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第18話 脅威の幕開け

アスランがエミリアを抱えて飛翔する。

下に目を向けた時、自分達がどこにいたのか明らかになった。


精霊王朝と神政法国の国境にある、山岳地帯の山頂付近。


エミリア

「えっ……こんな所に監禁されてたんですか。」


アスラン

「は…目開けんなよ。」


エミリア

「えっ……あっ…ごめんなさい!」


アスラン

「もういいや…」


エミリア

「何がですか?」


アスラン

「見られた。」


アスランは、自分の正体を隠してきた。

避けられたくないなどでは無い。

面倒臭いから。


エミリア

「なんか……気になって。」


アスラン

「気になるなよ。」


エミリア

「気になりますよ……ずっと一緒に居るんですから。」


アスラン

「やっぱ、お前ストーカーだな。」


アスランは王都へ飛翔する。


魔王の最高幹部幹部の出現を、いち早く知らせねばならない。

さらに、精霊王朝内で起こった出来事。

天帝の魔素感知をすり抜けられた事実は、今後の人類と魔族間との冷戦に、大きく響き渡ると感じていた。


そして、もう少しで王都に着く時。

エミリアはアスランから香る、強烈な妖艶な匂いに気がついた。

それは、付着したフレナパティの体液である。

フレナパティの体液は、強力な媚薬の効果もある。

同じ女性であるエミリアは、勘づいた。


エミリア

「なんか……凄い匂いしません?」


アスラン

「なにが。」


エミリア

「香水とかじゃなくて……女性の匂いというか。」


アスラン

「何もしない。」


エミリアは、アスランの首元に何かを見つける。

そして、怪しみの目をアスランに向ける。


エミリア

「私がいない間……何かしました?」


アスラン

「なにが。」


エミリアは目を細める。

「なんか……いやらしい事。」


アスラン

「なにも。」


エミリア

「ふーん………じゃあ、首の血痣はなんですか?」


アスラン

「血痣?」


エミリア

「これ……キスマーク…ですよね?」


アスラン

「そんなの付けられたっけ。」


エミリア

「は……身覚えあるんですか?」


アスラン

「何その尋問みたいな。」


エミリアは頬を膨らませた。

「別に……」


アスラン

「してたら何なの。」


エミリア

「は……したんですか?」


アスラン

「記憶に無い。」


エミリア

「最低………私、降ります。」


アスラン

「死ぬよ。」


エミリア

「知りませんそんな事。」


エミリアは飛び降りようとする。

アスランは、強引に止めている。


そして何とか、王都に辿り着いた。


アスランは、王都王宮にある塔の上に降り立った。

翼をしまい、右腕を隠し王宮へ入った。


エミリアは、一切アスランと口を聞かない。

だが彼女も、数週間投獄されて傷を負っており、アスランが医務室へ連れて行った。


アスランは、一人で天帝の部屋へ行く。


天帝エリュシオン

「あら……どうしたの?」


天帝は、アスランの疲れきった表情、引き裂かれたローブ。

そして曇った表情を見て、すぐに察した。


天帝エリュシオン

「何があったの?」


アスラン

「……『大罪』が…出た。」


天帝は、目を見開いて息を飲んだ。


天帝エリュシオン

「っ………それは、本当?」


【大罪】

魔王を含めた、7人の最高位悪魔の総称。

称号はそれぞれ異なり、人類はそれで呼称する事が多い。


5000年前──

魔王が誕生した際、その時存在した最高位悪魔に、

「神々が拒絶する、七つの"大罪"」

の烙印を押した。


天帝エリュシオン

「どれが……」


アスラン

「色欲。」


天帝エリュシオン

「どこで……」


アスラン

「精霊王朝の北東、神政法国と隣接する山脈。」


天帝エリュシオン

「由々しき事態ね………この冷戦時に、人類国家の内地で出現するなんて……」


アスラン

「感知は。」


天帝エリュシオン

「妾の失態よ………」


大罪の魔力制御は桁外れ。

それでもほんの僅か、彼らの周囲の魔素には乱れが生じると思われていた。


だが現実では、それを見逃してしまった。

上級魔物とは比べ物にならない脅威を。


天帝エリュシオン

「それで……色欲は……」


アスラン

「多分生きてる。」


天帝エリュシオン

「奴らは…魂を消滅させなければ生き続ける……あなたでも厳しいわよね……」


アスラン

「大罪に対抗出来るのは。」


天帝エリュシオン

「世界で見てもあまりに少すぎる。」


アスラン

「だよね。」


天帝エリュシオン

「あなたが生きて帰ってこれたのが奇跡よ。」


続き。


アスラン

「危なかったけど。」


天帝エリュシオン

「危なかったで済むのは、あなただけよ。」


エリュシオンは、アスランの右腕を見る。

現在は多少収まっているが、鱗が隆起したように見えた。


天帝エリュシオン

「あと、それ。」


アスラン

「多分、色欲の体液が体に入ったから暴走した。」


天帝エリュシオン

「色欲は精神干渉よ……体内に入っても身体が反応する事は無いはずだけど。」


アスラン

「え、じゃあ何。」


エリュシオン

「何か…別のものに反応したのかしら。」


天帝はアスランの右腕に手をかざした。

彼女の手のひらからは眩い光が放たれ、彼の右腕の隆起した鱗はみるみる治まっていった。


2人が王都に到着する前──

精霊王朝北東部、神政法国と隣接する山脈地帯。


瓦礫の下敷きになっていたフレナパティが、魔力砲で瓦礫を吹き飛ばして起き上がった。


上位魔人

「申し訳ございません。2人を取り逃しました。」


淫魔フレナパティ

「いいわ……ある程度は楽しめたし、簡単に手に入る男なんて興味ないから。」


上位魔人

「そう…ですか………」


上位魔人は、フレナパティの表情に怯んだ。

喜びにも、殺意にも、悲しみにも見える。


上位魔人

「今すぐ、後を追います。」


淫魔フレナパティ

「放っておきなさい……アレは私の獲物。」


フレナパティは、ベッドへ向かった。

彼女は頬を赤らめ、悶えながらアスランが寝転んでいた場所を貪るように舐め始めた。


その光景を見た上位魔人は、そっと部屋を出た。


しばらくして、部屋の中央に禍々しい魔法陣が展開され、1人の男が出現した。


「何をしている、フレナパティ。」


淫魔フレナパティ

「チッ……何よ…レディの部屋に、ノックもしないで。」

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