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ならずや黎一郎  作者: 有氏ゆず
第二話 恐怖!呪いの人形
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2-9





「旦那ァ、絶対役に立つから買っておくれよ」

「要らねェって言ってンだろ。そもそも視える俺には不要なんだよ」

「でも視えない人に視せてあげられるじゃないか。お嬢もそう思わないかい?」

「そもそも陰魔が視たいなんて物好き、あんまり居ないと思うけど。……あ、」


僕はあの後色々な人に聞き込みをし、ようやく神々廻さんを発見することが出来た。……が、彼は取り込み中のようだった。

というか、何かを押し売りされているような……。




「黎一郎、将吾だよ」

「あァ?何だどうしたゴショー」


取り込み中にも関わらず馨ちゃんは僕に気づいてくれ、神々廻さんを呼んでくれた。


「おや、知り合いかい?なら邪魔しないうちに退散するとしようかねェ」

「おう。二度と来るなァ」


怪しい物売り(?)の女性(男性かもしれないが性別が分からない)はひらひらと手を振って去って行った。

そして神々廻さんは改めてこちらに向き合ってくれる。




「……汗だくじゃねェか。どうした?」

「あ……その、」


全速力で走っていきなり止まったせいか呼吸が上手く出来ず、それに動揺しているせいで上手く説明も出来なかった。

早くしないと、純子さんが危険な目に遭っているっていうのに……!


「……黎一郎。将吾から陰魔の気配がする」

「でも、憑かれてねェだろ」

「あ……食堂に……」


呼吸が整わないまま、それだけを口に出す。

しかし、神々廻さんはそれで全てを察してくれたようだった。




「……どうやらヤバい状況らしいな」

「うん。急がなきゃ」

「ごめ……僕、走れそうにないから……」


「置いて行って」と口に出す前に、神々廻さんは僕を担ぎ上げる。


「えっ、ちょっ!?」

「あァ?置いて行く訳ねェだろ。テメェも道連れだ、ゴショー」


べ、別について行くのは良いけど、僕一応男なんだけどな!?

どうしてそんなに軽々と、しかも片手で持ち上げられるかな!?


「ま、まさかこのまま行く気!?」

「当たり前だろ。どうせテメェは俺について来られねェんだからよ」

「喋らない方が良いよ。速すぎて、舌噛んじゃうから」

「いや、馨ちゃん!ちょっと流石にこのまま走るのって無理じゃ……」










─────次の瞬間、




僕は馨ちゃんの言っていた意味を理解することになるのだった。





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