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VERTEX 4  作者: 銀乃矢
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19/23

第18話「大混乱」

ついに始まる、チャンピオンをかけた最終戦。


あの時の、永野のレース人生をかけた時とはまた違う緊張感が襲いかかる。


「ふーっ…大丈夫…大丈夫。」

すでにマシンに乗り込み、2位のグリッドから1コーナーを眺め、スタートしてすぐに永野の前に出ることをイメージしていた。



そして、1番のグリッドに止まっている永野のマシン。

「…頼むぞ。」

マシンのノーズコーンを触りながら今日の勝利を祈る。



スタート5分前。

マシンに乗っていなかったドライバーたちが乗り込む。


『よし、松下。まずは、第一にクルマを壊さずに走り切ること。いいな?』

「…了解。」





『いいな、永野、マシンだけは壊すなよ。松下は…まぁ、頑張れ。』

「…」返答はしない。うなずくだけ。

極限まで集中力を高める。



スタート3分前。

エンジン始動担当のスタッフ以外はみんなピットに戻っていく。


そして、メカニックたちがエンジン始動させる。

全車のエンジンに火が入る。


スタート1分前。

全スタッフが戻っていく。

完全に1人になった。


松下からは嫌でも永野の姿が見えていた。

「大丈夫。大丈夫。1コーナーで先行すればいいだけさ。」



フォーメーションラップが終わり、ホームストレートに再び、マシンが集結する。



レッドシグナルが一つずつ灯っていく。


瞬きを止め、シグナルに集中する。


5つすべてのレッドシグナルが灯った時、ふと、時が止まる。



シグナルが消える。


全車一斉にスタート。


チャンピオンを狙う2位スタートの松下はスタートダッシュに成功。

一方、永野はチャンピオンをかけたスタートに気負ってしまった。



2台の後ろでは大混乱。

エンジンストールした1台のマシンにさらに後続のマシンが激突。

それを避けようとしたマシンたちがさらに接触し、合計5台が絡む多重クラッシュに発展した。


『後続で多重クラッシュ発生!セーフティーカーが出動になる!』

「了解」


このクラッシュでDAMSの2台、PREMAの1台がリタイアとなった。


また、Invicta Racingの2台も接触に巻き込まれ、マシンの一部を破損。その修復のため、順位を大きく下げることになった。


・Invicta Racing、DAMS、PREMAの3チームのポイントランキングを上回ること

一番最初に出されたこの条件は実質達成されたといえる。


多重クラッシュの処理のため、赤旗中断の後、レースは再開。


レースは終盤戦へ。








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