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広がりゆく世界へようこそ!

唐突だが見知らぬ天井の下、目を開けた時から

あっという間に4年が経った。


最初の1年目はただただ周りを観察しながら

身近な目に付くものを覚えたり、聞いたりして

今後の新しい人生の過ごし方や

家の商売についてなど色々考えていた。


まず大前提として商売。


とりあえず我が家は商売をしていて

使用人もいて俺が商売をするための下地は

既に出来上がっていると言っていいだろう。

神サマも俺に勇者?だかのパトロンになり

魔王討伐の手助けをしろと言っていた事だしな。

どうやって出会うのか、いつ出会うのか、

どうやってパトロンになるのか。

疑問に思うことは多々あるが…

まぁ生まれた家がそこそこの商家って時点で

神サマとやらの意思でそうなってるのだろう。

そう思えばそのうち出会う事になるし

ほっといてもとりあえず問題は無さそうだ。

まぁ俺がもうちょい成長して本気を出せれば

こっちから見つけてやるけどな!

首洗って待っとけ勇者!!


次に魔法だ。


この世界には魔法があるらしい。

というか母親が使っているのを目の前で見た。

一般的な呪文を詠唱して魔法陣が現れ

光が舞って何かが起きる。

なんて事はなくおまじないを呟いたら

おまじないの種類によって現象が起きるといった

かなーり地味な魔法を使っていた。

暖炉の火種を起こしたり、

風を起こして空気を入れ替えたり、

ちょっとした汚れを落としたり、

とそんな感じだった。

まぁ確かに便利だとは思うが

もっと派手な方が良かったと思う事は

仕方がないと思う。

と言っても家の中で使う魔法だ。

派手で威力のあるものを使うわけがない

むしろ今後の楽しみだと思っているくらいだ。

是非とも魔法は使ってみたい。


そして人種だ。


この世界にはたくさんの人種や精霊、妖精

悪魔や亜人、モンスターに動物と

多種多様な生物が暮らしているらしい。

商売相手などがたまに家に来る時があるのだが

見た中でもおそらくだが

ドワーフ(髭のもじゃもじゃな小柄なおっさん)

エルフ(耳が違っていて長くやはり美男美女だった)

キャットピープル(猫耳尻尾アリで小柄)

ウルフピープル(犬耳尻尾フサフサで細マッチョ)

カウピープル(牛の角に筋骨隆々大柄マッチョ)等

○○ピープル系(動物の亜人?獣人って感じだ)

他にも色々見かけたが

よくわからん奴らも多かった。要勉強である。


更には語学。


こればかりはどうにもならないかと思ったが

神サマが何かしたのだろう。

言葉の意味などスラスラ理解できるようになった

舌が回らないので言葉は出てこないが

まだ1歳になる前だ。焦る必要は全くないどころか

むしろ側からみたら気持ち悪いレベルだろう。

中身はおっさんみたいなもんだ仕方ない。

異世界転生はチートだって話だが

俺も例に漏れずチーターらしい。

ありがたい事だ。他にも何かしらありそうだが

今の所特に思い当たる節はないな。

まぁ生まれてまだ1年だわかる訳がない。


あとは成長に関してか


1歳を迎える前に立って歩く程度の事は

出来るようになった。ハイハイは屈辱だ。

かと言って基本誰かしらが側にいるため

筋トレするわけにもいかないだろう。

筋トレする赤ん坊とか俺なら近づかない。

ともあれ歩けるようになった事で

移動範囲が広がった事は喜ぶべきだ。

庭にも出るしちょっとした散歩で

家の外に出る事も増えた。

言葉に関しては自重している。

俺には子供はいなかったが親戚の子供は

ロクに喋れなかったはずだ。

いい歳して「あー」だ「だー」だ「チャーン」

などと言ってはいられない。


そんなこんなで2歳になった。

遂に単語解禁だ。周りは意思疎通できるので

小躍りして喜んでいる。

移動も出来るし走れる。ジャンプも出来るし

手も使いやすくなってきた。

ちょっと早い気もするがそろそろエンジンを

かける頃だろうか。自重したってしゃーなし。

神童とか言われようが元々神サマに

この世界に送り込まれたんだ気にしない事にする


大前提の商売に関して


これは父親について歩くようにしていたら

案外あっさりと連れて歩いてくれるようになった

流石に帳簿や商談を見る事は出来なかったが。

それでも商会を運営しているようで

様々な大量の荷物が行き来する様を見たり

扱っている物を見たりした。

その扱う品は多岐に渡っている。

日用品、食品、衣類など生活用品は当然

武器や防具といった武具もちょぼちょぼ

薬草や薬品(ポーションなど不思議飲料含む)や

鉱石、宝石の類もたまに見かけた。

とにかく数が多い。これはやりがいあるな!

俺、なんもしなくていいんじゃね?

とか思わなくもなかったがそれだと目立たん。

せっかく中身だけは大人の精神なんだ。

やれる事はやって神童の名を欲しいままにしたる

そんな感じで仕事ぶりを見ながら改善点や

改良点を考えながら父親にやる気を見せる。

やる気といっても興味がありますって体だ。


次に魔法


これは相変わらず地味魔法ばかり目にする。

まぁ移動範囲は広がったが

派手魔法(あるかは不明)を使う場所には

まだ行けないから仕方がないな。

だが移動範囲が広がった事で

他の魔法を見る機会は増えた。

例をいくつか挙げると…

重さを測る魔法(秤いらずで便利だが不正不可)

数を数える魔法(鯖を読めない不可不可)

真贋を確かめる魔法(捺印が正しいかなどわかる)

声を大きくする魔法(声がよく通るようになる)

などはよく使われていた。

相変わらず呪文はよくわからないが

何か唱えてるので早めに教えて貰いたいものだ。

便利なのは間違いない。

ちなみに俺を紹介された人達は

神の加護持ちという事で驚いている。

俺自身がどんな加護持ってるか

完全に把握してないのに

なんで他人がわかるんだよ…。

この世界の常識を身につけるのは急務だ。


他には……


あ、モンスターを見かけた。

といっても野放しのではない。

ペットとして飼いならされたものや

比較的大人しい種類のモンスターだ。

馬やロバ的な何かや犬猫のような可愛い感じの

ものまで様々だ。

欲しそうに見ていたら

もうちょっと大きくなったら

買ってくれるらしい。

今から楽しみで仕方ない。


あと家の書斎を見る機会があった。

まぁ侵入したわけだがな!

やはり本自体は高価らしく

すぐ出されてしまったがよくある異世界モノより

本の数は多かったと思う。

あの辺りもやはり早く読みたいが

文字の習得も急務になりそうだ。


そうして3歳を迎えた。


もう喋れる!

文字は流石にまだ厳しいが

簡単な文字は覚えてきた。

看板程度なら読める。俺の頭は良いと思うきっと

さて喋れるようになってどうなったか。

まず魔法を教えて貰いました。

そりゃそうだろう!例え地味魔法だとしても

前世にはなかったんだ。やりたいさ!

火を使うといった危ないものは教えてくれないが

それでも風を起こすや水を呼び出すなど

色々教えてもらった。


「ラシッド凄いわ!こんなにすぐ魔法が扱えるようになるなんて!あなた、この子は天才よ!」


「確かにラシッドは凄いなぁ、呪文を言えれば出来るって訳じゃないのに天性のものを持っているんだろう。」


「そんなに凄い事なのですか?父さま、母さま」


「あぁ、基本この手の魔法はある程度大人になってからじゃないと発動出来ないんだよ。ある程度なぜそうした事が起きるのかを理解しないと発動する事が出来ないからね。本能で理解出来てるとしか思えないが……3歳の我が子とは思えないな。やはり神様の加護を受けているからか…。」


誰だこいつと思った奴は会社の社長室に来て貰う

本音と建て前は使い分けるのが大人だ。

3歳児としては堅苦しいかもしれないが

賢く見せるのも今後のため。

親の老後に憂いを残すのはお互いにマイナスだ。


そしてついに来た神サマの加護!

ここは素直に聞くが早い。


「神サマの加護とはなんでしょうか?僕の髪や目の色は父さまや母さまと違って赤いのですがそういったことでしょうか?」


「そうね、髪や瞳の色が違うって事自体はたまにあるわ。けど純粋な人族の親から産まれる事は稀なの。それでね?神様の加護っていうのは一概にこれという特別な力を授かれるって訳じゃないの。例えば「人より力が強い」や「人より足が速い」といった体を強くする加護を授かる人もいれば、「遠くまで見通せる視力」だったり「小さな音も聞き逃さない」のようなものを感じ取る事を得意になる加護もあるわ。」


両親共に色々教えてくれたが

とりあえず数が多い。

自身の加護がどんなものか今の所実感はないが

そのうちわかってくるだろうとのこと。

どんな加護を受けてるのか判るのが楽しみだ。


そして商売に関して。


「色々な物を見ているのはとても面白いですね!もっと色々教えて下さい!父さま!!」


なんて言ったら満面の笑みで

簡単に職場についていけるようになった。

1教えてもらったら10とは言わなくとも

5〜8程度は前世の記憶で想像がつく為

親や周りの人間から見れば

理解力がとんでもない子供だと思われている。

その為改良出来ると思った事を

「あれー?」とか言いながら

言えば改良してもらえるところまで来た。

よしよし、順調順調。と内心思いながら

無邪気に振る舞い職場に顔を出している。


そしてついに!


ペットを買ってもらった!!

しかし買ってもらったのは何かの卵。

そこからかよ!!とか思ったが

どうも卵から孵化させて一緒に生活すると

よく懐き共に歩んでいけるそうだ。

誰に聞いても何の卵か教えてもらえず

職場に行くことよりも何よりも

先にこの卵を孵すことにした。

大きさはダチョウの卵くらいあり

色は白いが…光が当たると七色に見える。

まさか哺乳類が生まれる事は無いだろうから

爬虫類か鳥類とかだと思いたい。

個人的には鳥類は好みの問題で大歓迎だ。

半年ほどで産まれるらしく

その間職場に顔を出せないのはキツいが

どうせならよく懐いて貰いたいし

我慢して卵に張り付く所存だ。


そんなこんなで4歳になる頃卵が孵り

取り巻く環境に変化が訪れるのだった。









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