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ならずや黎一郎  作者: 有氏ゆず
第三話 ならずや、結成!
49/51

3-11





涼さんは少女……アリスに優しい眼差しを向ける。アリスはそれを受け、にっこりと笑った。


「アリスとはここで出会ったの。伸びっぱなしの草の中で遊んでいて、始めは人間だと思ったわ。親は何処にいるのかと、どうしてこんなところに子供を放置しているのかと思ったの。でもすぐに彼女が人間でないことは分かった」

「アリス、飛べるもの!ね?」

「ええ、そうね」


アリスの言葉に涼さんは頷き、優しく頭を撫でる。撫でられた少女はとても嬉しそうに微笑んだ。


「その時アリスと色々お話してね……いつの間にか、彼女のことが私の子供のように思えてきたの」

「アリスも!涼のこと、お母様だと思ってたわ!」


アリスの言葉に涼さんも嬉しそうに微笑む。





「……それから私はほぼ毎日アリスに会いに行ったわ。……そして、彼からの連絡を無視するようになったの」

「……え、それは……」

「良くないわよね。私にも分かるわ」


愛している彼女が突然連絡をして来なくなり、何処かに入り浸っている。

普通の男ならば、浮気を疑ってしまうものではないだろうか。


「あなたの想像通り。彼は浮気を疑って来たわ。でも私はそれすらも面倒になってしまって、頑なに彼を避けた」











……何とも言えない。

僕はその彼氏さんとは会ったことが無いし、どんな人かも分かっていない。


でも、もしその彼氏さんが本気で彼女との結婚を考えていたら、どんな彼女でも受け入れる覚悟が出来ているのだとしたら……涼さんのこの行動は、余りにも彼に対して不誠実ではないかと思ってしまう。


……でもこれは、僕が男だからこそ、こう思ってしまうのだろうか。

女性だったらもっと、違う答えが出せるのだろうか……?


だとしたら、僕が簡単に口出しをしてしまうのは、何か違うような──────











「……ばっかみたい」




そんな僕の不安を払拭するような凛とした声が、響き渡った。




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