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ならずや黎一郎  作者: 有氏ゆず
第二話 恐怖!呪いの人形
33/51

2-16





「式部、助かるよ……!飲んで……!」


成世さんは小瓶の蓋を開け、すぐさま式部に飲ませようとした。

しかし、彼は口を閉じて抵抗してしまう。


「ど、どうして……!助かるんだよ!?」

「陰魔が抵抗してやがるんだ……。つまり、あの薬の効果は本物ってことだなァ」

「へえ、本物だったんだね……ってもういない!?」


先程までいた物売りは既に姿を消していた。……いつの間に。全く気が付かなかった。


しかし、このままでは手遅れになってしまう。何とかして式部に薬を飲ませなければ……!




「……私が、やります」

「じ、純子さん!?」


先程まで気絶していた純子さんが立ち上がる。無茶だ。まだちゃんと回復していないのに。


「私が、陽魔を気絶させます。私の木刀は奇具なので、出来ます」

「そ、そうか!奇具はダメージは与えられるけど、成仏させることは無いから……!」

「……はい。ですから、私でなければ出来ないのです。あの陽魔の方には、少し痛い思いをさせてしまうかもしれませんが……」


しかし先程まで気絶しており、既にボロボロな純子さんにそれを任せるのは酷だった。




「そうかァ。……いけるか、純子」

「可能です」


神々廻さんの問いかけに、彼女は頷く。

そして僕の元に歩み寄った。


「……木刀、預かってくださってありがとうございました。後は、私がやります」

「純子さん……」


正直、僕が代わってあげたいと思った。でもきっと、僕では太刀打ち出来ない相手だろう。

この奇具を使い慣れた純子さんにしか、出来ない役割なのだ。


「……お願いします!」

「はい。任せてください……!」


僕は純子さんに木刀を手渡す。

彼女はそれを受け取り、力強く微笑んだ。






「一発で終わらせます!!」


彼女はなるべく式部を苦しませない為に、確実に急所を……胸部を狙った。そして……!









「一閃!!」








思い切り木刀を振り抜く。


それは、本当に一瞬の出来事だった。




骨が砕けるような鈍い音がしたのは、まあ、聞かなかったことにしておこう……。





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