のものだった。
その日の夕方。
社長室の机に、俺は最初の試験運用案を書き始めた。
◯作品別統合管理試験運用案
対象候補
一つ、過去成功例
二つ、現在進行作品
三つ、次世代複合企画
そして最後に、赤ペンで一行を足す。
◎次のヒットを、偶然にしない。
書き終えたところで、俺はペンを置いた。
紙の上の文字が、少しだけ滲んで見えた。
泣いているわけではない。
たぶん、疲れているだけだ。
篠宮玲子の身体も、俺の精神も、今日一日で酷使されすぎている。
そういうことにしておく。
「いや、まず家どこだよ……」
その問題に気づいたのは、定時を過ぎてからだった。
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