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第5話 理想との乖離

【神政法国リュミエール】

ルプランド王国の南に位置する大国。

法皇が治める宗教国家。


2人は都市へ辿り着いた。

エミリアは辺りを見渡す。


エミリア

「ここが神政法国ですか…」


アスラン

「久々だな。」


エミリア

「前はいつ来たんですか?」


アスラン

「かなり前。」


エミリアは何かを発見する。


エミリア

「あの大きな建物はなんですか!?」


アスラン

「神殿。」


神政法国には、数多くの神殿がある。

1700年前に起きた「第一次人魔大戦」。


当時大陸西部には複数の人類国家が存在していたが、大戦により壊滅。

その後、壊滅した国が併合して建国されたのが神政法国。


他国よりも圧倒的に神殿や神の像が多い。

それは、二度と惨劇を繰り返さぬようにという――

神への祈りの表れであった。


エミリアは視線を上げる。

「あの…観光しませんか…?」


アスラン

「なんで。」


エミリア

「初めてこんな都会に来たので…」


アスラン

「えぇ…」


エミリア

「少しだけ!」


アスラン

「うん。」


エミリアは満面の笑みを浮かべ、

「ありがとうございますっ!」


エミリアはアスランの手を引っ張り、街を歩き回る。


神政法国の歴史は1700年。

数多くの神殿や、歴史的建造物が立ち並ぶ。


すると、エミリアは一つの像を見つけた。


【勇者フォルテス】

1000年以上前に生きた歴史上最強の勇者。

彼は大戦で魔王に迫った。

だが――

その直前、魔王の第一臣に惨殺された。


エミリア

「この御方が……勇者フォルテス様ですか。」


アスラン

「知ってんの。」


エミリア

「はい……本で読んだ事が。」


アスラン

「へぇ…」


エミリアは、もう一つの像に目を向ける。

勇者フォルテスの像の向かい側。


200年前に起きた「第二次精魔大戦」

魔王を追い詰めた、偉大なる魔導師の像。


石碑には、こう刻まれている。

・数多の悪魔を討伐した英雄

・精霊王朝を救った若き魔導師


エミリア

「すごい……この御方が…魔王を……」


アスラン

「へぇ…」


後ろから、エルフの老婆が声をかける。


老婆

「この御方はねぇ、人類を救った魔導師様だよ。」


エミリア

「すごいですね……魔王を追い詰めるなんて。」


老婆

「私はあの大戦で逃げている時、魔導師様を見た事があるんだよ。」


エミリア

「え…そうなんですか!?」


老婆

「空高くにいたから、薄らとね。確か……竜のような翼で、飛んでいたわよ。」


エミリア

「竜の……翼…?」


老婆

「えぇ、はっきりと覚えているわよ。」


エミリア

「本当に……人類なんですか?」


老婆

「さぁね…だが、実際に助けて貰った人の話では、エルフのように美しく…竜のように強い御方だったそうだよ。」


エミリア

「そうなんですか……この御方も、もう亡くなってしまったのでしょうか。」


老婆

「魔王の反撃で深手を負わされ、大戦後に姿を消したようだから…既に亡くなられたとも聞いたわ。」


アスランはぼんやりとしていた。

エルフの老婆は、アスランをじっと見つめた。


老婆

「貴方……どこかで会った事あるかい?」


アスラン

「覚えてない。」


老婆

「何か……見覚えがあるわね。」


アスラン

「人違いだろ。」


老婆

「はっはっ……すまないね。どうも最近ボケが始まったみたいで。」


老婆は魔導師像に祈りを捧げ、去っていった。


エミリア

「さっきのお婆さん、お知り合いですか?」


アスラン

「全く。」


エミリア

「何だったんでしょうね……」


アスラン

「知らない。」


エミリア

「アスラン様は、人の顔あまり興味無さそうですもんね。」


アスラン

「うん。」


像に祈りを捧げ、2人その場を後にした。


街中を歩いて観光していると、アスランが周りをキョロキョロし始める。


エミリア

「なにしてるんですか?」


アスラン

「エロいな。」


エミリア

「何言ってるんですか。」


アスラン

「いい体してる。」


エミリア

「気持ち悪いんですけど…」


アスランがまじまじと見ると、女性達もそれに気づく。

彼もかなりの美形ので、女性達は微笑んで手を振った。


エミリアはその光景を見て、ムスッとしている。


エミリア

「私も故郷では、美人って言われてたんですけどね。」


アスラン

「へぇ…」


エミリアは睨み、

「は……絞め殺しますよ。」


アスラン

「なんで。」


エミリア

「下品だし、最低です。」


アスラン

「失礼だろ。」


エミリア

「もういいです。」


エミリアはカフェに駆け込んだ。

アスランもゆっくりとカフェに入り、彼女の向かい側に座った。


アスラン

「なに。」


エミリア

「……別に。」


アスラン

「面倒臭い。」


エミリア

「舐めてます?」


アスラン

「舐めてない。」


エミリア

「顔が良くても、中身はダメですね。」


アスラン

「中身も良いだろ。」


エミリア

「冗談下手ですね。」


アスラン

「大真面目だけど。」


エミリア

「はぁ……女の子の前で下品な事を言うものじゃないですよ。」


アスラン

「女?」


エミリア

「私ですけど。」


アスラン

「あぁ…」


エミリア

「なんですか?」


アスラン

「なにも。」


エミリア

「私、女の子ですよ。」


アスラン

「うん。」


エミリア

「少しは考えてくださいよ。」


アスラン

「なんで。」


エミリア

「一緒に行動してるから。」


アスラン

「嫌なら離れれば。」


エミリアは顔を曇らせ、

「………分かりました。」


エミリアはカフェを飛び出した。

アスランは面倒に思い、一人でスイーツを食べ始めた。


その時、街が騒がしくなる。


街の郊外にミノタウロスが出現したのだ。

エミリアは騒ぎも気にせず、街の郊外へ走り去ってしまった。


エミリアは街の郊外で、ミノタウロスと鉢合わせしてしまった。


足元には、衛兵の死体が転がっている。


ミノタウロスが、こちらに向かってくる。

彼女は身動きが取れず、声も出せない。


エミリアは顔を青くし、

「えっ……あっ……」


ミノタウロスはエミリアに向かって、


武器を振り下ろした――

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