1-13
『ウゥゥ……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛』
陰魔の耳障りな叫び声が響き渡る。
煩い。頭が割れそうだ……!
『カネェ!カネヨコセェェェェ!!!』
「え!?僕……!?」
お金の匂いを感じ取ったのだろうか、陰魔は僕にターゲットを変えてこちらに向かってくる。
「……させない」
しかし陰魔が僕に触れることは叶わなかった。
僕の目の前にベールのような膜が張られており、その膜を超えることが出来ないようだった。
「な、何これ!?どうなってんの!?」
「大丈夫。私の力だから。その代わり、絶対に私の手を離さないでね」
その言葉で、これは馨ちゃんの力なのだと把握した。だったら言われなくても離す気は無い。
『ウガアアアアアァァァァ……!クソクソクソクソクソクソクソクソ!!』
すると今度は拘束されている僕の両親へと狙いを変え、襲い掛かる。
『オマエノセイダ!オマエノセイデオレハコンナスガタニ!!!オマエノセイオマエノセイオマエノセイ─────』
「いい加減に……しやがれェ!!」
しかしそれも叶わなかった。
何故なら神々廻さんが番傘で思いっきり陰魔に殴りかかったからだ。
「『お前のせい』だァ?全部テメェの自業自得じゃねェかクソボケェ!!」
『グゥゥ!?』
そして陰魔の首(らしき部分)を掴み、今度は確実に番傘の先端を深く突き刺す。
『グ、グアァァァァ……!!』
それで、おしまいだった。
『イ、イヤダ、ジゴクハイヤダ……』
神々廻さんが陰魔から番傘を引き抜くと、陰魔はもがきながら光に包まれ……消えた。
「さっさと地獄逝って罰を受けて罪を洗い流してから、今度はマトモな人間に生まれ変わりなァ」
彼はそう呟いて、殴ったせいで多少骨が折れてしまった番傘を背中に戻した。




