エピソード:16『疑念と混乱』
こんにちは、ライダー超信者です。更新が大変遅くなって本当に申し訳ありません。
仕事が忙しくてなかなか書く気力が起きず‥‥‥‥しかし半年以上放置は流石にダメですね、以降気をつけます。
「このアリディア城に気付かれることなく侵入するなど絶対に不可能!!ましてジャマーなど、こいつらが手引きしたに違いありません!!
一刻も早く始末するべきです!!」
シュバリエラさんはジャマーに襲われた一連の 流れを女王様に報告し、俺達が敵であると今にも斬りかかってきそうな勢いで強く訴える。
「大臣、本当ですか?」
「えぇえぇ確かに襲われましたよ。こりゃ一本取られたってとこですな」
「宝笑さんどういうことなんですか‥‥!」
「俺も分かんないよ‥‥!でもジャマーに襲われたのは本当なんだ、もう何がなんだかさっぱり‥‥」
「なんでお城にジャマーが‥‥!?ど、どうやって?」
「ジャマーが入り込めるような場所ではないですし、侵入できたとしても直ぐに見つかって大事になりそうですが‥‥‥‥」
共に呼ばれた‥‥というより拘束されて連行されてきたヒノカさん達とひそひそ話す。
「貴様ら全員極刑だ、今の内に覚悟しておけ」
「待ってください、本当に俺達は‥‥!」
「陛下、私もシュバリエラ殿に賛成さね。彼らをほっとけばまたどんな災いを呼ぶか分からない、ここで殺しておくのが国のため民のためさ。
仮に今魔修羅に暴れられたら国の中枢から崩れる、そこに魔王軍なんて来られた日にはアリディアの存亡に関わるよ。
しかし一国の王と聖剣士を騙くらかすなんて、アンタらも中々役者だねぇ」
「大事なところが抜けているんじゃないかしら」
フィーニアスさんは立ち上がると警戒する兵士達を意に介さず女王様を真っ直ぐに見て話し始める。
「女王陛下、私からもお話ししたいことが御座います」
「おい!貴様立場を弁え「貴女に用はないわ、少し黙ってて」」
「シュバリエラ、大丈夫です。
‥‥お話しとはなんでしょうか?」
「そこの騎士団長は私達に襲われたなどと言っておりますが、襲われたのは私達の方で御座います。そこの二人は女王陛下が呼んでいると虚偽の内容で宝笑を連れ出し、彼を謀殺するつもりでした。
恐らくは彼だけでなく、私達もそうするつもりだったのでしょう‥‥そうよね、騎士団長様?」
女王様が驚いた顔で見ると顔を歪ませたシュバリエラさんは焦りながら弁明しようとするが、そんなことはお構い無しにフィーニアスさんは話し続ける。
「そして私が合流した直後にジャマーが現れた‥‥あまりに出来すぎていると思いませんか?
そもそもこの城に来たばかりで城内の構造など知らず、監視の目もあって自由な行動など取れない私達がジャマーを手引きないし予め仕込んでおくなど不可能です」
「い、いや!何かタネがあるに決まっている!こんな奴らの戯れ言など!」
「ならそのタネとやらを説明してもらっていいかしら?納得のいく説明をしてもらえるんでしょうね?」
「‥‥‥‥!!」
「確かに我々が疑われても仕方のない状況ではあります。ですが確実な証拠がないにもかかわらず一方的に犯人と決めつけ、あまつさえ処刑など通っていい筈がございません。
問題というならば、一国の騎士団長や大臣ともあろう者が女王陛下の名前を利用し、自国を救った恩人かつ聖剣士の客人を独断で始末しようとしたことの方が余程問題かと」
「‥‥‥‥仰る通りです。謝って済むものではありませんが、シュバリエラと大臣の非礼、誠に申し訳ありませんでした」
女王様が俺達に頭を下げると周囲は騒然となり、シュバリエラさんは愕然とした顔で固まってしまった。
「い、居心地悪いっす‥‥」
「この状況であれだけハッキリ言えるフィーニアスさんも大概ですね‥‥‥‥」
「二人の処罰は追って通達しましょう。
しかしそうなると一体どうやってジャマーが‥‥‥‥」
「陛下には失礼ですが、恐らくはこの城の人間が手引きしたのかと。それこそそこの騎士団長とか」
「どっ、どういう意味だ貴様!!」
「そう考えた方が色々腑に落ちるでしょ。貴女なら城の構造を熟知しているだろうし、持ち場からそこまで動かない一般兵と違って城内を自由に動くことも、兵の配置を変えることも出来る。ジャマーの侵入経路を作るのはそう難しくはない筈よ。
少なくとも私達よりはよほど現実的でしょう?」
「あり得んな!私がそんなことをする理由がない!」
フィーニアスさんとシュバリエラさんは激しい火花を散らして言い合う。
とりあえず一旦冷静になってもらうために止めに入ろうとした時、先にラメールさんが二人の間に割って入った。
「お二人共、一度落ち着きましょう。ここで言い合いをしても何も解決しませんし、これが犯人の狙いかもしれません」
「‥‥どういう意味ですか」
「もしかするとこの状況、私達がお互いに不信感を持つように、いがみ合ってぶつかるように仕組まれたものかもしれません。だとすれば今のこの状況は犯人の思う壺です。
一旦落ち着いて、しっかりと考えてみませんか?」
「シュバリエラ、気持ちは分かりますが一度冷静になりましょう。
宝笑さん達が犯人だという証拠は何もないのですから」
女王様に言われてしまえば流石に反論出来ないのか、シュバリエラさんは険しい表情をしつつも一先ずは引き下がった。
「しかしねぇ、第三者の可能性があるって言ったって、じゃあ一体誰が手引きしたってんだい?この城にそんな情けない輩はいないと思うけどね」
「大臣の言う通りだ。私もそんな人間がこの城にいるとは思いたくない」
「しかし状況的にはそちらに内通者がいると考えた方が自然よ」
「私も宝笑さん達が犯人というのは考えづらいです」
「‥‥ていうか、こうなってる以上もうこの城に魔王軍の手先が入り込んでるのは確定してるってことじゃ‥‥?」
議論を重ねていた時、勢いよく扉が開いて兵士が転がり込んできた。突然のことに全員の視線が一斉にそちらに向く。
「陛下、魔王軍の進行です!!ジャマーのみで行動隊長らしき存在は確認出来ませんでしたが数が多く、街を巡回している者達だけでは足りません!!」
「王立騎士団、出動してください!」
「ラメール殿も頼むよ!」
「はい!」
「僕も行きます!」
「待て魔修羅!貴様は大人しくしていろ!」
「僕も役に立てる筈です!行かせてください!」
「貴様自分が問題の中心だということを理解していないのか。
〝リストレイント〟!」
シュバリエラさんが呪文を唱えた瞬間、俺は抵抗する間もなく光の杭のような物を打ち込まれて拘束されてしまった。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「そこで大人しくしておけば少しは見直してやる。
王立騎士団、行くぞ!」
兵を引き連れてシュバリエラさんは出ていき、俺達はこの場に取り残されてしまった。
どうしたものかと項垂れていると、見かねた女王様が解放するよう命令し、残っていた兵士達は渋々呪文を解除してくれた。
「何度も申し訳ありません。大丈夫ですか?」
「は、はい。ありがとうございます」
「‥‥ごめんなさい。こんなことを言っても信じて頂けないかもしれませんが、シュバリエラも決して悪い人間ではないのです。
ただ、騎士団の長として国を守ろうと必死な余り、心に余裕がないだけなのです」
「だとしてもあの態度は如何なものかと。地位の割りには随分行動が軽率に思います」
フィーニアスさんの言葉に女王様は困ったように苦笑いする。反応からしてどうやら暴走したのは一度や二度ではないようだ。
「彼女はその‥‥思い込みが激しいというか、暴走しがちというか‥‥悪人ではないのですが‥‥‥‥申し訳ありません」
「い、いやいや!女王様が謝る必要なんてありませんよ。シュバリエラさんの立場や魔修羅のことを考えたら、ああなってしまうのも当然だと思いますから」
「しかし‥‥」
「僕なら大丈夫です。お気になさらないでください。
‥‥‥‥ただ、もし何かあった時はみんなをお願いします」
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騎士団の方達と共にジャマーを斬って斬って斬り続ける。報告にあった通り、確かに普段よりもかなり数が多い。
「早く安全な場所に!」
「はっ、はい!」
「聖剣士様、ありがとうございます!」
「市民の安全と避難を最優先だ!急げ!!」
ジャマーを倒しながら城内での出来事を考えていた。
本来ジャマーを率いる筈の行動隊長がいない、気付かれることなく城に侵入していたジャマー、狙ったように宝笑さん達の前に現れたタイミング、更には立ち入れる人間が限られている地下水源に侵入していたアルラウネの行動隊長‥‥‥‥フィーニアスさんの言う通り、城に魔王軍のスパイがいる。城の件も地下水源の件も、恐らく犯人は同じ。
地下水源の入り口には無理矢理入ったような形跡が一切無く、掘り進んで侵入したような形跡も無かった。あれも犯人の手引きを受けたのだろう。
(〝地下水源に入れるだけの権限を持ち、城の中を自由に動いても怪しまれない誰か〟 こうなると国でも限られたごく一部の人間しかいない。
確かにシュバリエラさんも該当するけど、あの人の性格上国を裏切ることはあり得ない。女王陛下なんて以ての外。一体誰が‥‥‥‥?)
はっとして城の方へ振り向く。
「━━まさか」
閲覧ありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。




