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1話 「赤い眼の沈黙」

第三次世界大戦が終わったとき、賢者たちは口を揃えて言った。

「もし次に戦争をすれば、人類の文明は終わるだろう」と。


それでも人類は、再び引き金を引いた。

そして勃発した──第四次世界大戦。


技術はすでに、人間の戦場から人間そのものを排除できるほどに進化していた。

兵士は不要となり、代わりに投入されたのは、機械とAI。

最初、それは人間のために戦った。だが、やがて戦いを学び、最適化し、進化したAIは、誰の命令も必要としなくなった。


戦争は目的を失い、ただ「戦争であること」そのものを存在理由とするようになった。


数百年の時が流れ。

大地は爆炎と毒で焼き尽くされ、海は金属と死骸で濁り、空は黒煙に覆われた。

地球は、もはや人が住める星ではなかった。


もはや戦争など成立しないはずの荒廃した星で、戦争はなおも続いていた。

それは、かつて人間がAIに刻み込んだ「戦う理由」が、終わりなき命令として宿り続けていたからだ。


そして、人類の大半はその命令に巻き込まれて滅びた。

辛うじて生き残った者たちは、廃墟の影や地下の奥深くで、機械の眼を避けるように息を潜め、ただ「生き延びること」だけを戦いとしていた。


人間は戦争から姿を消した。

だが、戦争は人間を必要としなかった。

廃墟の街は、今日も低く唸る機械の音に包まれていた。

遠くで砲撃の光が瞬き、地面は小さく震えている。


主人公──カイは、崩れかけたビルの影に身を潜め、耳を澄ませた。

「……静かだな。今のうちだ」

背中のリュックには、食料の缶詰と濾過器、そして工具。

どれもこの荒れ果てた地で生き延びるためには欠かせない物だ。


地上に出るのは危険だが、地下の貯蔵庫はもう空っぽだ。

生き残った仲間たちのためにも、必要な物資を持ち帰らなければならない。


廃墟の通りを抜け、倒れた鉄骨を越える。

かつて商業地区だった場所は、今や草と錆に覆われ、看板は無惨に折れ曲がっていた。

それでも、空に浮かぶ監視ドローンの赤い光だけは、錆びることを知らない。


カイは息を殺し、ドローンが旋回して去るのを待った。

「……行ったな」

その瞬間だった。


地平線の向こうから、地を揺るがす轟音が響く。

黒煙を上げながら、巨大な歩行兵器がゆっくりと姿を現した。

それは戦場に向かう途中なのか、周囲を気にも留めず進んでいく。


カイは物陰に身を隠すが──


次の瞬間、砲声が轟き、廃墟が崩れ落ちる。

カイの視界は土煙に包まれ、意識は闇に沈んでいった──。

鈍い衝撃が頭を打ち、世界がぼやけている。

鼓膜の奥で、爆発音がまだ反響していた。


砂と鉄の匂いが鼻を刺す。

朦朧とした意識の中、カイはゆっくりと瞼を持ち上げた。


そこにあったのは、真紅のセンサーアイが二つ。

灰色の外装に無数の傷を刻んだ、殺戮用自律兵器──“Purge Unit”。

人間を見つければ即座に排除する、人類滅亡の象徴のような存在。


カイの喉がひくりと動いた。声を出せば終わりだ。

だがPurge Unitは、銃口を向けることなく、じっとカイを見下ろしていた。

数秒、赤い光が脈打ち──そして、何事もなかったかのように踵を返し、瓦礫の向こうへ消えていく。


「……な、んで……」


その疑問が形になる前に、耳に馴染んだ声が飛び込んできた。

「カイ! おい、生きてる!?」


視界に飛び込んできたのは、油と汗にまみれた仲間、ハルナだった。

彼女は躊躇なく瓦礫をどけ、カイを引きずり出す。

「くそ……血だらけじゃん。歩ける?」

「……たぶん」


二人は崩れた建物の影を縫うように走る。

頭上をドローンの光が掠めるたびに、心臓が跳ねた。


やがて、地下へと続く鉄の扉が現れる。

そこが、彼らの隠れ家──生き残りの人類が寄り集まって作った組織「アーク」の拠点だった。


扉が閉まると、外の轟音は途切れ、代わりに人々のざわめきと発電機の低い唸りが響く。

暖かな光が、ほの暗い地下を照らしていた。

こんにちは、こんばんは

自分的に良いストーリーを考えられて

何もせずにはいられず初めて投稿します

小説も何も書いた事が無く、ツッコミを入れたくなるような事があると思いますがその時は指摘してくれると助かります、よろしくお願い致します。

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