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27.ハッカー君*アリス&九条*

 ***




 昨日と今日はいつも以上にハードになった。今までの監視の映像処理に加え、彼の情報を集めないといけない。追跡する人も場所もグンと増えた。そのおかげで彼の状況や力の事もある程度わかった。後は彼の意志だろう。彼のその後の行動で予想はできているんだけど……。




 私はパソコンの電源を入れた。さあ、九条君あなたはその部屋を出るの?

 画面が立ち上がった。私は自分を見ている彼を見ている。どうしようか。しらないフリして打ち込もうかと迷っていたら、昨日のソフトが起動された。


『こんにちは』


 今日も覆面をしている。


『こんにちは。昨日こと考えてくれた?』


 もう十分に情報は仕入れた。彼もその間考えただろう。その為の準備も。


『うん。君一人だけなら行ってもいいよ。明日の土曜は休みだよね? 明日朝十時にまたパソコンの電源を入れて。場所は明日言うよ。』


 いろいろと条件付きなのはハッカーとして捕まるのを避けるためなんだろう。決まった。九条君は部屋を出る決意をしてくれた。本当なら待ち合わせすべきだろうが組織にバレると困る。今まで会ったことのない彼に会うのは変だと思われる。強引だがやるしかない。


『ありがとう。決意してくれて。じゃあ会った時に』


 私はこう打ってソフトを切り電源を落とした。そして柏木君に九条君の映像を送った。




 ***



「えっ! もう終わり?」


 僕は呆然としてパソコンの画面を見つめた。手作りの覆面を外して、立ちすくんだ瞬間、体をグッと引かれる感じがし眩暈がして一瞬目を閉じた。目を開けて驚いた。彼女の部屋だ。アングルは違うが、間違いない鏡野アリスの部屋に僕がいる。そして、彼女も……。僕を見て少し微笑み話しかけてきた。


「ごめんね。突然連れて来ちゃって。この話も危ないけど私との接触も危ないんだ。あ、ハッカーとしてではなく、その力、念動力を持つ者として、その力を狙われる恐れがあるからね。私は見張られてるのよ。だから、明日直接会うとあなたも狙われる。こういう形で会わないと危ないんだ。私もあなたも」

「え、え、どういうこと? なんでここに僕が……君の力? 危ないって、誰が狙ってるんだよ」


 僕は混乱した。せっかく明日彼女に会うために兄の部屋から服を、勝手にだが借りてきたのに……。なんてどうでもいいことまで頭によぎる。


「この力もあなたの力も同じものよ。そして、これを悪用しようとしている連中がいる。そいつらに見つかると最初はお金で雇われるか、それで承諾しなければ命を狙われる。そして、奴らのいいなりになったら人間兵器として使われる。私は力を隠してるけど、そいつらに見張られてるの。だから、外ではあなたに会えなかった。あなたとの接点はないからね。疑われたくなかったから。というわけであなたに強引だけど来てもらったの」

「ああ、う、うん。そうか。やっぱり君もこの変な力持ってたんだね」


 僕は少しづつ自分の状況や彼女の言ってることを理解しようと頭をフル回転させた。


「そう、これは一人や二人とかそんな規模じゃなく持ってる人がいる。そして力の強い弱いもある。あなたは自分の力を知ってどうしようとしてるの?」

「僕は……ただこの不思議な力をなんで持ったのか、他にも持っている人が居るのか、知りたかっただけなんだ。そしたら君を見つけて、声をかけたくなったんだ。なんでかわからないけど」


 そう異常なまでに彼女が気になった。最初に彼女を見つけてからずっと。


「そう。最初に当たったのが私で良かった。別のとこならあなたは今頃捕まってるよ。他には見つけてないんだよね?」


 彼女は心配そうに僕に聞いてくる。初対面だし、ハッキングしてたのに、なんて優しいんだ。


「う、うん。君を見つけてからは君を……その、あの」

「まあハッキング行為は違法だけど、悪用はしてない?」

「ああ、してないよ。ただの暇つぶしだったんだ」

「じゃあ、まあいいということで」


 えっ! あっさりだな。そういうことにしてくれるならまあいいんだけど。


「う、うん」

「じゃあ、私達はこれから仲間ってことでいい?」

「えっ! 何の仲間?」


 なんなんだ、突然のこの展開は?


「世界を守る!」


 ……わけわかんないよ。僕は完全に戸惑った。


「ふふふ」


 彼女は笑だした。


「何っ?」


 そして突然僕じゃない誰かに話しだした。


「桃李、柏木君来て。もう大丈夫だから」


 ドタドタと、ドアの向こうから足音が聞こえてきた。そしてドアが開き二人の男が入ってきた。


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