表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VERTEX 4  作者: 銀乃矢
PR
18/23

第17話「限界」

「もう少し、もう少しだけサスペンション硬くできない?」

「うーん、もうこれ以上硬くしちゃうと路面のちょっとのギャップ(凸凹)でクルマが跳ねまくるよ?」

「でも、もう少しオーバーステア傾向なセッティングにしたいの!」


「さすがにこれ以上は…」

2人でマシンを見ながら考え込む。


「どうした?お前ら、そんなに悩んで」

「あ、モントーヤさん、お疲れ様です」

「実は、今もう少しオーバーステアのセッティングにしたいんですけど、その方法が思いつかなくて。」

「これ以上サスペンションを硬くしてしまうと挙動がピーキーなものになってしまう可能性があるんです。」


「じゃあ、フロントウイングを立てて、リアのアンチロールバーを硬くしなさい。そうすれば多分松下の考えている挙動になるはずだ。」

「…!アンチロールバー!すっかり忘れてた!ありがとうございます!」

「これで…」

松下は明日、自分が表彰台の一番高いところに立っていることがイメージできていた。



一方、負けじと永野もセッティングを固めていた。

「ヒロくんに勝つには、ストレートが勝負のつけどころ。もちろんコーナーも走りやすく、でもストレートでの勝負がしやすく…」

「じゃあ、このくらいの調整でどうだ?俺が計算してみたんだが。」

そこにはタブレッドのメモ機能に計算式が並んでいた。


「この数字だったら、シュンが望むセッティングに近くなると思う。」

「サンキュー、ノア。お前の分も勝ってくるわ」

「いやいや、俺も諦めてないから!俺も優勝目指すよ!?」

「あ、そうだったの。」

「もちろん。勝つぞ、シュン。」

「あぁ。」


ART Grand Prixの2人も松下を超えることを決めた。



そして、予選が始まる。

その内容は世界中のファンが予想した通りだった。


松下が最速のタイムを記録すればそれを永野とノアが塗り替える。そんな接戦のタイム合戦が繰り広げられいていた。


「俺のポジションは?」

『ずっと気にしてるな…松下、お前の順位は今3位だ。永野が1位、ノアが2位だ。』


FIA F2ではポールポジションにはポイントが加算されるのだ。

加算されるのはわずか2ポイントだが、今となってはその2ポイントも必要なのだ。

とにかく、とにかく永野との差を…


限界までアクセルを踏み、ブレーキを踏むタイミングを変える。

松下、永野、ノアの3人の走りは異次元と言ってもいいほど攻めていた。



最後のタイム計測、松下がゴールラインを通過する。

『2位、2位だ。ただ、すごいことが起きたぞ…』

「何?1位がトラックリミット違反でタイム削除?」

『いや…お前と永野、タイムが1000分の1秒まで同タイムだ!』

「まぢで!?」

『あぁ、ただ、今回は永野が先に記録していたから彼に優先権が行く。』

「了解。」


たまげた。1000分の1秒まで同タイムとは…

F1では何度かあったが、そのタイムの記録者になると…特別感がある。


今シーズンを締めくくる最終戦、F2という、F1のサポートレースでありながら、今回のレースはF1に並ぶ注目を浴びていた。


翌日、ついにチャンピオンをかけたバトルの幕が上がる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ