1 これまでのあらすじ
第三部からお越しくださった方にも物語を楽しんでいただけるよう、
第一部と第二部のあらすじを簡単にまとめました。
第一部、第二部を読了済みの方、またはすぐに第三部から読み始めたい方は、次のエピソードからお進みください。
これまでのあらすじです。
《第一部》
日本で暮らしていた百合香は、婚約の直後、友人の手により生を終えてしまいます。
それまでの三度の前世も婚約中に死を迎えていました。
死後、神の導きによって異世界へ転生し、新しい人生を歩み始めるリリエルですが、お人好しで人のため何かをして簡単に死んでしまう。
小さなことで命を落とし、何度も死と転生を繰り返しながら、人を信じること、誰かを愛すること、そして自分自身の人生を生きることを学んでいくリリエル。
やがてリリエルは、周りのちょっとした勘違いから、王太子ルベールの妃となり、王妃として一つの人生を最後まで生き抜きます。
その波瀾万丈のリリエルの人生を支えた天使。
その名は、智天使ケルビム。
異世界で寿命を迎えたリリエルは、天界で自分の魂に隠されていた真実を知ります。
彼女の魂は、もともと智天使ケルビムから分かれた光のかけら。
長い転生の旅を終えたあと、再び一つの魂へ戻るだけ。
しかしリリエルへの愛に気がついたケルビムは、もう一度、リリエルと出会い、人生を生きたいと、主である神に頼みます。
リリエルと智天使ケルビムが選んだのは、もう一度同じ人間界へ転生すること。
ただし、天界の掟で、転生時には全ての魂の記憶が封印されて、生まれ変わるとされている。
二人の魂も、何も知らないまま出発すること。
再び出会い、恋をし、人生を共に生きるために。
もし出会えなければ。
もし互いを選ぶことができなければ。
二人の魂が再び一つになることはない、という条件付きで。
ケルビムは智天使の翼を神に返し、人間として転生します。
それでも二人は、「必ず、もう一度あなたを見つける」と約束して、新しい人生へと向かったのです。
《第二部》
かつて智天使ケルビムと、その光のかけらリリエルだった二つの魂の最後の転生。
子爵令嬢ペルラ・クレサールは、街の小さな治癒所で働く落ちこぼれ治癒師。
幼い頃に王立治癒院の試験で「不適格」とされ、治癒魔法は人並み以下。それでも誰かの役に立ちたいと、領地の花畑で薬効の強い花の露を集め、特級ポーションを作ります。
一方、ヴァンドール・ド・グラサージュは、神の光を宿す《黄金の風》を操る王国最強の魔術師。
若くして王立魔術師団を率いる彼の力は、《ダークミスト》も魔物も一瞬で殲滅する。だがその代償に、使うほど自らの身体の内側を焦がし命を削っていく。
王命で結ばれた婚約者は、筆頭治癒師アデリーヌ・バルトランザ侯爵令嬢。しかしその治癒が効いたことは一度もない、どころかヴァンドールの症状を悪化させるだけ。
そんな二人が、クレサールの街中で、偶然出会います。
重症のヴァンドールが声をかけた治癒師のローブを着たペルラに。
初めて会ったはずなのに、なぜか気になる。
そして、誰にも癒せなかったヴァンドールの身の内の傷を、ペルラの治癒魔法だけが癒すことができるのです。
二人はまだ知りません。
互いが、かつて「きっと見つける」と約束した魂であることを。
二人が結ばれなければ、この最後の転生が失敗に終わることを。
そして地獄の側から来た《ダークミスト》が、幼い頃から二人を狙い続けていることを。
それでも、二人は互いが忘れられない。何故か思い出してしまう。
アデリーヌの治癒と称した《ダークミスト》を受けた瀕死のヴァンドールは、クレサールへ向かいます。
奇しくも黄金の満月の夜、天馬である二人の愛馬が呼び合い、無事に再会。
ペルラの治癒魔法によってヴァンドールは死の淵から完全に回復します。
バルトランザ侯爵家の企み、陰謀。
ヴァンドールと王太子ジュリアスは、調査をしていく中で真相に近づいていきます。
そしてデビュタントの舞踏会で、互いの正体と身分を知ります。
家格差も婚約者も跳ね除け、強く求愛するヴァンドール。
しかしこの時にはすでに婚約者アデリーヌが、ヴァンドールを傷つけていたことは明白でした。
そしてアデリーヌとの婚約解消、晴れて婚約者になった二人。
しかし、《ダークミスト》は二人を狙います。
バルトランザ侯爵家を操って。
天界では最強のケルビム。
しかし翼のない人間としての彼の力には限りがあります。
婚約した二人に、闇の企みが迫っています。
物語は続編『白百合と蒼金の誓い』へ続きます。
お読みいただき、ありがとうございました。
『お人好し令嬢の異世界婚活記3〜白百合と蒼金の誓い』は、ヴァンドールとペルラが婚約者として共に生きるところから始まります。
リリエルとケルビム、二つの魂の最後の人生を、一緒に見届けていただけましたら幸いです。




